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2020.07.04

最長1年の「納車待ち」が起きた人気の理由

ボルボの大型新人「XC40」発売1年後の通信簿

高いデザイン性と大幅に高まった質感、そして世界最高水準といえる先進安全性能などがユーザーの心に響き、人気を支えているボルボの新世代モデル。なかでも最もコンパクトなXC40は記録的なヒットとなっています。

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文/工藤貴宏(自動車ライター)

記事提供/東洋経済ONLINE
2018年3月に発売した「XC40」。写真は「Momentum」というグレード(筆者撮影)
2014年に46万5866台だった世界販売台数は、2019年に70万5452台と、5年間で約5割も増えている。日本においても、1万3264台だった2014年に対して、2019年は1万8564台と、こちらも5割近く伸びており好調だ。
さすがに2020年は、新型コロナウイルスの影響を受けて生産も販売も台数が下がる見込みだが、成長基調であることに変わりはないだろう。なおボルボは、4月20日の段階ですでにスウェーデンの本社工場とオフィスの再開を果たしている。

それでは、なぜボルボはここ数年、こんなにも販売台数を伸ばしているのだろうか。その伸びの理由は、新世代モデルが市場から高い評価を受けているからにほかならない。

デザインと質感、そして先進安全性能

2016年発売の現行「XC90」からスタートした新世代モデルは、「S90」「V90」「V90クロスカントリー」「XC60」「XC40」「V60」「V60クロスカントリー」、そして「S60」と、続々と登場。

現在は、このままフルモデルチェンジせずにフェードアウトが予定されているCセグメントハッチバックの「V40」「V40クロスカントリー」を除く、すべてのラインナップが新世代モデルとなっている。
新世代ボルボのラインナップ。現在は「S90」を除く全モデルが日本で販売される(写真:ボルボ・カーズ)
それら新世代モデルは、高いデザイン性と大幅に高まった質感、快適性、走り、そして世界最高水準といえる先進安全性能などがユーザーの心に響き、人気を支えているのだ。
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XC40は、そんな新世代ボルボのラインナップの中で、もっともコンパクトなモデルである。ボルボの車名はアルファベットが車両タイプを、数字が車格を表す。

“XC”はSUVを、“40”はコンパクトサイズを意味し、その法則を知っていると“XC40”は車名を見ただけでコンパクトSUVだとわかる。日本発売は2018年だ。

全長は4425mmで、いわゆるCセグメントサイズ。価格は396万2037円~569万3519円で、輸入車ではメルセデス・ベンツ「GLA」、BMW「X2」、アウディ「Q3」、ジャガー「Eペイス」などが、国産車ではマツダ「CX-30」やトヨタ「C-HR」などがライバルに相当する。

何を隠そう、日本におけるボルボのラインナップの中で、2019年にもっとも売れたモデルがこのXC40なのだ。その数は4594台と、日本における同年のボルボの全モデルのうち、1/4を占めるのだから、車体は小さくとも存在感は大きい。

年間4500台といえば、輸入車としてはかなりの台数だが、驚くことにこれはあくまで登録ベースでの台数。実はXC40は世界規模でも超人気モデルで、今も生産が追いついていないのが現状だ。

「発売とともに多くのオーダーをいただいたのですが、最長1年の納車待ちとなりました。その後、生産ペースを上げたことで、現在は約4カ月程度まで短縮されています。長くお待たせしてしまったにもかかわらず、キャンセルがほとんどなかったことに私どもも驚いています」と、ボルボ日本法人の広報担当者は言う。
スポーティ仕様の「R-Design」(写真:ボルボ・カーズ)
興味深いのは、昨今のボルボは価格や大きさにとらわれず、ライフスタイルでモデルを選択する顧客が多く、その流れがXC40でも強く感じられること。

日本における累計でのグレード構成比をみると、上級タイプの「Inscription」が約38%、スポーティ仕様の「R-Design」が約34%、そして比較的ベーシックな「Momentum」が約27%。高価格グレードの比率が高いことからも、決して「安いボルボ」として価格重視で選ばれているのではないことが理解できる。
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先進安全装備を全グレードに標準装備

その理由のひとつが、先進安全装備の充実だ。前述の通り、ボルボは緊急自動ブレーキといった先進安全装備に関して、世界最高水準の性能を誇る。しかも、それをXC40のようなスタンダードモデルにまで全車標準装備としているのが、特徴のひとつだ。

著名プレミアムブランドでも、実は先進安全装備がオプション設定となっている車種も少なくないが、ボルボはそんなブランドとは、そもそもの安全装備に対する考え方が違うのである。

昨今は安全でクルマを選ぶ時代であり、ここはユーザーからも大きく評価されている部分だろう。車種やグレードによって安全装備に差がないため、純粋にライフスタイルで選ぶことができるのだ。

室内のパッケージングは、前席優先という印象が強い。つまり後席の広さを重視する設計ではなく、言い換えればファミリーカーとするには空間は少々、狭い。ファミリーユーザーはXC60など、よりボディの大きなモデルを選ぶことをオススメする。
「R-Design」のインテリア(写真:ボルボ・カーズ)
一方、460Lを誇る荷室はクルマの見た目に対して広い印象で、後席を倒すと床が完全にフラットになるボルボのこだわりが貫かれているのも、好感が持てる。その際の荷室の奥行きは1.8mを超えるため、その気になれば大人2人がゆったりと横になって寝られるほど。ここは大きく評価したいポイントだ。

走りに関しては軽快感が強い。エンジンは2種類あり、どちらも2.0リッターの直噴ガソリンターボだが、それぞれチューンが異なる。最高出力/最大トルクは「T4」と呼ばれるタイプが140kW(190ps)/300Nm(30.6kgm)、「T5」が185kW(252ps)/350Nm(35.7kgm)だから、ベーシックなT4でもかなりパワフル。

そのうえ操縦性はキビキビとしていて、おおらかさが特徴だったかつてのボルボとは大きな違いを感じるが、昨今のトレンドに従った味付けだ。専用スポーツサスペンションを装備する「R-Design」では、さらにその軽快感は増す。なお、「T5」はAWDのみだが、「T4」にはFFも設定されている。
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ボルボの将来を背負う“大型新人”

新世代コンパクトSUVのXC40が、ボルボにもたらした最大の功績はなんだろうか。
ボルボの新たなエントリーモデルとして重大な使命を負う(筆者撮影)
それは、「新規ユーザーの開拓」である。XC40のオーナーは、歴代のボルボを乗り継いできた古くからのオーナーではなく、初めてボルボを手にした人が多い。

彼らは先進安全装備やデザイン、そして北欧車ならではの雰囲気などに魅力を感じて「ボルボへの初めての1歩」を踏み出したのだ。

だからこそ、ボルボにとってこれまでなかった新ジャンルのニューモデルにもかかわらず、人気車種となったのである。さらには、XC40でボルボを気に入ることになれば、次もボルボ車を購入してくれる“常連”に成長してくれる可能性も高い。

つまりXC40は、ボルボの将来を左右する可能性を秘めた“大型新人”と言えるのだ。
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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