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2019.09.01

DS3クロスバック

とびっきりお洒落な小型SUVとえいば、フランス発のDS3クロスバックでしょ!

DSとは、シトロエンが1955年に発表した、同名のモデルにオリジンを持つブランド。スタイリングもエンジニアリングもとびきり個性ある、そのアイデンティティはいまも健在だった!?

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取材・文/小川フミオ

シトロエン? いいえ、DSです!

女の子に「このクルマなに?」と訊かれそうなのが、「DS3クロスバック」だ。フランスのブランドで、プジョー・シトロエン・グループの中で最高級に位置する。日本には、2019年6月に導入された。

DS3クロスバックのおもしろさは、なににもまして、エクステリアとインテリアのデザインだ。ひとことで言うと、ほかに似ているクルマがない。個性こそ、DSのベースブランドであるシトロエンが戦前から大事にしてきたもの。その考えを最も色濃く受け継いでいるのだ。
「Grand Chic」にはLEDを組み込んだヘッドランプが標準装備
DS3クロスバックのよさは、もうひとつ、走りにある。日本に導入されるのは1199ccの3気筒ガソリンエンジン車だ。96kW(130ps)の最高出力と、230Nmの最大トルクは、1.2トンの車体に充分以上で、加速が意外なほど気持ちいい。

DS3クロスバックの基本プラットフォームは、プジョー・シトロエン・グループにとって、今後のEV戦略のためにたいへん重要な役割をになう新開発のものだ。

欧州ではすでにプラットフォームを共用する新型プジョー208が発表されていて、とりわけ目玉車種はEV(電気自動車)である。

日本でのDS3クロスバックは、さきに触れたように、ガソリンエンジンのみだが、将来的には欧州と同様「E-TENSE」なるEVバージョンも追加発売されるかもしれない。
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全長4120ミリ、全幅1790ミリ、全高1550ミリとコンパクト
ガソリンエンジンのDS3クロスバックを運転するかぎり、車体の剛性感が高く、操縦性がよく、全長4120ミリしかないのに、もっと上のクルマと比肩するぐらいのしっとり感が印象的だった。

エンジンも1750rpmから最大トルクを発生する設定で、8段オートマチック変速機とのマッチングもよい。このギアボックスは6速が直結で、7速と8速が燃費をかせぐためのオーバードライブというギア比を持つ。

私が運転したかぎりでは、アクセルを踏み込む速度などをよく学習してくれ、排気量から想像されるような力不足なかんじはいっさいなかった。むしろ、排気量を知らずに操縦したら、正確に当てるのは難しいだろう。1.6とか1.8と言われてもふしぎではない。

私が試したのは2グレードだ。3つあるうち「受注生産」のベーシックグレードを除いて、中間の「So Chic(ソーシック)」とトップグレードの「Grand Chic(グランシック)」に乗った。
コントラストカラーのルーフもオプションで選べる
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「Grand Chic」は、「センソリアルドライブ」と名づけられた4モード式のドライブモードセレクターをはじめ、アクティブクルーズコントロールなどを含めた「ドライブアシスト」やレザーシートを標準装備する。

機構面からいうと、「So Chic」と「Grand Chic」の違いはほとんどない。タイヤサイズが前者は215/60R17で、後者が215/55R18になることぐらいだ。じつはこのちがいが意外に大きい。

走りのテイストがすこし違うように感じられたのだ。「Grand Chic」は足まわりがややスポーティで、硬めで、ステアリングホイールを切ったときの動きもきびきびと感じられる。タイヤの扁平率も影響しているのかもしれないが、いまどき55パーセントの扁平率が乗り心地に影響をもたらすのか、疑問はある。

「Grand Chic」に対して、よりしんなりとした乗り心地と感じられたのがタイヤ径がひとまわり小さく、つまりショックを吸収する扁平率も少し高めの「So Chic」だ。好みの問題もあると思うので、実際に買おうというひとは、ショールームで2つのモデルを乗り較べていただけたらと思う。

