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2016.04.12

テクノロジーの進化が 夜ドライブを劇的に変える 〜Vol.2〜

CREDIT :

写真/森 浩輔 文/九島辰也

2016年4月号より

24時間レースへ出場する理由はここにある

アウディもまた夜ドライブに関して早くから興味をもち、開発をしてきたメーカーだ。代表的なところでは当初A8に搭載されたLEDヘッドライトが挙げられる。これは単に照射距離を延ばすだけでなく、センサーが人や対向車を感知すると、そこに影を作りライトの眩しさを妨げるという機能をもたせた。その意味でも実用性の高いテクノロジーだと言えるだろう。
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実はアウディが夜間走行を円滑に行うために技術開発をしたのにはちゃんと理由がある。それはレースでの経験。彼らはサーキットを“走る実験室”と形容するがまさにそれに当たる。
具体的にはル・マン24時間レースだ。午後3時のスタートから24時間走り続けるのだから夜間走行の対策は必要となる。一周約13キロのコースは一般道も含まれるため、夜は街灯のないところもあるのが現実だ。ヘッドライトの光を頼りにアクセルを踏み続けるのだから、ドライバーの負担は相当なものに違いない。前述のLEDヘッドライトと自動的にハイとロービームを切り替えたりする技術は、そうした環境のなかの産物となる。
新型TTはアウディ初のフルデジタル多機能メーター「アウディ バーチャル コックピット」を採用。オーディオやNAVIの操作は、目の前を見るだけで済むので、より安全性が向上。
新型TTはアウディ初のフルデジタル多機能メーター「アウディ バーチャル コックピット」を採用。オーディオやNAVIの操作は、目の前を見るだけで済むので、より安全性が向上。
そのアウディの最新の夜ドライブアイテムは、アウディバーチャルコックピットかもしれない。これは新型TTに装備された12.3インチの大型ディスプレイを用いた機能で、左右に独立したタコメーターとスピードメーターを映す“クラシカルビューモード”とそのふたつのメーターを小さくし画面のほとんどをナビ画面にする“プログレッシブビューモード”を表示するというものだ。

さらにハイパフォーマンスのTTSを選べば、タコメーターをセンターにした“スポーツレイアウトビューモード”も選べるという。
モニター類をメーターパネルに集約させたことによって、アウディならではの赤いイルミネーションとアルミの質感が強調された。アウディ特有の色気を感じさせる部分だ。
モニター類をメーターパネルに集約させたことによって、アウディならではの赤いイルミネーションとアルミの質感が強調された。アウディ特有の色気を感じさせる部分だ。
で、ナニが言いたいかというと、これが夜ドライブでは効果が大きいということ。というのも、暗がりで光を見るのは目が疲れるため少ない情報のほうが効率的となるからだ。

これは夜間飛行する飛行機のコックピットでも同じ。最低限の計器だけに光を与え、目の疲れを防ぎながらパイロットの集中力を高めるようにしている。といったように新技術を次々に投入するアウディ。

ル・マン24時間レースを通して夜間走行のすべてを知り尽くした彼らから目が離せない。
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AUDI [アウディ]

クルマにおけるLEDの先駆者はまた一段と凄みを増した

Audi TT Roadster[アウディ TT ロードスター] 3代目TTはさらにハンサム顔に 曲線よりも直線を基調とした新型TT。ボディサイズは全長4180×全幅1830㎜と小さくなった。クーペも用意。605万円/アウディ(アウディコミュニケーション センター)
Audi TT Roadster[アウディ TT ロードスター] 3代目TTはさらにハンサム顔に
曲線よりも直線を基調とした新型TT。ボディサイズは全長4180×全幅1830㎜と小さくなった。クーペも用意。605万円/アウディ(アウディコミュニケーション センター)

テクノロジーの進化は安全性の向上が目的

さて、これだけ夜ドライブ的装備が各社から出されると、王道メルセデスはどうなのか?という疑問もわく。聞いたところによると、世界で初めて電球をひとつも使っていないらしく、LEDの数は大小合わせて500個にのぼると言われる。

理由は省電力だが、それがそのまま省燃費にもつながるから侮れない。なので、インテリアもアンビエントライトを中心にLEDライトが活躍する。写真をご覧いただければわかるが、よりその使い方は派手になったようだ。カラーは7色。各エリアで明るさの調整ができるというのもいい。

