時をカウントするテンプの振動は、その中心軸が垂直ならば安定しますが、傾くと重力の影響で不安定になります。天才時計師は、キャリッジを回転させることで、そこに収めたテンプに掛かる重量方向を次々と変え、悪影響を平均化させようと考えたのです。ウーン、何とも頭がいい。
1801年、特許を取得したブレゲのトゥールビヨン展開図

初代ブレゲが考案したトゥールビヨンの動く仕組み

下側の図版にあるFは、キャリッジの回転軸Eに取り付けられた筒カナ(小さな円筒状の歯車)。これがゼンマイからの駆動を伝える歯車Aと噛み合い、キャリッジを回転させる仕組みになっています。
さらにキャリッジの下には、動かないよう固定された歯車Cがあり、それと噛み合うPは脱進機のガンギ車を動かす筒カナで、図版上側にあるDがその回転軸。キャリッジの回転に伴い、固定歯車Cに沿って回る筒カナPで駆動するガンギ車は、同時にアンクルを介してテンプで調速され、キャリッジの回転速度を正しく制御します。どうですか? かなり複雑でしょ。
ブレゲ クラシック トゥールビヨン 3375 1338万円

ブランパン ヴィルレ トゥールビヨン 8デイズ 1098万円

ジラール・ペルゴ プラネタリウム トライアクシャル 3139万円

自分だけが聞こえる音色を再現するという究極の贅沢
ケースに備わるボタンやスライダーを操作すると、現在時刻を1分単位まで正確に音で知らせる複雑機構は18世紀、照明がなく暗闇なる夜間に、時間を知るために生まれました。
今あるミニッツリピーターの多くは、音色が異なる2つのゴングとハンマーとを備え、時・15分・分の各単位を現在時刻の回数分だけ打ち分ける仕掛けになっています。時は1~12回、15分は0~3回、分は0~14回、それぞれの音の回数を数え、時間を知るというわけ。
パテック フィリップ Ref.5078 時価
一見すると、クラシックなスモールセコンドモデル。これ見よがしではない、ミニッツリピーター搭載モデルは、実には好印象。高温焼成エナメル製のダイヤルは、しっとりとした質感を浮かべています。自動巻き、18KWGケース(38mm)、アリゲーターストラップ/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)
パテック フィリップはミニッツリピーターの経験値も高く、構造は、まさにこの機構のお手本。複雑な形状のパーツもすべて、完璧に手仕上げされています。
一見すると、クラシックなスモールセコンドモデル。これ見よがしではない、ミニッツリピーター搭載モデルは、実には好印象。高温焼成エナメル製のダイヤルは、しっとりとした質感を浮かべています。自動巻き、18KWGケース(38mm)、アリゲーターストラップ/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター)
パテック フィリップはミニッツリピーターの経験値も高く、構造は、まさにこの機構のお手本。複雑な形状のパーツもすべて、完璧に手仕上げされています。
スライダーを動かすと、ミニッツリピーター用のゼンマイが巻かれると同時に、時・クォーター・分の各ラックがスライド。スライダーから指を離すと、ゼンマイの力でラックは元の位置にゆっくりと戻りながら、それぞれに備わる歯でハンマーへと駆動力を伝達します。
各ラックがスライドする幅は、それぞれの単位のスネルの歯と凹凸が正確に規制。スライドした分のラックの歯数が、各単位の音を打つ数になるわけです。
裏蓋側には、ゴングとハンマーに加え、ガバナーなる装置が備わっています。これは、ミニッツリピーターが作動すると回転する調速機構。ハンマーがゴングを打つタイミングを、等間隔にしてくれます。
F.P.ジュルヌ レペティションミニッツ・スヴラン 価格要問い合わせ
ダイヤルに姿を見せるハンマーを除けば、見た目はいたってシンプル。ケース厚8.65mmは、ミニッツリピーターとしては異例の薄さ。音質を優先し、敢えてケースはSS製に。手巻き、SSケース(40mm)、アリゲーターストラップ/F.P.ジュルヌ(F.P.ジュルヌ東京ブティック)
独自の板状のゴングは、既存のリング状よりも音色も音量も良いとか。ラックの形状もシンプルで、部品点数も少なく、故障しづらい設計が、ジュルヌらしさ。
ダイヤルに姿を見せるハンマーを除けば、見た目はいたってシンプル。ケース厚8.65mmは、ミニッツリピーターとしては異例の薄さ。音質を優先し、敢えてケースはSS製に。手巻き、SSケース(40mm)、アリゲーターストラップ/F.P.ジュルヌ(F.P.ジュルヌ東京ブティック)
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オーデマ ピゲ ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ 価格要問い合わせ
音質と音量とに優れたミニッツリピーターに加え、トゥールビヨンとクロノグラフも備える複雑時計の超大作。軽量なチタンケースも、音響効果を溜めるのに効果大。手巻き、チタンケース(44mm)、ラバーストラップ/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン)
特殊合金製の反響板にゴングを設置。そこから発せられる音色を空洞を持つ裏蓋が増幅して、朗々とした豊かな本量を実現しました。
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特殊合金製の反響板にゴングを設置。そこから発せられる音色を空洞を持つ裏蓋が増幅して、朗々とした豊かな本量を実現しました。
F.P.ジュルヌ東京ブティック 03-5468-0931
オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000
ソーウインド ジャパン 03-5211-1791
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109
ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233
ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211