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2019.05.13

 独占連載 「LEONレーシング」スーパーGTの戦い方【Vol.1】

独占連載 「LEONレーシング」【Vol.1】シーズンオフの過ごし方

スーパーGT300クラスにメルセデス AMG GT 3でエントリー、2018年シーズンは悲願のシリーズ・チャンピオンの座を獲得したLEONレーシング。この新連載では、そんなチャンピオンチームがシリーズをどう戦っているのか、その舞台ウラを独占公開! レースだけでなく、マシンやタイヤ、さらにはレースクイーンなど、チームのすべてをお届けします。

CREDIT :

写真/吉田成信 取材・文/大谷達也、近藤高史(LEON)

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2018年GT300クラス・チャンピオンのLEONチームが実戦の場に戻ってきた。あの歓喜の瞬間から5カ月あまり。黒澤治樹選手を筆頭とするチームメンバーはどこで何をしていたのか? 普段は知ることのできないシーズンオフの過ごし方を黒澤選手に聞いた。
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「皆さんが普段乗っているクルマって、走り終わってもせいぜい洗車するくらいで、次に乗るまでほとんど触れもしませんよね? レーシングカーも似たように考えていらっしゃる方が少なくありませんが、同じクルマでも市販車とレーシングカーではその扱い方が大きく異なります。レーシングチームは冬の間も忙しく働いていて、慌ただしくあちこちを訪ねるという意味ではむしろシーズン中より忙しいくらいです」

── では、具体的にどんなふうにしてオフシーズンを過ごしたのか? 引き続き黒澤選手に語ってもらおう。

「基本的には、最終戦が終わった翌日から新シーズンの準備が始まります。まずは1年間お世話になったスポンサーにシーズンの報告をして、翌年のスポンサーシップを検討していただくようにお願いする。僕はLEONチームのドライバーであると同時に、チームの母体であるケーツー・アールアンドデーの代表でもあるので、スポンサーとの契約書などはすべて自分たちで作成し、正式な契約を結びます」
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── そうした事務作業に加え、マシンのメンテナンスも、もちろん大切な仕事だ。

「マシンのメンテナンスはシーズン中もレースごとに行なっていて、サーキットから帰ってきた翌日にはファクトリーでバラバラバの状態にされ、各部に問題がないかどうかチェックします。それでもシーズン中は時間との戦いになるので、詳しく見られない部分も残っている。また、メカニカルトラブルを防ぐために定期的に交換すべき部品もあります。そこでシーズンオフの間に、普段はできないメンテナンスを徹底的に行うことになります」

── その具体的な内容は?

「まずは足回りをはずし、ミッションなどをばらします。足回り系では人の関節に相当する“ピローボール”という部品をすべて新品に交換するほか、ミッション内部のパーツも必要に応じて新品に交換し、組み直します。その際、クラックチェックといって部品にわずかでもヒビが入っていないかを確認したり、ボルト類を新品に交換したりします」

── マシンのリフレッシュはメカニズムだけなのですか?

「LEON号のトレードマークであるマット・ブラック(艶消し黒)の塗装も、シーズン中にメカニックたちが掃除していると、だんだんツヤが出てきてしまう。いっぽうでステッカーが貼ってあった部分はツヤがないままなので、新しいカラーリングを施そうにもベースのペイントがまだらになって格好良くない。そこでシーズンオフには、ボディの全塗装を行なって、元のマット・ブラックに仕上げます。また、新スポンサーに合わせてデザインを考え直すのも重要な仕事です」

── マシンが組み上がると、今度はシーズン前のテストに参加する。今年、LEONレーシングは岡山国際サーキットと富士スピードで行なわれた公式テストに臨んだほか、ツインリンクもてぎを舞台とするプライベートテストにも参加。マシンの熟成に努めた。

「シーズンオフの大メンテナンスでミッションの分解組み立てを行なっているので、テスト前にも慣らし運転を目的とした簡単な走行を行ないます。しかも、テストから帰ってくるたびにマシンの状態を再チェック。本当に息つく暇もありません」

── そのほかにも各種ショーやイベントに展示するためマシンを貸し出したり、人員の入れ替わりが行なわれるメカニックに関しては面接したり労働契約を結んだりするのも黒澤選手、いや黒澤社長の役割。さらにシーズン中のロジスティックやエンジニアとのミーティングなど、やらなければいけない仕事は山のように残されている。
そうした作業を終えてようやく新シーズンを迎えるわけだが、最後に、ディフェンディングチャンピオンとして挑む2019シーズンに向けた意気込みを黒澤選手に語ってもらった。
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「僕自身、レースを始めてから20年以上が経つし、LEONレーシングを設立してからすでに8シーズンが過ぎています。チャンピオンを獲ったのは確かにうれしいけれど、だからといって特別な気負いもなければ奢りもありません。それでも自然と気合いが入っていくのが新シーズンというもの。今年もこれまでと同じように全力で戦っていきますので、今シーズンもご声援よろしくお願いします」

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