2025.08.06
【試乗リポート】祝アルファロメオ115周年。待望のエントリーモデル“ジュニア”が、SUVとして復活
アルファロメオ創業115周年のタイミングで新たなエントリーモデル「ジュニア」が日本に上陸。アルファ初の電気自動車とマイルドハイブリッドという2種類のパワートレインをラインアップ。今回はハイブリッドの乗り味を検証する。
1960年代のエントリーモデル「GT 1300ジュニア」に由来

車名のジュニアにピーンときた人は相当なアルファロメオ通。1966年に登場した「GT 1300ジュニア」に由来するもので、いまもクラシックカーとしても人気のジュリアクーペのボディにコンパクトなエンジンを搭載した、当時の若者に向けた廉価版モデルだった。

その主たる狙いは電動化が進むなかでコストのかかるプラットフォームやパワートレインの共用化を図ること。ジュニアは最新のコンパクトカー用プラットフォーム「CMP2」とEV用の「eCMP2」を採用する。これはフィアット600やプジョー2008、シトロエンC4、ジープアベンジャーなどとも共通のものだ。
アルファロメオらしく、斬新なデザイン手法を採用





アルファロメオ入門としてだけでなく、イタリア車入門としても
1.2ℓ直列3気筒ターボエンジンは、もとはプジョーシトロエンなどが開発し、何度も「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した定評のある「PureTech」エンジンであり、わずか1750回転で最大トルクの230Nmを発揮し、その排気量からはとても想像できないほどパワフルに走る。さらにハイブリッド化によるモーターのアシストを得たことで、SUV化して少し大きくなったジュニアのボディをしっかりとドライバーのアクセル操作に呼応するかのように加速する。

かつてイタリアンブランドといえば、「デザインはいいんだけどね〜」とディティールのつくりの甘さや耐久性を不安視する向きもあったが、ステランティスという多国籍グループ傘下に収まった恩恵は大きく、いまやそうした不安は払拭された。アルファロメオ入門としてはもちろん、イタリア車入門にもいい。アルファロメオの創業115周年の記念すべきタイミングでローンチされた新たなエントリーモデルの誕生を祝いたい。

