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2020.02.08

2020年が「変革期」になると言われる理由とは

ドラレコ連携や5Gで変わる「カーナビ」最新事情

世間でよく聞くのが「カーナビはスマートフォン(スマホ)に取って代わられる」という話。しかし実際はスマホ利用が増えてもカーナビ出荷は伸びているのだ。ますます進化するカーナビは、2020年がその変革期になるとも言われている。その最新事情をレポートした。

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文/会田 肇(カーAV評論家)

記事提供/東洋経済ONLINE
▲大型の10型ディスプレイを採用する「パナソニック ストラーダ CN-F1X10BD」(筆者撮影)
今やほとんどのクルマに装備されるようになったカーナビ。初めての目的地へ出かけるときはもちろん、渋滞を避けて効率のいいルートを案内するのにも欠かせない存在となった。そのカーナビがここへ来て新たな変化の兆しを見せてきている。ここではカーナビの最新事情をレポートしたい。

スマホ利用が増えてもカーナビ出荷は伸びている

近年、世間でよく聞くのが「カーナビはスマートフォン(スマホ)に取って代わられる」という話。確かにスマホには最新版の地図データを使うナビアプリが収録されることが普通で、しかも無料で使えるのだからそう思う人が増えても不思議ではない。しかし、統計データを見ると、カーナビの需要はほとんど落ちていないことがわかる。
電子情報技術産業協会(JEITA)の資料によれば、2018年のカーナビ出荷台数は約405万台で、3年前の2016年と比較しても微増傾向にある。純正ナビが多少なりとも強含みではあるが、市販ナビもAV一体型ナビは比較的堅調に推移している。カーナビがスマホに取って代わられている傾向が見られないことを、データは示しているのだ。

それはなぜなのか。まず、スマホは画面が小さいことが挙げられる。スマホの画面サイズは6インチ前後か、それ以下。近くで見るなら十分なサイズだが、カーナビとして車線ガイドや交差点名などを読み取るには、画面が小さすぎる。
▲スズキ新型「ハスラー」は9型インチを採用。スマホ上にある多彩なアプリが楽しめる「SDL」に対応する(筆者撮影)
対するカーナビの画面サイズは、7~9インチが中心で、中には10インチにまで大型化されたモデルも登場している。

スマホと比べた画面サイズは、人気の9インチでも2倍以上の面積比となり、それに伴って表示内容もすべてが大きくなるため、見やすさでは圧倒的にカーナビのほうが上なのだ。

とくに昨年12月からは運転中のスマホの取り扱いが厳しくなったうえに、カーナビも画面を凝視することが禁止されている。そうした中で、カーナビを安全に利用するうえでも画面サイズの大型化は避けて通れない状況にあると言っていいだろう。

自車位置精度に対する信頼性も、カーナビを選ぶ大きな理由になっている。

スマホは、測位をGPSだけに頼る。GPSは周囲の影響を受けなければ、日本が独自に打ち上げた準天頂衛星「みちびき」を併用することで精度を高めることはできる。しかし、受信環境によっては周囲にビルや高架道などの建築物があり、山間でも山岳の影響によってGPSからの電波は乱れ、これが不安定さを招いてしまう。

カーナビはGPSを利用するものの、普段はクルマ側からの車速パルスとカーナビ内のジャイロセンサーを組み合わせ、マップマッチングを併用したアルゴリズムを活用することで安定した測位を実現している。

この安定度はスマホとは桁違いで、例えば地下駐車場から出たときの案内はスマホでは絶対に無理。つねに安心してルート案内が任せられるのはカーナビでしかありえないのだ。
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コネクテッド化で迎える変革期

DVD/CDドライブやTV視聴への根強い人気も、カーナビを支えている大きな要素だ。

スマホであればストリーミングでいくらでも音楽や映像を楽しめるが、ディスクを入れてすぐに再生できる手軽さ、それにTV番組がいつでも見られるカーナビの魅力を捨てがたいと思っている人は数多い。少なくとも身近なソースを楽しめるニーズがカーナビを支え続けているのは確かなのだ。