もはや“艶やかさ”という表現より“妖艶”という言葉のほうが似合う。
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そしてその中で浮かび上がるのが、12.3インチあるとも言われるTFTディスプレイ。メーターとナビ画面を同時に目一杯映し出すそれがほかのクルマとしっかり区別する。

テスラのような縦型も個性的だが、ここまで長く横に延びているモニターもほかにはない。しかも、ナビ画面以外にも車両情報、オーディオ、テレビ機能なども表示される。かなり便利だ。
ナイトビューアシストもここに表示される。照明のない前方に歩行者や動物が現れると、自動的に画面が切り替わるという優れモノだ。しかも検出した対象物にヘッドライトを当ててこちらの存在も知らせるから驚く。

もはや人工知能といった領域に踏み込んでいる気がする。もちろん、ナイトビュー画像はスイッチで常時表示することもできるから心強い。夜の闇に潜む危険から身を守るのに役立ってくれる。夜ドライブには欠かせない装備だろう。
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MERCEDES-BENZ [メルセデス・ベンツ]

実はSクラスこそが間接照明のパイオニア的存在

Mercedes-Benz S-Class[メルセデス・ベンツ Sクラス] 質実剛健からお洒落グルマへ劇的変化 色を変えられる間接照明やフル液晶モニターの先駆者であり、メルセデス・ベンツをお洒落でスタイリッシュなクルマとして決定づけたのがSクラスと言えるだろう。998万円~/メルセデス・ベンツ(メルセデスコール)
Mercedes-Benz S-Class[メルセデス・ベンツ Sクラス] 質実剛健からお洒落グルマへ劇的変化
色を変えられる間接照明やフル液晶モニターの先駆者であり、メルセデス・ベンツをお洒落でスタイリッシュなクルマとして決定づけたのがSクラスと言えるだろう。998万円~/メルセデス・ベンツ(メルセデスコール)
といったSクラス。マイバッハにはシャンパングラスも用意されるからここはひとつ“泡”といきたいところだが、7色のアンビエントライトがあれば、シャンパーニュなしでも十分夜ドライブは演出できるだろう。

夜が似合うモデルはこれから続々とリリース予定

高級サルーンとスポーツカーの要素を加えたジャガー・Fペース スポーツ性能やラグジュアリー感に重きを置いて、レンジローバーをはじめ世の中のSUVとは明らかに一線を画すジャガー・Fペース。夜の街に映える色気たっぷりの1台だ。639万円~/ジャガー(ジャガーコール)
高級サルーンとスポーツカーの要素を加えたジャガー・Fペース
スポーツ性能やラグジュアリー感に重きを置いて、レンジローバーをはじめ世の中のSUVとは明らかに一線を画すジャガー・Fペース。夜の街に映える色気たっぷりの1台だ。639万円~/ジャガー(ジャガーコール)
ついに量産モデルがお披露目されたホンダNSX 2012年にコンセプトモデルを発表してから4年あまり。ようやく登場した量産型NSXは、キレのあるライン構成とLEDライトによって目を引くインパクトを発揮。春に発売予定だ。価格未定/ホンダ(Hondaお客様相談センター)
ついに量産モデルがお披露目されたホンダNSX
2012年にコンセプトモデルを発表してから4年あまり。ようやく登場した量産型NSXは、キレのあるライン構成とLEDライトによって目を引くインパクトを発揮。春に発売予定だ。価格未定/ホンダ(Hondaお客様相談センター)
かつてのソアラを彷彿とさせる最高級クーペのレクサスLC500  デトロイトショーで発表されたレクサスLC500。バブル時代に夜を駆け巡ったソアラを彷彿とさせる国産スペシャリティ・クーペだ。2017年春に発売予定。価格未定/レクサス(レクサスインフォメーションデスク)
かつてのソアラを彷彿とさせる最高級クーペのレクサスLC500
デトロイトショーで発表されたレクサスLC500。バブル時代に夜を駆け巡ったソアラを彷彿とさせる国産スペシャリティ・クーペだ。2017年春に発売予定。価格未定/レクサス(レクサスインフォメーションデスク)

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