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2020.11.06

【プロが解説】いま、腕時計は「ベルト」で選ぶのが通なんです!

近年は、出来の良いブレスレットやチェンジャブルストラップを備えた腕時計が続々登場。今や、腕時計選びのポイントは、機能性や“カオ”だけではないんです。

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文/広田雅将(『高級腕時計専門誌クロノス日本版』編集長)

近年、時計のブレスレットが美しく・使いやすく進化中

2000年以降、工作機械の進歩によって、大きく高まった時計ケースの質。それ以前は、手作業に依存することの多かった優れた外装は、新しく精巧な工作機械により、熟練工に頼らずともかなりのレベルで仕上げることが可能になりました。その結果、“ラグジュアリースポーツウォッチ”が数々登場。その立体的な造型は、加工技術の進歩がもたらしたものなのです。

そしてこの5年で、時計業界の生産技術はさらに進歩。それはストラップやブレスレットといった、今まで手つかずだった腕時計の外装を変えるに至りました。

かつても良質なブレスレットを採用するメーカーは存在していましたが、大多数の時計メーカーにとって、ブレスレットはあくまでアジアやアメリカでしかウケない、ニッチなパーツだったのは事実です。

というのも、湿気の少ないヨーロッパでは革のストラップが一般的で、ブレスレットウォッチは労働者向けと認識されていました。湿度の高い日本では革ストラップは劣化しやすいし(皆さんも経験があるかと)、アメリカ人は1本の時計で全て済ませようとする志向が強いので、頑丈なブレスレットが好まれたのです。

しかし、中国を含むアジア市場が拡大し、ブレスレット付きのスポーツウォッチの需要が高まると、各社はブレスレットを無視できなくなりました。加えて、新しい工作機械を使えば、非常に精密なブレスレットを作れるようになったのです。結果、各社は凝ったブレスレットを持つ時計をリリースするようになりました。10年前では考えられない進化、といえるでしょう。
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では、良いブレスレットって?

良いブレスレットには、ふたつの条件があります。まず、腕時計本体(ケース部分)とのバランスが取れていること、そして、コマの左右の遊びが適切であること。重い本体に対して軽いブレスレットでは装着感が悪いですし、従来のブレスレットはコマの遊びがありすぎました。90年代には、使っているうちにコマがバラバラになってしまうシロモノまでありました。
▲「オーヴァーシーズ・オートマティック」自動巻き、18KPGケース(41mm)×ブレスレット(アリゲーターストラップ、ラバーストラップが付属)。150m防水。520万円/ヴァシュロン・コンスタンタン
近年、優れたブレスレットを備えたモデルの筆頭が、ヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズで、ブレスレットは、なんと1コマの連結タイプ。

かつて、少ないコマ数でしなやかなブレスレットを作るのは不可能といわれていましたが、「オーヴァーシーズ」はそれを見事に実現。コマ同士の遊びを微妙に調整してあるため、ブレスレットは上下方向だけでなく、左右方向にもしなやかに動きます。
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極めて優れたブレスレットといえば、2020年に発表されたカルティエの「パシャ ドゥ カルティエも欠かせない存在でしょう。

注目すべきは、ブレスレットのコマ。よく見ると、端に長方形の切り欠きが見えるはずです。これを押すと、コマ同士を連結するピンが外れて、ブレスレットの微調整はもちろん、完全に分解ができるのです。もっとも、切り欠きはよほど目をこらさないと見つかりません。つまり、それほど高い工作精度で、このブレスレットは作られているわけです。

ちなみにかつてのカルティエは、ブレスレットを外注していましたが、ここ数年は内製化に成功。「パシャ ドゥ カルティエ」のブレスレットは、この価格帯では、ベストなもののひとつです。
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ブレスレットの進化はエントリーモデルにまで

技術の進歩は、エントリークラスの時計にも優れたブレスレットを与えるようになりました。一昔前、スイス製のエントリーモデルは汎用品のラフなブレスレットを付けるのが当たり前でしたが、今や、各社は競って、着け心地が良く・完成度の高いブレスレットを付けるようになったのです。
▲「アイコン オートマティック」自動巻き、SSケース(42mm)×ブレスレット。200m防水。19万5000円/モーロス・ラクロア(DKSH ジャパン)
その中で、もっとも見るべき時計は、モーリス・ラクロアの「アイコン」です。20万円台ながら、ブレスレットのエッジが丁寧に落とされているだけでなく、左右の遊びも適切で、装着感と高い質感を見事に両立。ブレスレットの出来は、50万円以上の時計に肩を並べます。

もともとモーリス・ラクロアは、ケースを自社で作るほど、外装には凝った会社でした。そんなメーカーが、真面目にブレスレットに向かい合ったら、高い完成度をもてるのは当然かもしれません。もし目隠しされて腕に巻かれたら、100万円の時計と勘違いする人がいるであろうほど、出来は良いです。
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ワンタッチで交換できるストラップも続々登場!

また、加工が良くなった結果、各メーカーは、より硬い素材で外装を作れるようになりました。そこで登場したのが、ブレスレットやストラップを容易に交換できる、チェンジャブルストラップです。

かつて、この機構が広まらなかった理由は、今ほど硬い素材を使えなかったため。取り付け部がすぐに摩耗するようでは、チェンジャブルストラップは採用できません。しかし、最新の工作機械を使えば、硬い素材を高い精度で削れるのです。その結果、チェンジャブルストラップの一般化に至りました。
現行のチェンジャブルでもっとも優れたもののひとつは、ルイ・ヴィトンの「タンブールでしょう。見た目においては従来のモデルと変わりませんが、数年前にチェンジャブルストラップに変更され、ストラップの種類も増えました。取り付け部の剛性は見事で、ガタツキは皆無、そして簡単に外すことができるのです。

ファッションメーカーの作る時計と侮るなかれ、ヘタな時計メーカー以上にカッチリした時計を作るようになった、現在のルイ・ヴィトンを象徴する機構といえるでしょう。
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ここで挙げた4本以外にも、優れたブレスレットや、チェンジャブルストラップを採用するメーカーは増えてきています。

IWCは相変わらず良質だし、ロレックスも近年のモデルはバックルに微調整機能が備わって、装着感がより改善されています。長らくピン留めのブレスレットを使ってきたオメガも、近年は上質なネジ留めに変更し、着け心地が良くなりました。メーカーを問わず、時計本体との重さのバランスが良く左右に適度に遊びのあるブレスレットを選べば、末永く使えるでしょう。

また、チェンジャブルストラップを選ぶ場合は、取り付け部の剛性と、ストラップの多さで選ぶと、かなり遊べるはず。先述したルイ・ヴィトンに加えて、ウブロゼニスカルティエなどは、群を抜いてストラップの種類が多いので、ストラップで楽しみたい人にはオススメします。
 
長らく、ムーブメントとケースばかり注目されてきた高級時計。しかしこれからの時代、ブレスレットとストラップも見るべきポイントになるのです。

● 広田雅将(ひろた・まさゆき) 

1974年生まれ、大阪出身。時計専門誌『クロノス日本版』編集長。サラリーマンを経て2004年からフリーのジャーナリストとして活躍し、2016年より現職。関連誌含め連載を多数抱える。また、一般・時計メーカー・販売店向けなど、幅広い層に対して講演も行う。
高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]

※掲載商品はすべて税抜き価格です

■ お問い合わせ 

ヴァシュロン・コンスタンタン 0120-63-1755
カルティエ カスタマー サービスセンター 0120-301-757
DKSH ジャパン 03-5441-4515
ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854

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