2018.09.28
【プロが解説】スマートウォッチは本当に便利なのか?
近年広く定着しつつあるスマートウォッチ。しかしその実力はいかほどか? 気になるその基本機能をまとめてお伝えします。
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構成・文/渋谷ヤスヒト
スマートウォッチは、ふたつのタイプがある
スマートウォッチの「スマート」には、「賢い」という意味もあるが、何よりも、まず「スマートフォン」と一緒に使うモノという意味がある。といいながら実際は、手元にスマートフォンがなくても、腕に巻いたスマートウォッチだけでたいていのことが出来てしまうのだが。
そして、今もしあなたがスマートウォッチの購入を考えているなら、まず理解しておきたいことは、スマートウォッチには2種類あるということだ。
ひとつは時計の画面全体がタッチ操作のできる液晶ディスプレイになっている「タッチスクリーン型」。これはスマートフォンとほぼ同じことができる。そしてもうひとつが、見た目は普通のアナログ腕時計に見える「ハイブリッド型」。前者に比べて出来ることは少ないが、腕時計らしくてお洒落、と考えてもらっていい。
だから、スマートウォッチを手に入れるなら、どちらのタイプにするか、まず考えよう。スマートフォンとほぼ同じことを「いろいろやってみたい」ならタッチスクリーン型、腕時計らしい「お洒落な見た目とシンプルな操作感」にこだわるなら、ハイブリッド型がオススメだ。
どちらも購入したらまずすることは、スマートフォンの専用アプリをダウンロードし、スマートフォンのBluetooth通信機能をオンにして、スマートフォンとペアリングすること。その後、自分の名前や情報を登録すると使えるようになる。
あなたの生活を変える、スマートウォッチの基本機能とは?
基本機能【その1】
電話・メール・SNSの着信を知らせる「通知機能」

タッチスクリーン型は、着信があると音や振動に加え、電話なら相手の番号や名前(アドレス帳に登録済みの場合)が、メールやSNSのメッセージならその情報がディスプレイに表示される。そして、電話は時計に内蔵のマイクで通話ができ、メールは定型分や音声入力機能で返信することが出来る。つまり、スマートフォンをいちいち取り出さなくてもスマートウォッチでほとんどの対応ができてしまうのだ。慣れてしまうとこれほど便利なものはない。
一方、ハイブリッド型もディスプレイやマイクはないものの、電話やメール、メッセージを通知してくれる。そして、通知後はスマートフォンを取り出して通話したり、メールやメッセージを確認したりすればよい。ただ、通知を行う相手やアプリの設定をしておくことが必要だ。とはいえ、全面ディスプレイ型のようにいきなり相手の名前やメール、メッセージの内容が表示されてしまうことはないので、プライバシーを他人に覗かれたくない人にはこちらがオススメだろう。
基本機能【その2】
見失ったスマートフォンを探せる「スマートフォンサーチ機能」

それなのに、なぜか行方不明になることがある。「さっき、机のこの辺りに置いたはず」、「バッグの中に入れたつもり」なのに、見当たらなくて焦ったという経験がきっとあなたにもあるだろう。
そんなとき、「スマートフォンサーチ機能」ほど頼りになるものはない。スマートウォッチの「スマートフォンを探す」ボタンを押せば、たとえミュート(消音)モードにしてあっても、スマートフォンから音が出て、どこにあるかがすぐに分かるからだ。また、スマートフォンと離れてBluetoothでの接続が切れると警告してくれるモデルもある。スマートフォンをどこに置いたか、よく忘れて困る人にはとても役に立つ、ありがたい基本機能だ。
基本機能【その3】
腕に着けているだけで健康管理ができる「ヘルスケア機能」

また、タッチスクリーン型の多くは、エクササイズやスポーツごとに最適なモードでより正確に運動量を計算してくれたり、心拍数を自動的に計測・記録してくれたりする。こうした機能を使ってみると、「今日はどのくらい歩いたのか・どのくらい寝たのか」が数字になって表示されるので、日常的に運動している人はもちろん、そうでない人でも、自分の身体の状態、健康への関心が高まるというもの。
さらに、スマートフォンにインストールする専用アプリに日ごとの運動量の目標を設定しておくと、その達成度を表示して「もっと運動しなさい」と教えてくれたり、「目標を達成しました!」と褒めてくれる機能が付いているので、運動する意欲も湧いてくるはずだ。
基本機能【その4】
スマートフォンを簡単に操作できる「リモコン機能」

操作内容は、ハイブリッド型スマートウォッチの場合は、スマートフォンの音楽プレーヤー機能やカメラ機能に限られている。でもタッチスクリーン型では、より多様な使い方ができる。中でもスマートウォッチと連動したアプリは、スマートフォンでインストールすると、その操作がウォッチからできるものが多い。たとえば、スマートフォンでラジオが聴けるアプリ「radiko(ラジコ)」も、スマートウォッチからラジオ局の選択や音量の調節ができる。
基本機能【その5】
海外の時間もスムーズにわかる「ワールドタイム機能&アラーム機能」

タッチスクリーン型・ハイブリット型を問わず、スマートウォッチはみなこの機能を標準で備えている。どちらもスマートフォンの専用ソフトで表示する都市を設定できる。ハイブリッド型の場合はケース横のボタンを押すことで、時分針が設定した都市の時刻に切り替わる。
「音声アシスタント機能」が、あなたの生活を変える!?
そして、タッチスクリーン型を手に入れたら、ぜひ使っていただきたいのが「音声アシスタント機能」。活用のキーになるとても大切で便利な機能だ。Googleが提供するAndroid(アンドロイド)OSを使ったAndroidスマートフォンでは「Googleアシスタント」を、iOSを搭載するアップルのiPhoneでは「Siri(シリ)」を使うことができる。
こうした音声アシスタント機能を活用するには、スマートフォンのOSと揃えることがポイントとなる。
Androidスマートフォンを使っているなら、Googleが開発したスマートウォッチ用OS「Wear OS by Google」を搭載したものを。アップルのiPhoneなら、iOSに対応したWatch OSを搭載する「アップル ウォッチ」などを選ぶのがいいだろう。この機能を活用すると、スマートフォンでできることが、スマートウォッチでもほとんど行うことができる。
検索もナビも、文字入力はもはや不要
そして目的地までのナビゲーションや、その場所に電話を掛けることも音声アシスタント機能を使えば簡単に行える。これも、音声アシスタント機能が使えるタッチスクリーン型のスマートウォッチならではだ。
時計のフェイスを自分好みにカスタマイズ!
スマートウィッチで、財布が不要になる!?
これはスマートフォンで既に使っている人も多いだろう。この機能がスマートフォンを取り出さなくても、腕に着けたスマートフォンだけでできるのだ。まだいろいろと制約があるが、アプリのアップデートでこれからさらに使いやすくなることが期待できる機能だ。
このように、スマートウォッチの機能性は本当に幅広い。確実にユーザーの生活を便利にしてくれるアイテムと言えるだろう。各メーカーからさまざまなモデルが登場しているので、自分の使いたい機能を搭載したものを選び取っていただきたい。
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