2017.07.14
シーンを選ばない時計には4つのデザイン方法論があった
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文/広田雅将(クロノス編集長)
簡単に言うと、太ければ太いほどスポーティーでカジュアル、細ければ細いほどドレッシーでフォーマルとなる。となると、太いのはスポーツウォッチ、細いのはドレスウォッチ、間にあるのはビジネスウォッチと判断していいだろう。時計のデザインは、眼鏡にまったく同じなのだ。であれば、眼鏡を選ぶのと同じ基準で、時計を選べばまず外さない。
例えば、オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク」。1972年に発表されたこのラグジュアリースポーツウォッチがポピュラーになった理由は、どのTPOにも耐えられるデザインを持っていたからだ。時計全体の造型はマッシブだし、ベゼルもスポーツウォッチらしく太い。しかし針やインデックスはドレスウォッチ並みに細いのだ。
オーデマ ピゲ ロイヤル オーク・エクストラ シン 243万円
ちなみに彼はこの組み合わせを好んだようで、4年後にデザインしたパテック フィリップの「ノーチラス」にも、同じく太いベゼルと、細い針とインデックスが与えられた。そしてこのモデルも、やはりパテック フィリップの定番となった。
パテック フィリップ ノーチラス・トラベルタイム・クロノグラフ 5990/1A 582万円
誤解を恐れずにいうと、ジェンタはオイスターのデザインコードを翻訳して、ロイヤル オークとノーチラスに載せたのかもしれない。ジェンタの天才ぶりとは、誰も注目しなかったオイスターに目をつけたことだったと言ってもいいだろう。
ロレックスオイスター パーペチュアル 39 54万円

IWC ポルトギーゼ・クロノグラフ 74万円
ラルフ ローレン オートモーティブ Ref.RLR0220710 136万5000円
● 広田雅将
1974年 大阪府出身。時計専門誌『クロノス日本版』編集長。サラリーマンを経て2004年からフリーのジャーナリストとして活躍。2016年より現職。関連し含め連載を多数抱える。
IWC 0120-05-1868
オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000
日本ロレックス 03-3216-5671
パテックフィリップジャパン・インフォメーションセンター 03-32555-8109
ラルフ ローレン表参道 03-6438-5800