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2019.07.21

NBAレイカーズvsマイアミ・ヒート

LAで手に入れたプレミアムなチケット。NBAのレイカーズvsマイアミ・ヒートを観戦した顛末とは?

CREDIT :

文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト) イラスト/溝呂木 陽

岡崎宏司の「クルマ備忘録」連載 第104回

クリスマスのロサンゼルス・レイカーズvsマイアミ・ヒートを観戦

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多くの国の街に行ったが、もっとも回数を重ねたのはアメリカであり、カリフォルニアだ。

1964年、初めてカリフォルニアに降り立ってから今日まで、たぶん数十回は行っている。

だから、当然多くの想い出がある。が、その中でも「かなり特別な想い出」について、今日は書くことにする。

2004年12月。僕は家内とサンタモニカにいた。クリスマスを過ごすためだ。

パームトゥリーがそよぐ遊歩道を挟んで、白い砂浜と太平洋が正面に。そして、右手にはサンタモニカピアが見える、、そんなロケーションのホテルに泊まっていた。

1日だけは、ニューポートビーチの友人を訪ねたが、あとはただただのんびりと過ごした。

広大なサンタモニカビーチを散策したり、クルマでビバリーヒルズやメルローズ辺りに行き、ランチしたり、ショッピングストリートをぶらついたり、、。

ベニスビーチ、マンハッタンビーチ、レドンドビーチ、、コーストハイウェイをちょっと走れば、好きなビーチもよりどりみどりだ。
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サンタモニカのサードストリートも楽しい。
土地柄、短パンとラバーサンダルで気軽に歩けるカジュアルな雰囲気もいい。

ホテルのすぐ近くには、予約必須のロブスターハウスがあるし(ステーキも美味しい!)、人気のイタリアンレストランもある。

通いなれた街はリラックスさせてくれる。
冬のサンタモニカは観光客が少なく静かなのもリラックスさせてくれる理由のひとつだ。

さて、2004年12月のサンタモニカ滞在、、ほとんど予定をつくらないわれわれの旅としては珍しく、絶対に変更できない予定が入っていた。

アメリカのプロ競技でもっとも人気のあるNBAの試合のチケット。それも「クリスマスゲーム!」という特別な日の、、そう、12月25日のチケットを持っていた。

さらにいえば、クリスマスゲームで対戦するのは「ロサンゼルス・レイカーズとマイアミ・ヒート!!」。いうまでもなく、超人気チームの対戦である。

僕も家内もバスケットボールにはとくに興味はなかったし、試合を観に行ったこともない。一度も。

でも、NBAの試合は、TVのスポーツニュースなどで時折観ることがあったので、その雰囲気や中身はなんとなく知っていた。「すごい!」と思っていたし、「NBAの試合なら1度観てみたいね」といった話しもしていた。

で、2004年のクリスマスシーズン、サンタモニカに行くことを決めたとき、すぐ、NBAの観戦を決めた。

まずは、その時期のLAエリアでの試合のチェックから入ったが、探す間もなく目に飛び込んできたのが「ロサンゼルス・レイカーズ対マイアミ・ヒート」戦。
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チーム名もほんの一握り程度しか知らなかったが、この両チームは知っていた。たぶん、TVのスポーツニュースなどで取り上げられることが多かったということなのだろう。

コービー・ブライアント、シャキール・オニールといった選手の名も浮かんだ。この二人以外に名前を知っていたNBA選手は「伝説の人」、マイケル・ジョーダンだけだ。

試合会場はLAのダウンタウンにあるステイプルズ・センター。数多くのスポーツ・イベントやコンサートが行われるが、世界最大の音楽際「グラミー賞」の会場としても知られている。

すごい試合に巡り会ったのはこの上なくハッピーだったが、まず頭に浮かんだのはチケットがとれるか?だった。

予想は当たった。試合まではまだ数ヶ月あったが、まっとうなルートでのチケットはすでに手が届かなかった。届いたとしても、恐ろしいほどの値札がついていた。

ハッキリは覚えていないが、コートサイドのチケットは「5000〜10000ドル!」ほどもしたような記憶がある。

もし、コートサイドの席で観たら、周りにはきっと「見たことのある顔=有名人」が何人もいる、といったことになっていただろう。

一応、予算は1人500〜1000ドルにして探したが手に入らなかった。そこでふと思いついたのは「AMEX」のサービス。海外での緊急時のホテル手配等で使ったことはあるが、イベント・チケットは初めてだった。

しかし、これが正解。依頼して間もなく500ドルちょっとの席が取れたとの連絡が入った。「さすがAMEX ! 」である。

席は、最上階バルコニーのちょっと下辺り。コートは遠い。、、でも、「NBAの頂点の試合ですから、コートは遠くても、会場のすごい盛り上がりを楽しむにはむしろいいかもしれませんよ」との、AMEXアテンダントの言葉にはけっこう納得した。
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試合当日の朝、ホテルのコンシェルジュに、「今日、ステープルズセンターにNBAを観に行くんだけど、自分のクルマで行っても大丈夫かなぁ」と聞いた。

LAではどこへ行くにも自分でクルマを運転して行くのが常だが、駐車場の様子などが心配だったので聞いたのだが、聞いてよかった。

コンシェルジュはすぐ「お止めになった方が、、。駐車場の混雑は土地の人でも大変な思いをするのですから。タクシーをお勧めします。帰りもスムースに帰れるように手配しますから」。僕はすぐタクシーを頼んだ。

「それにしても、すごいチケット、よくとれましたねー! 羨ましい! 初めてですか? 絶対に楽しめますよ!!」と、コンシェルジュはかなり興奮気味だった。

ステープルズセンターに近づく頃から、コンシェルジュの言うことをきいてよかったと思った。すごい混雑だった。ゲートから少し離れたところでクルマを降り、帰りもそこで落ち合うことを約束した。

TVでしか観たことのない興奮の中へ初めて身を置いたわけだが、すごかった! 1万8千の席は文字通りの満席で、下の方に見えるコートは黄金色に輝いていた。

僕の席から細かいプレーは見えなかった。でも、選手の一挙手一投足に会場全体が揺れるような大歓声の中に身を置くだけで興奮した。心だけでなく身体まで熱くなった。

「ちょっと覗いてみよう」くらいの気持ちで訪れたよそ者を、NBAは虜にした。NBAが世界一の人気プロスポーツであることを否応なく実感させられた。すごい経験だった。ふたりで1000ドルのチケットは「最高にお買い得!」だった。

● 岡崎宏司 / 自動車ジャーナリスト

1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。

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