2025.10.27
大人にはドレス顔のGMTウォッチを。パルミジャーニ・フルリエのスゴ技が詰まった名作
腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回はライターの吉田 巌さんが「パルミジャーニ・フルリエ」の『トンダ PF GMT ラトラパンテ ヴェルツァスカ』を選びました!
BY :
- 文/吉田 巌
- CREDIT :
編集/岸澤美希(Web LEON)
選者:ライター 吉田 巌
ドレスな二針から瞬時にGMT針があらわれる。優雅な大人のためのGMTウォッチ


近年は、生粋マニュファクチュールならではの高い技術力を背景に、スポーティーとエレガンスという相反する要素をピュアなデザインにまとめ上げたモデルに注力し、多くの好事家を魅了していることはご存知の通り。いま最も勢いのある独立系時計ブランドと言っても過言ではないでしょう。
今回ご紹介するのは、2022年に登場し、独自のGMT機構で話題をさらったトンダ PF GMT ラトラパンテに今年追加された新色。
実は筆者、トンダ PF GMT ラトラパンテには、登場時からとても惹かれておりました。
GMTウォッチは第2時間帯用の針や目盛りにより煩雑なデザインとなりがちですが、トンダ PF GMT ラトラパンテの盤面はとてもシンプル。それでいてローレット加工のPt製ベゼル、バーリーコーン(麦の穂)模様のギョーシェ文字盤など、随所の凝った装飾でラグジュアリーな雰囲気をしっかり発散。お得意のチョコンとしたインデックスで盤面に独特のリズムをつけているのもいいですね。
また、GMT機能自体も驚くほど研ぎ澄まされています。8時位置のボタンを押すと、通常は重なっている2本の時針のうち、上側のローカルタイム用の針が1時間ずつ進み、下側のローズゴールドの針がホームタイムとして残る仕組み。ね、簡単ですよね?
トンダ PF GMT ラトラパンテが凄いのはここから。第2時間帯の表示が不要になったときに、リューズと同軸のプッシュボタンを押すことで、ローカルタイム針が瞬時にフライバックしてホームタイム針と重なるんです。
もちろんGMTウォッチでこのようなフライバック機能を持つのは世界初。そんな超絶技巧をミニマルなデザインに封じ込めたところに、さすがパルミジャーニだなぁと筆者は痺れていたわけです。

青や白を混ぜたようなこの繊細なグリーンは、スイス有数の観光地として知られるヴェルツァスカ渓谷の澄んだ川の流れから着想したものだとか。爽やかでありながら、どこか神秘的なニュアンスもある色彩で、ますますこの時計への憧れが強まりました。
「デザイン・機構とも研ぎ澄まされたGMTウォッチに、繊細なグリーンが似合う!」(吉田)

たとえば白シャツに色褪せデニムといったシンプルな装いも、この“ヴェルツァスカ・グリーン”のGMTウォッチが腕にあるだけでぐっとセンス良く仕上がるだろうなと、夢想が募るばかりです。
▲ ベゼルのローレット加工や繊細に磨き分けられた外装にパルミジャーニ・フルリエのこだわりがうかがえます。テーパードの効いたブレスレットも美しい。
▲ ケースの厚さは10.7mmと、日常使いにもちょうど良い薄さ。
▲ 搭載するのは自社製自動巻きムーブメントのCal.PF051。計算し尽くされた設計により薄型化にも成功。

▲ ベゼルのローレット加工や繊細に磨き分けられた外装にパルミジャーニ・フルリエのこだわりがうかがえます。テーパードの効いたブレスレットも美しい。

▲ ケースの厚さは10.7mmと、日常使いにもちょうど良い薄さ。

▲ 搭載するのは自社製自動巻きムーブメントのCal.PF051。計算し尽くされた設計により薄型化にも成功。


● 吉田 巌(よしだ・いわお)
雑誌やWEB媒体にて、時計をはじめ、服、靴、鞄、革小物など男性の煩悩をくすぐるアイテム全般について執筆。インタビュー記事も多くこなす。趣味はバイクで地方に出掛けてスナックを巡ること。
■ お問い合わせ
パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com


