そのカーナビもここへ来て大きな変革期を迎えている。それが“コネクテッド”への対応である。
▲CarPlayやAndroid Autoに対応する純正ナビも増えている。写真はCarPlayでYahoo!カーナビを表示させた三菱エクリプスクロスのディスプレイオーディオ(筆者撮影)
しかし、この程度の機能ならスマホを使えばもっと詳細な情報が得られるわけで、この機能を積極的に活用する人はなかなか増えてこなかった。これまでにも「テレマティクス」として通信機能を導入するカーナビも登場し、天気予報、ニュースといった情報などのコンテンツがリアルタイムで取得できたり、目的地の検索をサーバーで行えるまでにはなっていた。

その風向きが変わってきたのは、「CASE」に例えられる新たな自動車業界の流れからだ。

CASEは、2016年にドイツ・ダイムラーが発表した中長期戦略の中で採り上げられた言葉で、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング・サービス)、Electric(電動化)の頭文字を取った造語だが、今後の自動車業界を根底から変えるテーマとして発表された。

以来、この考え方は業界全体を席巻するようになり、とくにカーナビはそのコネクテッドの部分で大きな役割を果たすと期待されているのだ。
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5G通信で交通事故を防ぐサービスも可能に

折しも通信サービスは、第5世代移動通信システムの「5G」が2020年の実用化に向けて準備が進められている状況にある。通信速度は、これまでの4Gと比較して100倍以上も速くなり、同時接続や低遅延などで大幅な能力アップをもたらすと言われている。

この実用化によって、例えば事故の発生をいち早く後続車に伝えられたり、クルマ同士や歩行者、インフラなどとの通信がより高密度に行えるようになる。つまり、5Gの実用化は、交通事故を未然に防止する環境をもたらすサービスとして期待されているのだ。
▲トヨタは2020年までに通信モジュールを標準搭載することを発表。その一環として緊急通報システム「ヘルプネット」機能の標準化を進める(筆者撮影)
中でも自動車メーカーの純正ナビは、車両との連携をさらに高めており、それを実現するために通信モジュールの搭載を標準化する方向で動き出している。

欧州で義務化が始まっている「eコール(自動緊急通報システム)」もそれによって実現が可能となったサービスの1つだ。

今後は音声コントロールが一般化し、現状ではスマホだけの測位にとどまるカーナビ機能も、自動車メーカーが進める「SDL(スマートデバイスリンク)」によって車両側の情報も反映できるようになっていく見込みだ。

スマホは車載機と連携することで、安全かつ高い実用性が伴っていくのが今後の流れと言っていいだろう。
カー用品店で販売されるカーナビも、コネクテッドへの対応が始まった。
▲「docomo in Car Connect」を採用したパイオニアのサイバーナビ。無制限でストリーミング配信やWi-Fiスポットサービスが楽しめる(筆者撮影)
パイオニアは、カーナビ各社の中でも最もこの分野で進んでいるメーカーで、新型サイバーナビで通信が使い放題となる「docomo in Car Connect」を採用。音楽や映画などのコンテンツをストリーミングで利用できたり、車内をWi-Fiスポット化できるサービスにいち早く対応した。

他社はスマホと連携するにとどまっている段階だが、いずれこうしたニーズに対応せざるをえない状況になっていくのは避けられないと思われる。
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2020年、カーナビは新形態へ

少し違った方向性としては、ドライブレコーダー(ドラレコ)と連携するカーナビにも注目が集まっている。

昨今のドラレコへの人気を反映したものだが、撮影した映像をカーナビの大画面でチェックできるのが最大のウリだ。撮影した場所をカーナビの地図上に表示できたり、ドラレコの操作や設定をカーナビ側で行えるのもメリットとなる。このタイプは、とくに新車での装着率が高い、自動車メーカー純正に多いようだ。

こうした背景の下、純正ナビも市販ナビも共にコネクテッド化への流れを加速させていくのは確実だ。5Gでの通信はインフラの整備が進んでからとなるが、少なくともクルマ同士が通信する“ローカル5G”への道は意外に早く開ける可能性はある。

そうした意味で2020年はカーナビにとって新たな形態へ発展する契機につながる年になるかもしれないのだ。
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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