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2018.11.04

30万円で買える高級時計を選ぶとしたら?

スイスの時計ブランド、フレデリック・コンスタントが2018年に創業30周年を迎えることに。来日した社長にブランドの歩みを伺いました。

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写真/内田裕介(maettico) 文/福田 豊

“手の届くラグジュアリー時計”を実現

スイス、ジュネーブの時計ブランドである、フレデリック・コンスタントが今年で創業30周年。その社長のピーター・C・スタースさんが先の9月に来日。30年間のブランドの歩みや、30周年記念のこと、時計界についてなど、お話を伺うことができました。

「パリで創業30周年のイベントを開催するんです。30年間の出来事をムービーにしたのを観てもらったり。私と妻のふたりが過去のことを、新しく就任したディレクターが未来のことを話す。そんなイベントになる予定です」

フレデリック・コンスタントは1988年にスタースさんが創業。ハイクオリティの本格機械式時計を身近な価格で提供する「Accessible Luxury=手の届くラグジュアリー」をブランドのフィロソフィーとする。具体的には、30歳代後半~40歳代後半のビジネスマンやビジネスウーマンがターゲット。プライスは10万~30万円台が中心にされている。

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機械式時計をリーズナブルに提供したい

時計ビジネスをはじめたワケ

「ブランドを興したきっかけは、妻とスイスに旅行に行ったこと。ふたりで時計店のショーウィンドウを見ていて、ふとその時計がどれも、丁寧に手作りされた高価なものか、機械もデザインも安易な安価なものか、そのどちらかであるのに気付いたんです。それで、スイス製の高品質な時計を手ごろな価格で多くのひとが楽しめるようにできないか、と思いブランドを始めた。何度か試作品を作り、1992年の見本市で発表したのが、ブランドの実質的なスタートです」

そうして1994年に発表した、ダイヤルの窓にテンプの振動=ビートを覗かせた「ハートビート」が大ヒット。独創的なデザインがブランドのアイコンとなり、フレデリック・コンスタントの名が世界中に知られるようになる。さらに2004年に自社製ムーブメントを開発し、マニュファクチュールとしての地位を確立した。
「ハートビートは、ダイヤル側からテンプの動きが見えれば一目で機械式とわかり、より楽しいだろうと思いついて作ったもの。そしてその窓の位置を変えようとしたら、それに合う既存のムーブメントがなく、それで自社開発したのがマニュファクチュールの始まりです」

2006年には新工場を建設し、遂に、超複雑機構のトゥールビヨンを自社開発。2016年に、やはり超複雑機構である永久カレンダーを自社開発。2017年にフライバッククロノグラフを開発。そして2018年の今年、発表されたのが永久カレンダーとトゥールビヨンを併載した「クラシック パーペチュアルカレンダー トゥールビヨン マニュファクチュール」だ。

「ともに超複雑機構のトゥールビヨンと永久カレンダーを合わせたグランドコンプリケーションがアニバーサリーに相応しいと考えたんです。フレデリック・コンスタントのモデルにしては高価ですが、でもこの超複雑機構でこの価格はリーズナブル。そう思いませんか」

トゥールビヨンは脱進機にシリシウムを使用した、今日の時計界での最先端。確かに、この精巧なつくりでこの価格は破格といえる。フレデリック・コンスタントは創業以来30年間、一貫して「手の届くラグジュアリー」であり続けている。

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機械式時計をとりまく環境が激しく変化 

年々上昇する高級時計市場。フレデリック・コンスタントの結論は?

しかしその一方、この30年間で時計界全体は高級志向が高まり、超高額なモデルが次々と作られ人気を博している。そういう時勢に対して、常にハイコストパーフォーマンスを貫いているフレデリック・コンスタントを率いるスタースさんは、はたしてどう思っているのだろうか。

「価格については、社内でディスカッションしたことがあります。もっと値上げをしてもいいのじゃないか、と。ですが、ほかのブランドを見たとき、やはり自分の感覚としては高価すぎると感じる。フレデリック・コンスタントのターゲットはジュニアマネジャーなどの中間層であり、そういうビジネスマンやビジネスウーマンに使ってほしい。だから価格を上げるのはフェアじゃないと思った。より多くのひとたちに時計を届けることを選んだんです」

そう、価格を高くするのは,ある意味、簡単なこと。有名になれば値上げをしても消費者は付いてきてくれる。だがそれを「フェアじゃない」というスタースさんは、とても真摯で好感がもてます。

来春には、もうひとつ新工場が開設するとのことで、さらなる発展と進化が大いに期待できる。次の「手の届くラグジュアリー」がどんなモデルか、いまから楽しみです。

◆ 創業30周年を記念した限定トゥールビヨン

「クラシック パーペチュアル カレンダー トゥールビヨン マニュファクチュール」 自動巻き、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、ケース径42㎜、5気圧防水、ステンレススチール、アリゲーターストラップ。世界限定88本。281万8000 円/フレデリック・コンスタント(フレデリック・コンスタント相談室)

● フレデリック・コンスタント相談室

お問い合わせ/0570-03-1988
URL/http://frederiqueconstant.jp

● ピーター・C・スタース(Drs. Peter C. Stas)
  フレデリック・コンスタント グループ社長

オランダ、ゴーダ生まれ。大学で経営学の学士号を取得後、ニューヨークの法律事務所勤務を経て、オランダのフィリップス社のマーケティング責任者に就任。現在、「フレデリック・コンスタント」のほか「アルピナ」「アトリエ・デ・モナコ」の全3ブランドで構成される「フレデリック・コンスタント グループ」の社長として、デザインと製品開発を担当する妻とともに、グループを統括する。

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