2025.11.16
個人がオーダーした、世界で一台だけのフェラーリSC40を知っていますか?
フェラーリには超富裕層向けにオーダーを受けるサービスがある。その中でも特にスペシャルなのが「ワンオフ」。この度発表されたSC40は発注主は発表されていないが、F40をイメージにオーダーされたものだと言う。その全貌をリポートする!
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写真/Ferrari SpA 編集/高橋 大(Web LEON)
F40にオマージュを捧げたワンオフのフェラーリ

SC40ってちょっと変わった車名。ぴんときたオヤジさんもいるでしょうか。そうなんです。1987年登場で当時スーパー・フェラーリと呼ばれた「F40」のイメージを盛り込んだんだそう。
F40はフェラーリ40周年を記念してつけられた車名。中身はグループBというレースへの参戦を前提にしていたほどの”カリカリ”です。
腕におぼえのあるひとでないと扱えないような性能ぶりで、逆にそれだけに「このところフェラーリはマイルドになったなあ」なんて言っていた当時のファンがとびつきました。

車体のデザインはピニンファリーナ。ほとんどグラウンドクリアランスのないような低いノーズからリアにかけて、極端なウェッジシェイプです。
車体には各所に空気採り入れ孔が設けられ、リアには高いウイングがそびえていたのも迫力。
サイドとリアのウインドウはレクサンというポリカーボネートがガラスの代わりに使われていました。
細部までF40を感じさせるディテールが満載

F40が歴史に残るのは、機能を採り入れたデザインゆえでしょう。ある種の機能美ですな。
SC40を注文したひとが誰だか発表されていません。少なくともF40の大ファンだったのでしょうね。デザインを担当したのは、フェラーリのデザインセンターです。
とくに目立つリアウイングやドアのところの黒色のエアインテーク、それにテールエンドなどが、インスピレーションを受けた部分ですね。
もうひとつ、凝っているのは素材。F40はそもそもレースカーのコンセプトがベースですから軽量化を徹底的に追求していました。

SC40の車体は、このクルマのために開発された特別な白色で塗られています。太陽光線による陰影をきれいに出すとともに、ケブラーをイメージした色、とフェラーリでは説明しています。
中身は先述のとおり296GTBなので、3リッターV6気筒エンジンをミドシップ。プラグインハイブリッドによって、最高出力は610kW、最大トルクは740Nmと同一です。

どこが似てないとか、そういうあら探しをされると、いやちょっと違うんです、って言われるかもしれませんね。あくまでもインスパイア系ですから。
フェラーリでは、量産モデルに加えて、今回のようなボディデザインまでオーダーに合わせて特別な1台を作る、「ワンオフ」と、ベースモデルに対して個人の好みを内外装にうんと反映できる「テイラーメイド」を富裕層に向けて展開。
さらに、歴史的なモデルを要素を採り入れたごく限定の「イコーナ」、それにサーキット志向のひとのための「スペシャルシリーズ」など、ラインナップは多彩です。
なんともうらやましい楽しみではありませんか。






■ フェラーリ・ジャパン
















