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2020.05.23

映画とクルマの大人なカンケイ♡ VOL.1

いつもポルシェにはイイ女が乗っている

クルマは乗る人のキャラを雄弁に語るアイコニックなアイテム。名画は、人物像をクルマに語らせるのが上手。というわけで、”大人に似合うクルマ”をテーマに名画のなかのクルマをご紹介。第一回目は「ブリット Bullitt」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です。

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文/小川フミオ イラスト/ゴトウイサク

外出自粛中につき、クルマ好きでも家に待機ってひとは多いことでしょう。いまはしょうがないかもですね。そういうときの“友”はいくつかあるでしょうが、ひとつは映画。ここではクルマ好きオヤジさんのための映画について書いてみたいと思います。

ハリウッドをはじめ、欧米の映画は、スタイリストやコーディネーターがいい仕事をしてくれています。衣裳、ヘアスタイルやメイク、食べ物、背景、そしてクルマ。史実に忠実な場合もあるし、うまく雰囲気を出してくれるときも。

ここでは女性とクルマがテーマです。オヤジさんなら、クルマがカッコいい映画、たくさん挙げられるでしょう。では、オンナとクルマがテーマだったら?

ここで注目したいのは、ポルシェです。オヤジさんならよーくご存知のとおり、ポルシェは1948年に「ポルシェ356」を発表して、スポーツカーメーカーとして本格的なスタートを切ります。

おもしろいのは、映画を観ていると、ポルシェのスポーツカーにはいいオンナが乗っていることが多いこと。印象に残っているのは、「ブリット Bullitt」(1968年)と、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019)。

スティーブ・マックイーンが自身のプロダクションで制作を請け負った「ブリット」はサンフランシスコを舞台にした警察もの。主人公であるフランク・ブリットのガールフレンド、キャシーが乗るのがポルシェ356Cカブリオレでした。

キャシー演じるジャクリン・ビセットといえば、大好きだった、というオヤジさんも多いのでは。クールビューティです。よく似合っているんです。知的な美女とポルシェのスポーツカー。
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ポルシェにとって、米国市場は最初から視野に入っており、50年から販売をスタートさせるのですね。でも大きな車体に大きなV8エンジンのクルマをよしとする市場で、小さなスポーツカーの売り上げをどう伸ばしていくかは大きな課題でした。

その答えは、レースでの活躍だったんですね。「Win on Sunday, sell on Monday(日曜日勝てば月曜日売れる)」っていって、米国でのレースで活躍した356はたちまちクルマ好きの注目をあびるように。

このあたりの事情は19年に公開された映画「フォードvsフェラーリ Go Like Hell」でご覧になったとおり。当時、レースは若者に悪影響を与えると強く主張していた米当局の姿勢を尻目に、フォードと競合のゼネラルモーターズは、若者市場を獲得するためにはレースしかない、という結論に達したのでした。それは60年代の話でしたから、ポルシェのマーケティングはだいぶ進んでいたわけですよ。

「ブリット」で誰がビセットを356に乗せようと提案したかさだかではないのですが、マックイーンかも。なにしろ71年にポルシェチームのドライバーを演じた映画「栄光のル・マン Le Mans」を撮っているのですからね。彼の選択だったかもしれません。

ほっそりしたスタイルが魅力的な356。そういうところも女性に似合うんでしょう。ただし、遅いクルマではないんです。最終的には90馬力まであがった水平対向4気筒エンジンを850キロていどのボディに搭載。いまもクラシックカーラリーでは、しっかりしたハンドリングとブレーキゆえ、大活躍です。

911が63年に登場してからも並行して65年まで作られていたわけです(「ブリット」の356Cカブリオレは64年モデルと言われているので、ほとんど最終型であります)。いまポルシェではファクトリーでレストアを請け負ってくれてるので、長い間のドリームカーだったというひとも、安心して手を出しやすくなりました。

いっぽう、911と美女の組合せとしては、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が見逃せないでしょう。舞台は1969年。ここで黒の911Lのステアリングホイールを握っていたのは、いまをときめくマーゴット・ロビー。
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映画に登場した911は実際は1973年型ではないか、という指摘もあるようですが、「雰囲気が出ていることを重視」した監督の姿勢ゆえ、ま、それは不問に付してもいいとこでしょう。

マーゴット・ロビーが扮していたのは、実在の女優シャロン・テイト。当時は監督ロマン・ポランスキー夫人でありました。実際の話としては、911は夫妻が仲良かったヘアメイクのジェイ・シブリングのものでありましょう。

シブリングはマックイーンとも懇意にしていて、彼の髪も切っていたり、クールな服装をしたほうがいいよとか、アドバイスしていたそうなんです。プールサイドのパーティシーンではマックイーン(役の俳優)も、ママス&パパスにいたキャス・エリオット(同)も姿を見せます。みな同じサークルにいたのだなと教えてくれる場面です。

1969年8月8日から9日にかけて、テイトが、チャールズ・マンスンひきいるカルト集団「ファミリー」に殺害されたとき、シブリングもやはり命を落としたのでした。マックイーンは大ショックを受けたそうです。

ロビーは超ミニスカート姿で、カワイコちゃん女優で売っていたテイトの雰囲気をよく出しています。ロングヘアでいつも笑顔で、そんなキューティーが乗るのに、コンパクトサイズの911、よく合っているんですねえ。

● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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