ベントレーの歴史と新時代がモダンに融合する本社へ

現在クルー本社では2035年までの完全電動化、カーボンニュートラル化を目指すビジネス戦略『ビヨンド100+』、BEV車両の開発、製造を担う『ドリームファクトリー』の建設が進めているが、その先陣を切って公開されたのが、新しいデザインセンターだ。

確かに3ドア、3シーターという特異なレイアウトとSUVのようにもGTのようにも見えるスタイルは斬新だが、デジタルや3Dプリント、サウンドシステム、サステナブルな素材を用いたインテリア、そして自動運転を見据えてレーダーなどに高い反射率を誇る超極薄のアルミニウム顔料を用いた塗装など「すぐそこの未来」につながる様々なアイデアが盛り込まれていた。



その証拠にクルー工場の中を見学すると、ウッドパネル、レザー内装といった工程は、数多くの職人たちによって昔ながらの工法を守りながら、1つずつ丁寧にすべて手作業で作られていた。この工程を見ればベントレーのインテリアのクオリティや手触りが、他メーカーとは一線を画する仕上がりであることも、お値段が少々張るのも納得というものだ。
その後、昨年末に顧客が460億通り以上あるカスタマイズをゆっくりと楽しみ、ベントレーの歴史と価値観を体感できる施設としてオープンした『The Mews, The Home of Bentley (ザ・ミューズ、ザ・ホーム・オブ・ベントレー)』で歓待を受けたのだが、実はここも歴代CEOの邸宅として使われていたものをリノベーションしたものなのである。

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今回のテーマは75周年を迎えたF1GPと、名デザイナーであるゴードン・マレーということもあり、世界中から歴代F1マシンが100台以上集結したのをはじめ、1900年代から発売前の最新モデルまで、さまざまなレーシングカー、スポーツカー、コンセプトカーがエントリーし、20万人以上の観客の前でハイスピード・デモランを行った。

さらにこの会場では、豪華なホスピタリティからの観戦だけでなく、日本を含めた世界中のカスタマーをバカラル、バトゥール・コンバーチブル、スピード6コンティニュエーションなどに乗せる同乗走行体験も実施。プロドライバーの横でベントレーがもつ並外れたパフォーマンスを体験できたことは、カスタマーにも十分以上の刺激になったに違いない。


