2025.10.25
腕時計のプロも驚愕! 「ロイヤル オーク」からこれまでにないクロノグラフが登場
腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回は時計ジャーナリストの高木教雄さんが、「オーデマ ピゲ」の『ロイヤル オーク “ジャンボ”エクストラ シン フライング トゥールビヨン クロノグラフ(RD#5) “150周年アニバーサリー”』を選びました!
BY :
- 文/高木教雄
- CREDIT :
編集/岸澤美希(Web LEON)
選者:時計ジャーナリスト 高木教雄
クロノグラフ機構を根本から革新した大発明!


今回メスを入れたのは、クロノグラフ。既存のリセット機構はどれも、クロノグラフ駆動車に備わるハートカムをハンマーで叩き、半ば強引にゼロ位置に戻す設計でした。
それを櫛状のラックギアでクロノグラフ駆動車を動かし、レトログラード機構と似た仕組みでゼロリセットする構造を発案したのです。
結果、これまでのようにハンマーを強く動かす必要ながなくなり、プッシュボタンの操作感がオーデマ ピゲ曰く「スマートフォンのサイドボタン並み」に軽くなりました。
さらにクロノグラフ車に重なっていたハートカムが無くなった分、薄型化も実現。創業150周年のフィナーレを飾るにふさわしい、極めて革新的な傑作が誕生したのです。
「当たり前を当たり前としない新たなリセット機構は、目から鱗」(高木)

そのプレゼンテーションの冒頭、「何故ハートカムを叩いて戻すという仕組みを、当たり前のように用いてきたのか?」と問いかけられ、少しも疑問に思ってこなかった我が身を少し恥じました。
▲ 一見気付かないほど薄くなったプッシュボタンの感触は、“スマートフォンのサイドボタン”のように軽い操作感。ポリッシュ仕上げのバルクメタリックグラス(BMG)ベゼルの、耐傷性の高さと美しい煌めきも魅力。 © Courtesy of Audemars Piguet
▲ ハンマーとハートカムによる伝統的なクロノグラフ機構を抜本的に再設計。よりエルゴノミック(人間工学的)で直感的に使用でき、そして高精度なフライバッククロノグラフに仕上がりました。
▲ フライングトゥールビヨンとフライバック クロノグラフを搭載しながら、ケース厚は8.1mmに収められ、付け心地は超良好。時刻合わせはリュウズを引くのではなく、タクタイル式プッシュボタンで行う。 © Courtesy of Audemars Piguet

▲ 一見気付かないほど薄くなったプッシュボタンの感触は、“スマートフォンのサイドボタン”のように軽い操作感。ポリッシュ仕上げのバルクメタリックグラス(BMG)ベゼルの、耐傷性の高さと美しい煌めきも魅力。 © Courtesy of Audemars Piguet

▲ ハンマーとハートカムによる伝統的なクロノグラフ機構を抜本的に再設計。よりエルゴノミック(人間工学的)で直感的に使用でき、そして高精度なフライバッククロノグラフに仕上がりました。

▲ フライングトゥールビヨンとフライバック クロノグラフを搭載しながら、ケース厚は8.1mmに収められ、付け心地は超良好。時刻合わせはリュウズを引くのではなく、タクタイル式プッシュボタンで行う。 © Courtesy of Audemars Piguet
クロノグラフ作動中に力を蓄えるゼンマイ状のバネも備わり、そのトルクを利用してリセットなどを行っているのは、本当にクレバー。
小さなプッシュボタンの実際の押し心地は、スマホの音量調整などの物理ボタンと同じくらい軽やかでした。万が一店頭で出会えたら、その感触をぜひともお試しあれ!


● 高木教雄(たかぎ・のりお)
時計ジャーナリスト。1962年生まれ。大学では機械工学を学ぶ。1990年代後半から時計を取材対象とし、時計専門誌やライフスタイルマガジンなどで執筆。スイスで開催される新作時計発表会に加え、工房取材を積極的に行う。著書に『世界一わかりやすい腕時計のしくみ』(世界文化社)など。
■ お問い合わせ
オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000


















