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2019.01.12

ランボルギーニ ウルスで何が変わったのか? CEOに聞く、スーパーカーの未来

歴史あるスーパーカーメーカーとして孤高の進撃を続けるランボルギーニ。昨年には弩級のSUVウルスを発表。クルマの未来がEVへと大きく舵をきるなか、どこへ向かうのか? ファンイベント、ランボルギーニ・デイのために来日したCEOに聞いた。

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取材・文/大谷達也

最新から旧車までランボルギーニが大集合! CEOを直撃インタビュー

 ランボルギーニを愛するファンのためのイベント、ランボルギーニ・デイ2018が横浜で開催された。当日はミウラ、カウンタック、LM002といったランボルギーニの歴史的モデルが200台以上も参加してパレードしたほか、ランボルギーニの最新作でニュルブルクリンク・ノルドシュライフェの量産車によるラップレコードを更新したアヴェンタドールSVJのお披露目が行なわれるなど、盛りだくさんのイベントとなった。
 もっとも、私のお目当てはステファノ・ドメニカリCEOと再会することにあった。
 ドメニカリCEOのことを知ったのは、彼がまだイタリアの別ブランドでF1チームの代表を務めていた10年ほど前のこと(どのブランドかバレバレですな)。

当時、私は海外のF1グランプリをときどき取材していたのだが、F1を転戦するジャーナリストが意外にも不自由するのが「どこでランチを食べるか?」という問題。もちろんサーキットだからレストランも屋台みたいなものもあったりするけれど、F1グランプリ中はどこも長蛇の列で、取材の合間にさくっとランチを済ませたい私たちにとって適当な場所は滅多になかった。
 そんな我々の貴重なランチ・スポットがF1チームのホスピタリティエリア。その多くは招待客のみ受け入れてくれるのだけれど、まれに「誰でも大歓迎」というオープンなチームもある。ただし、ドメニカリさんが在籍していた赤いテントは、(ご想像のとおり)私たちにとって長年近寄りがたい場所。

そんな雰囲気をガラリと変えてしまったのが、チーム代表に就任したばかりのドメニカリさんで、彼がホスピタリティ・エリアの扉を開け放ってくれたおかげで、私たちはおいしいパスタやプロシュートをたらふく食べることができたのである。

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 その後、紆余曲折があってランボルギーニにやってきたドメニカリCEO。実は、前任者のステファン・ヴィンケルマンの時代からランボルギーニでは新型車の国際試乗会にCEOが同席するのがならわしで、彼もCEO就任直後から積極的に国際試乗会に参加していた。

そこで私は、あるとき彼に感謝の気持ちを伝えることにした。「私たちジャーナリストにランチを振る舞ってくれてありがとう」と。するとドメニカリCEOはこんなふうに答えたのである。
「こういう仕事をしていると、時として自分の力だけですべてをこなしているような気になりますが、それは間違いです。実際にはたくさんの人たちに支えられながら、私たちは毎日の仕事に取り組んでいる。そうした感謝の気持ちを忘れてはいけないと常々思っています。あのときホスピタリティ・エリアを開放したのも、ですから当然のことをしたまでです」

 それからも国際試乗会のたびに顔をあわせていたが、ランボルギーニ・デイにあわせてドメニカリCEOが来日し、我々にもインタビューするチャンスがあるという。これは足を運ばないわけにはいかない。というわけで、横浜の特設会場を訪れた。

 最近のランボルギーニといえば、まず気になるのが日本でも発売されたばかりのスーパーSUV、ウルスのこと。価格がおよそ2800万円のこのニューモデル、売れ行きはどうなのだろうか? ドメニカリCEOに訊いた。

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「セールスは順調で、信じられないほどたくさんのオーダーをいただいています。また、いただいたオーダーのうち、およそ70%は新規のお客様です。これは本当に素晴らしいことです。なぜなら、ウルスをきっかけにしてランボルギーニのことを知っていただければ、次は私たちのスーパースポーツカーをご購入いただけるかもしれない。どうか忘れないでください。私たちは精魂込めてスーパースポーツカーを開発し、これを販売するスーパースポーツカーメーカーなのです。ウルスの販売で得られた利益も、私たちは次期型スーパースポーツカーの開発に役立てる計画です」

 同じくウルスといえば、先日ランボルギーニはウルスST-Xコンセプトという名のレーシングカーを発表したが、その狙いはどこにあるのか?

「SUVは世界中のどのセグメントでもセールスは非常に好調です。いっぽうで、私たちは常々こんなことを考えていました。『モータースポーツ界でまだ誰もやっていないことに挑戦しよう』 そこで思いついたのがSUVによるレースです。現在の人気を考えれば、SUVが次世代ツーリングカーレースの主役に躍り出てもおかしくありません。今回、発表したのはあくまでもコンセプトカーですが、これをベースにしたワンメイクレースを2020年から開催することを現在、検討中です。レースの運営はわれわれランボルギーニが責任を持って行います。いまは開催地を探していますが、ウルスが持つ素晴らしいハンドリングやブレーキ性能を発揮できる本格的なレーシングコースでレースを催すのはもちろんのこと、ウルスのオフロード性能を証明できるようなコースでの開催も検討しているところです」

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 そこまでSUVに注力するのであれば、ウルスよりも小さなサイズのSUVを開発する計画もあるのではないか? そう質問すると、ドメニカリCEOは明快に否定した。

「ノー、ノー、それはありません。現状のウルスとは異なるパワートレインが搭載される可能性はありますが、小さいウルスを作る計画はありません。また、2台目、3台目のSUVを開発する考えもありません」

 では、EVはどうか? 昨年11月、ランボルギーニはテルツォ・ミレニオという名のEVコンセプトカーを発表して話題を呼んだ。これをベースとするロードカーは誕生するのだろうか?

「電動化したランボルギーニを開発する準備はすでに整っています。ただし、一足飛びにEVを発売するのではなく、その中間的なステップとしてハイブリッドを投入する計画です。おそらく、次期型のアヴェンタドールにはハイブリッドが用意されるでしょう。ただし、エンジンは内燃機関のV12を搭載することをお約束します。なぜなら、V12エンジンこそはランボルギーニのヘリテージであり、まさに心臓部だからです。このことはすでに社内でも決定しているので、どうかご安心ください」

● 大谷達也

自動車ライター。電機メーカーのエンジニア、自動車専門誌の編集部員を経て、2010年に独立。現在はスーパースポーツカーの試乗記を始め、自動車の最先端技術やモータースポーツに関する記事などを執筆している。

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