そもそもデカ厚時計は、メカニズムと機能の追求がもたらした必然だった
こうした機能性追求の果てのデカ厚時計はけっして軽薄に見えず、むしろ男の逞しさや渋さ、色気を演出する絶好のジュエリーになってくれます。また今までにない独創的メカズニムを搭載した結果のデカ厚というものもあります。
これらは大抵がシースルーバックや両面スケルトン構造を採用しており、ケースいっぱいに精緻なメカがぎっしりと詰まっているという、ゼンマイ好きにとっては官能すら感じさせるさまを披露。リッチにしてインテリジェンスも感じさせる1本として活躍してくれるでしょう。
そんな目線で、読者の皆様を確実に格上げする“意味のあるデカ厚”を各メゾンの新作からアレコレ見繕ってみましたので、ぜひ選びの参考にしてくださいませ。
だからデカ厚時計はブームでは終わらない
こうした控えめサイズの時計が脚光をあびる背景としては、昨今のファッションがクラシック回帰を強めていることもあげられるでしょう。が、それ以上に大きいのが、デザイン優先のデカ厚時計が増えたことに対する反動もあるかと。
むやみにケースが大きい割に、裏蓋を開けたら意外なほど小さなムーブメントがポツン……という“ムダ厚”時計からの揺り戻しではないかと。こういうのは得てして全体の質感もチープで、たしかにセンスのいいオトナが着けるべきシロモノではありません。とはいえすべてデカ厚時計を否定するのはもちろん誤り。その日の装いや赴くシーンしだいでは、ガツンと腕先でインパクトを効かせるのがベターな場合も多いものですから。
また、デカイ時計が男性性、マスキュリンなイメージを強くアピールするポイントになるのは事実なのです。つまり、デカ厚時計はトレンドうんぬんに関わらない男性ならではなニーズがあり、むしろ真のデカ厚時計はぜひ1本は所有したい時計でもあるわけです。
以下では機能としての必然から生まれた大人のオトコにふさわしいデカ厚時計をご紹介しましょう。
さらに強靭に進化した「デカ厚」ダイバーズ
「パネライ」 ルミノール サブマーシブル 1950 BMG TECH ™ スリーデイズ オートマティック 47㎜ PAM00692/107万円(9月発売予定)

高い防水性能を確保するとともに、暗い海中でも確実に時を読み取れるようにするには、どうしてもこの大きさと厚さが必要だったわけですね。
超複雑機構+ライトウエイトという次世代“デカ厚”の筆頭
「タグ・ホイヤー」 タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T トゥールビヨン カーボン&チタニウム/予価178万5000円。

視認性と多彩な機能を盛り込んだ傑作
「ブライトリング」 ナビタイマー ラトラパンテ/128万円

冒険時計の古典を軽量チタンで復刻
「ロンジン」 リンドバーグ アワーアングル ウォッチ90周年モデル/予価63万3000円

●吉田 巌(ライター)
オフィチーネ パネライ 0120-18-7110
タグ・ホイヤー 03-5635-7054
ブライトリング・ジャパン 03-3436-0011
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