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2020.06.28

エコなSUV、ボルボ「XC60 B5」の走りは意外にも!?

昨今、環境配慮への関心は世界的に高まっています。そんななか、有力な選択肢になりそうなクルマが2020年5月に登場しました。それがボルボ「XC60 B5」。高速ではディーゼルなみの燃費と謳うガソリンエンジンのプレミアムSUVの実力とは?

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取材・文/小川フミオ

パワフルで燃費がいい、でもってSUVとくれば無敵?

COVID-19で世界各地の大気汚染が少なくなったというニュースがありました。でもいっぽうで、CO2濃度は減っていないようです。愛というものを人一倍持っているオヤジさんとしても、ここは地球愛を発揮する時では。

こんな状況下。着々と環境対策を進めているボルボ。2020年5月に、環境対応の新パワートレイン搭載の「XC60 B5」が日本に登場しました。女性を、いや人間を、いや地球を愛するオヤジさんとして、ボルボに同志愛を持つときかもしれませんよ。

このクルマをオヤジさんにお勧めしたい理由は、もちろん崇高な動機から、というわけではないんです。環境にいいのに、パワフルで、かつ燃費がいい。つまり、楽しいクルマなんですね。サイズは全長4690ミリのプレミアムSUVなんですけど、ガソリンエンジンで高速ではディーゼルなみの燃費なんですよ。
▲ ホイール外径は19インチ
XC60 B5(以下・B5)はひとことで説明すると、マイルドハイブリッド車。そのシステムは、2リッターのガソリンエンジンにちょっと小さめなモーターが組み合わせたもの。

モーターのお仕事は、ガソリンエンジンがあまり得意でないところの手助けです。たとえば、走りだしのごく低回転の領域や、高速道路でゆっくりクルージングしていたときに、なんらかの理由で急加速が必要になった場合など。

ガソリンエンジンは、人生経験の長いオヤジさんは先刻よくご承知のとおり、マックスパワーが出るまでに多少なりとも時間がかかります。アクセルペダルを踏んでいくと、だんだん力が盛り上がっていく感じですよね。
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その盛り上がり感がガソリンエンジンの”味”なんですが、せっかちなオヤジさんだと、”早く加速しろー”なんてアクセルペダルをついたくさん踏み込みがち。でもそれは、燃費の面からはあまりお勧めできませんね、とばかりに、ボルボはそういうときはモーターの力でエンジンの出力軸をよけいに回してやるシステムを搭載したわけです。

XC60シリーズには、そもそも「T5」という187kWの2リッターガソリンエンジン搭載モデルがありました。それに代わるモデルとしては、はっきりいってB5は上を行っていると思んです。

B5のパワープラントは、最高出力184kWと最大トルク350Nmの1968cc4気筒ガソリンターボエンジンと、最高出力10kW、最大トルク40Nmの電気モーターです。モーターは48ボルボのバッテリーで駆動されます。
▲ 電池はリチウムイオン式
実際に運転すると、まず、パワフルという印象を受けます。ボルボの狙いどおり、電気モーターが働くのでしょう。1890キロの車体をものともせず、軽々と発進。そこからもけっこうな加速です。

このユニットの燃費はどうなんでしょう。ボルボカーズジャパンが用意してくれた資料によると、市街地ではディーゼルよりもいい数値です。アクセルペダルをあまり踏まなくてもすっと発進する感覚は、ちゃんと数字で裏付けられているんですよね。

さらに、ボルボカーズジャパンの広報担当者によると、急発進や急加速をできるだけ避けて高速道路を走った、いわゆるエコランをやってみた結果、高速道路を中心とした実燃費はリッターあたり17キロから18キロだったそうで、「ディーゼルモデルに迫ります!」とのことです。

これには、高速走行時にあまりアクセルペダルを踏み込まない、低負荷時は4気筒のうち2気筒を休止させるシステムの恩恵にも浴しているのでしょう。ダッシュボード中央のモニターで燃費を表示しながら走っていると、ある種のスポーツのようで、いい数値を出そうと楽しくなってしまうほどなんです。
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▲ 8段オートマチック変速機搭載

環境を考えた結果、ガソリン+モーターに行き着いた

オヤジさんはやっぱりご存知だと思うんですが、いま、環境汚染を防止する目的で、内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)への問題提起が、世界のリーダーから出されています。

