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2020.03.22

日本にぴったり!? BMW 2シリーズグランクーペを徹底リポート

2019年11月に発表され、話題のBMW2シリーズグランクーペ。ほどよいサイズ感から日本では期待している方も多いハズ。その海外試乗会の模様をリポートいたします。

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取材・文/小川フミオ

スポーティかつエレガントな4ドアクーペ

全長x全幅x全高は4,540x1,800x1,430ミリ
セダンには乗りたくない、でもSUVはなぁ……というひとへ、とBMWが開発したのが、2019年11月に発表された「2シリーズグランクーペ」。さっそく、国際試乗会で乗ってきましたよ。

「メガトレンドはSUVですが、ラインナップでは3シリーズや4シリーズの存在感が増しているのは事実です。たんに機能主義でなく、エモーショナルと私たちは表現しますが、すこしスタイリッシュなセダンに乗りたいっていう顧客も確実に増えています」

2020年2月に開催された試乗会には、世界各地からのジャーナリストがやってきました。場所はポルトガルの首都リスボン。この時期でも20度ちかい気温です。
M235i xDriveグランクーペは、225kW(306ps)@5,000rpm、450Nm@1,750-4,500rpm
海岸沿いの洒落たレストランや、モダンアートのミュージアムなどが並ぶエリアで、BMWは試乗のために2シリーズグランクーペをずらりと並べていてくれたのです。

カテゴリーでいえば、4ドアクーペの2シリーズグランクーペ。4ドアクーペとは、クルマ好きのオヤジさんならご存知だと思いますが、流麗なルーフラインで、前席重視の2プラス2的なセダンであります。プレミアムカーの分野でひとつのトレンドとして定着しました。

トレンドを作るのに長けているBMWは、6シリーズグランクーペ、4シリーズグランクーペ、それに2019年の8シリーズグランクーペと、立て続けに「グランクーペ」と名づけた4ドアクーペを発表してきています。
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M235i xDriveグランクーペはグリルがナゲットタイプとなりパーツもグロスブラック仕上げ
読者のみなさんは先刻ご承知でしょうが、BMWのラインナップにおける「偶数」はライフスタイルカーを表します。ほとんどがクーペ的なスタイルを取り入れたモデルで、だからSUVにも「X2」「X4」「X6」といったモデルが並んでいるわけです。

今回の2シリーズグランクーペは、BMWのなかで最小サイズの4ドアクーペ。ただ、最小とはいっても、全長は4535ミリ。2005年発表の5代目3シリーズと同じぐらいのサイズです。

最新の3シリーズは(衝突安全性など最新の安全基準を採用した結果)4715ミリへと大型化。市街地で使い勝手のいい4ドアが欲しい、なんて思っているひとにはややトゥーマッチ。
M235i xDriveグランクーペのウィンドウモールはグロスブラック仕上げ
そこで2シリーズグランクーペの出番なわけです。昨今4ドアセダンを買うひとの多くは、後席はいざとなったらひとを乗せる場所、ぐらいに考えているとか。少しルーフが低いかな、というぐらいの2シリーズグランクーペには、充分な使い勝手のよさがあるのですよ。

リスボン近郊の高速や山道で試乗したのは、トップモデルの「M235i xDriveグランクーペ」と、ディーゼルの「220d」。日本には当面、ディーゼルの導入はなく「、1.5リッターガソリンの「218iグランクーペ」が販売されます(発売は2020年3月中だそう)。

スタイリングは、低くかまえたようなスタンスで、かなり目を惹きます。大きなキドニーグリルをはさんで、キリッとつり目のヘッドランプ。それに大きなエアダム一体型であり、彫りが深いというか立体的な造型のバンパーがまたスポーティ。
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左はM235i xDriveグランクーペ、右は220dグランクーペ
もちろん、見どころはプロファイルと自動車デザイナーなら呼ぶサイドビュー。ルーフラインがすっと後ろまで伸びて、ロングノーズとショートデッキ(トランク部分が短く見えるスタイル)のプロポーションが、いかにも走りますって印象です。ちなみにトランクは独立式で、ファストバックではありません。

あれ、と思ったのは、サイドウィンドウのグラフィックス。BMWは、「パーソナルな4ドアセダンは4ライト」という自動車界の定石を律儀に守っていました。でも、グランクーペシリーズでは、あえて流麗なライン重視で、リアクォーターパネルにもウィンドウを追加した「6ライト」スタイルを採用しているのです。

2シリーズグランクーペも同様。サイドウィンドウはグラフィックスできれいな弧を描いています。印象としては、2シリーズのクロスオーバー、アクティブツアラーを思わせます。
質感の高いM235i xDriveグランクーペのダッシュボード
2シリーズアクティブツアラーは全高が1550ミリあるクロスオーバー(SUVとステーションワゴンの融合型)ですが、よく見ると、けっこう走りもよさそうなスタイルです。だから人気なのでしょう。

シリーズに共通するスタイリングコンセプトを作り、それをモデルごとにアレンジする。これ、自動車デザインの基本ルールですが、あまりにも違う車型で実現するのはむずかしい。今回BMWのデザイン部は、上手に4ドアクーペを作りだしたのですから、ひたすら感心です。