どこまでも自由にこだわり抜いたデザイン

エクステアリアの個性については、前述のとおりで、一目で”このクルマ違う”と感じるだろう。独特の輪郭を持つヘッドランプもさることながら、センターピラー(前後ドアのあいだ)のところで、ボディパネルが上に飛び出したスタイルになっている。

この「逆シャークフィン」などと呼ばれるパネルに機能上の働きはないけれど、2ドアのDS3(2009年)で用いられているモチーフを、4ドアのDS3であるこのモデルにも採用したのだろう。その点では、DS3のアイデンティティを明確にするという機能はある。

それ以上にテクノロジーの使い方に個性があり、クルマに乗りこむ前から、一端を味わうことになる。代表的なものが、ドアのアウターハンドルだ。
キー保持者がクルマに近づくと格納されているドアを開くためのハンドルバーがポップアップ
「プロキシミティキー」と呼ばれるリモコンキーと連動していて、キー保持者がクルマに近づくと格納されているドアを開くためのハンドルバーがポップアップする。

他愛ない技術といえばそれまでだけれど、同乗者はけっこう喜んでくれそうだ。しかもオーナードライバーにとっては、クルマとの距離感が身近になる感覚を与えてくれる。クルマが自分を迎え入れてくれるようなパーソナル感があるせいだ。

乗り込んだら、もうひとつの驚きが待っている。ダッシュボードまわりのデザインに凝りまくっている。ダイヤモンドをモチーフにしているそうで、あらゆるところに菱形のパターンが使われているのだ。

とりわけ目を惹くのは、パネルの素材感を強調したセンターパネルである。筒を割って取り付けたような表面に、「ブロンズファブリック」という金糸が織り込まれてみえる独特の風合いのファブリックが張られている仕様「バスティーユ」など、よくぞここまでデザインにこだわったものだ、と感心してしまう。
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「Grand Chic」のダッシュボード(写真は「ブロンズファブリック」)
スイッチ類の表面処理も菱形のパターンが配されている。暗闇で乗りこむと、センターダッシュボード上に菱形のエンジンスターターボタンが、息づくようにゆっくりと明滅を繰り返しているなど、クルマとひととの距離感を見直そうという、このモデルのコンセプト立案者の発想ににやりとさせられる。

「こんなところもおもしろいと思わない?」と女の子を乗せたときは、ふたりでこだわりのディテールを”発見”していく楽しみもある。こういうちょっとヘンなクルマをおもしろがってくれる女子っていいな、と思う男性もいるだろう。

全長は4.1メートルであるのに対して、ホイールベースは2560ミリと比較的長めだ。リアシートのスペースは身長175センチていどだったら、男性2人が乗ってもけっして窮屈ではない。荷室容量は350リッターなので、二人でゴルフや小旅行なら、広すぎるぐらいだ。
荷室容量は350リッター
DSとは、シトロエンが1955年に発表した、同名のモデルにオリジンを持つ。スタイリングもエンジニアリングもとびきり個性のあるモデルだった。

前後のサスペンションに、窒素ガスと油圧を、スプリングとダンパーとして使うというユニークさで、かつステアリングホイールのパワーアシストもブレーキも同じ窒素と油圧のシステムで動いた。

新時代の長距離用ツアラーを目指していただけに、ひとつはパワーアシストという考えかたを早くから採用し、からだの動きを最低限にすることと、ふんわりした乗り心地を目指して疲労感を極力抑えることを目指していた。

技術は乗るひとのためにある、という考えかたをいち早く採用した画期的な考えと通底するものを、いまの時代に再び再評価したいというのが、現在のDSのエンジニアリングのベースだろう。そんなことを知りながら、DS3クロスバックに乗るのも悪くないかもしれない。

価格は、受注生産の「Be Chic」が299万円(8%の消費税込)、「So Chic」が357万円(同)、そして「Grand Chic」が404万円となっている。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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