「2030年までにエンジン車を廃止すべき」(スウェーデン環境大臣)、「2035年までのエンジン車廃止を宣言」(ボリス・ジョンソン英首相)、「2030年までにエンジン車廃止を採択」(ドイツ連邦議会)、「2040年までのエンジン車廃止」(フランス政府)といったぐあいです(すべてボルボの広報資料から)。

なかでもボルボは、以前から新しいクルマにディーゼルエンジンは搭載しない姿勢を明確にしていました。日本法人も、ディーゼルエンジン搭載の新型車というものはこれからありません、と明言してきています。
▲ 機能的で居心地のいい前席
排ガス中の窒素化合物やPM(粒子状物質)というディーゼルエンジンの排気のなかに含まれている成分が問題なわけです。ボルボをふくめて各自動車メーカーは尿素SCRといった、いわゆる触媒を使って排ガスを無害化しています。

でも、多くの自動車メーカーが将来はBEV(バッテリーで走る純粋なEV)が主体になると考えているわけです。ボルボも例外でありません。なにしろ、ここんちは「ポールスター」というスポーツEVのブランドまで展開していますから。いっそこのあたりで(まず)ディーゼルとはオサラバしておこう、と考えたわけですね。

話をB5に戻すと、ドライブモードが選べるようになっています。「エコ」あれば「ダイナミック」も設定されています。後者はエンジン回転を高めに保つようになっていて、スポーティなキャラが強調されます。ハイウェイでは他の交通を引き離すほどのスピード感なのですよ。
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▲ 「パーフォレーテッドファインナッパレザーシート」は標準装備
車体の姿勢は安定していて、乗り心地もサスペンションがよく動くかんじで、気持ちよく感じられます。ハイウェイの巡航では、その際、AWD(全輪駆動)システムは、フロントホイールだけにトルクを伝達。さらに負荷が低ければ、気筒休止します。そこから加速が必要なときは、先にお伝えしたように、電気モーターの出番というわけなのです。

カーブもけっこう得意科目。もともとXC60は、ステアリングホイールを切ったときの車体の反応はいいし、ロールは適度に抑えて、速いペースでコーナーをこなしていけるんです。

B5はハイブリッドといってもモーターやバッテリーが小型なので、操縦性に影響はあまり感じられません。これも運転好きオヤジさんには朗報ですね。試乗車にはオプションの電子制御式のエアサスペンションが備わっていました。これ、いいんです。

タイヤの上下動を含めて、うねったり荒れたりしている路面でも、いっさい乗り心地が悪くないんです。車両の姿勢はひたすらフラットで、快適そのもの。静ひつともいえるライド感覚です。このクルマのイメージにぴったり。31万円をオプション代として払う価値はある、と断言できます。
▲ BowerWilkinsのプレミアムサウンドオーディオシステム(1100ワット)はオプション
サスの設定は個人的には「コンフォート」モードが好みでした。エンジンのトルクが出る感覚と乗り心地のマッチングがいいんです。適度にゆったり。でもかったるくない。居心地のいいインテリアを持つXC60の雰囲気とよく合っている印象です。

ちなみにB5と同様のエンジンシステムを採用するメーカーとして、ホンダ、SUBARU、スズキ、さらにメルセデス・ベンツがあります。メーカーによってシステムは多少変わるし、呼び名も異なりますが、一般的にはスタータージェネレーターと呼ばれるんですね。

大概は、モーターとエンジンの出力軸にベルトがかけてあります。このシステムに否定的な技術者は、ベルトだとやや反応がよくない、と言いますが、ふだん使いなら十分でしょう。さきに挙げた他社のプロダクトでもこのシステムの有効性はよくわかっていますし。
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▲ 上級グレード「Inscription」はクリスタルのシフトノブ装備
B5は、いまのところ、XC60と、XC90に搭載されています。前者のボディサイズは全長4690ミリ、全幅1900ミリ、全高1660ミリ。ホイールベースは2865ミリ。いっぽう後者の全長は4950ミリとふた回りぐらい大きいかんじです。

どちらのモデルも、B5にAWDを組み合わせたモデルが、プラグインハイブリッドの「T8 Twin E(ツインエンジン) AWD」と並立で販売されています。

価格は、XC60 AWD B5で634万円から。従来の「AWD D4」が659万円からなので、お買い得感もあるではないですか。XC90 AWD B5では824万円からとなっています。

上記プラグインハイブリッドの「T8 Twin E AWD」は前者で944万円、後者で1129万円からなので、較べると、だいぶ買いやすいのも魅力といえましょう。
▲ 後席は独立したエアコン調整機能とシートヒーターが備わる
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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