実際に乗った印象は、みごとの一言。ドライブフィールこそがこのクルマの最大の魅力です。スポーティさでいちばんのM235i xDriveグランクーペと、ディーゼルの220dグランクーペは、当然ながら、キャラクターが異なりますが、「みんなちがって、みんないい」と、金子みすゞなら書くかもしれません(書かないか)。
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2シリーズグランクーペはいわゆるサッシュレスドア採用
M235i xDriveグランクーペの1998cc4気筒ガソリンエンジンは、225kW(306ps)の最高出力と450Nmの最大トルクを発生。これに8段オートマチック変速機と、4WDシステムが組み合わされています。

4WDシステムは、低負荷のときはフロント100パーセントのトルク配分。路面や走行状況によって、トルクは電子制御で分配され、最大で前後で50対50まで変化されるとのことです。

パワフルで、最高出力が5000rpmで発生するだけあって、上の回転域まで回して楽しいキャラクターです。シュンシュンっとよく回り、エンジン回転が上がっていくとともに、力がもりもりっと出てくる。なんとも気持いいフィールが身上なのですね。
M235i xDriveグランクーペのホールド性のよいハイバックシート
最近のBMWに乗ると、やっぱりこの会社は”エンジン・メーカーだなあ”と感心するような、よく出来たエンジンにお目にかかります。3シリーズしかり、Z4しかり。でもって、2シリーズグランクーペも同様。背中がぞくぞくっとする感覚です。

それにはシャキッとした足まわりと、正確なステアリングが貢献しているはず。ワインディングロードでは、ステアリングホイールやアクセルペダルの微妙な入力にすかさず反応。スポーツカー的な操縦感覚が味わえるんです。

やっぱりこの4ドアクーペのスタイルだったら、このスポーティなドライブトレインしかないな、とひとりごちて、そのあと、まあものは試しと220dグランクーペに乗ってみました。ところが、これがなんと、目からウロコの気持よさ。
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後席もヘッドルーム、レッグルームともに大人に充分な広さ
1995cc4気筒ディーゼルエンジンは、最高出力140kW(190ps)と最大トルク400Nm。最大トルクは1750rpmから発生するだけあって、低速域でも力強いフィールです。

足まわりは「あえて1シリーズより快適方向に仕上げた」とBMW本社でこのクルマのシャシー開発をしたエンジニアが言うように、しなやかです。高速では、いや、どんな道でも、路面の凹凸はていねいに吸収。かといって、乗員がぐらぐら揺れる場面も皆無。びしっとしているんです。

路面からの騒音も、エンジン音も、風切り音もみごとシャットアウトしている車内。上質感があって、居心地はばつぐん。電動車の夜明け前ともいえる今ですが、ICE(内燃機関)使っていいクルマを作るBMWの底力をたっぷり見せつけられました。
ドライブモードセレクターは3つのモードが選べる
そうそう、コネクティビティや運転支援システムの分野でも、BMWはけっこう進んでいるんです。2シリーズグランクーペにも、スイッチ押してリバースギアに入れると、直前の50メートルの軌跡に忠実になぞって、車両が自動で後退してくれる「リバースアシスト」搭載なんです。

今回、ユーラシア大陸最西端というロカ岬に、後学(なんの後学かはさておき……)のために立ち寄りました。そのとき、ちょっと狭めの駐車場からバックして出るのに、リバースアシスト、役だってくれました。この便利なシステムに慣れると、なしではいられなくなるかも。ヤバい先進技術です(ホメ言葉)。

インフォテイメントでは、ボイスコントロールで音楽ストリーミングの「スポティファイ」が使えるようになっていました。「プレイ」のあとにアルバム名やミュージシャン名を言うと、クラウドのアーカイブから楽曲をひっぱりだしてくれるのですよ。
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堂々としたリアビュー
たとえば「プレイ、ビリー・エイリッシュ」と言ってみて、うまく通じると、「ノータイムトゥダイ」とか「バッドガイ」がずらずらっとモニター画面に出てきて楽曲がかかります。(ちなみに「アイリッシュ」ではなく「エイリッシュ」と言うのです)

ハーマンカードンのスピーカーは中音域が得意なようで、ちょっと上品な音づくり。ベース音は抑えめで、クラブ系音楽より、民族音楽やジャズ、それにちょっと前のロックや管弦楽などがキモチよく響きます。オヤジさんに向いているってことですね。

コクピットのデザインは、基本的にBMWに共通した「ドライバーオリエンテッド」と呼ばれるコンセプトが採用されています。スイッチ類は、BMWに乗ったことがあるひとなら、すぐに操作できます。

シートの作りはよく、疲労知らずでドライブできました。後席も予想以上に広くて、おとな二人で快適に座っていられます。ただ、乗りこむときだけは、低めのドア開口部に頭をぶつけないよう、ここだけは要注意ですよ。

日本で発売されたのは、1498cc3気筒ガソリンエンジンの「218iグランクーペ」(369万円~)と、ここで紹介しました「M235i xDriveグランクーペ」(665万円)。218iグランクーペはまだ試乗できないので、なんとも言えないのですが、220dの印象からすると、かなり期待できそうです。

1.5リッターエンジンも、基本的にシャシーを共用する新型「118i」では、充分なパワーがありました。なので、出来のいい4ドアを探しているオヤジさんには、予算に合わせて、どちらのモデルを選んでも、満足いく買い物になるんじゃないかと、お伝えしておきたいと思った次第です。

● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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