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2023.07.27

“時計通”も“ミーハー”も“モテたい諸兄”も! ブレゲの新「タイプ XX」の凄みとは?【前編】

「ブレゲ」が発表した『タイプ XX』のニューモデルが改めて注目を集めている。そこで今回はLEON.JP編集長・石井が体験したパリでの発表イベントの様子とブレゲの心臓部であるマニュファクチュール取材を通して、新「タイプXX」の魅力とブレゲの凄みを、解き明かしていく。

CREDIT :

文/石井 洋(LEON.JP)

ブレゲの新「タイプ XX」の凄みとは?【前編】

ブレゲ”第4の柱”を担う「タイプ XX」ニューモデル

「ブレゲ」が先ごろ発表した『タイプ XX』のニューモデルが話題だ。名作パイロットウォッチの直系であることはもちろん、大人の“少年心”を魅了してやまない歴史、タフでありながら品格を備えたデザインといった様々な要素が、通からミーハー、果ては我々モテるオヤジまでを虜にしている。前編となる今回は、パリで行われたその発表イベントに出席したLEON.JP編集長・石井の目を通して、新モデルの魅力を解き明かしていく。

1775年、天才時計技師 アブラアン-ルイ・ブレゲが創業したブレゲは、時計業界きっての老舗でありながら、今なお革新を続ける先進ブランドだ。トゥールビヨンやパーペチュアルカレンダーといった数多の複雑機構の発明で知られ、昨今では、最高品質かつ優美なドレスウォッチを揃える「クラシック」コレクション、創業者の傑作懐中時計をインスピレーションとする「トラディション」コレクション、航海用精密時計のDNAを今に受け継ぐ「マリーン」コレクションが人気の三本柱。時計通の圧倒的な支持を集めている。

そんなブレゲが今年の6月、「タイプ XX」のニューモデルをパリで発表したことは記憶に新しいだろう。航空の歴史とあまりに密接な、特別な個性をもつこのパイロットウォッチは、すぐさまワールドワイドな話題となった。

──ここではLEON.JPの編集長・石井が体験したパリでの発表の様子とブレゲの心臓部であるマニュファクチュール取材を通して、話題の新「タイプ XX」が、ブレゲの“第四の柱”たる実力を秘めたモデルであることを確認していきたい。
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ブレゲと航空業界の深い関係を学ぶ旅

ル・ブルジェ航空宇宙博物館内に特別に設置された、アルミ製のブレゲの展示スペース。
▲ ル・ブルジェ航空宇宙博物館内に特別に設置された、アルミ製のブレゲの展示スペース。
一行を驚かせたのが、2機のコンコルド。こちらは内覧も可能で、ブレゲ製造のロゴ入り航空計器も確認できた。常設のため、訪れる機会がある方はぜひその目で確認いただきたい。
▲ 一行を驚かせたのが、2機のコンコルド。こちらは内覧も可能で、ブレゲ製造のロゴ入り航空計器も確認できた。常設のため、訪れる機会がある方はぜひその目で確認いただきたい。
「タイプ XX」のニューモデルのパリでの発表に先駆け、世界各国のジャーナリスト、エディター、有力時計店CEOらがまず向かった先は、パリ市街地から車でおよそ30分ほどにあるル・ブルジェ航空宇宙博物館。黎明期から第一次・第二次世界大戦、現代に至る飛行機やヘリコプターの歴史を学ぶことができ、なんとあの超音速ジェット機・コンコルドまでも展示されているという巨大な博物館だ。

ここでは航空業界のパイオニアのひとりであり、ブレゲの創業者、アブラアン-ルイ・ブレゲの玄孫(孫の孫)にあたるルイ-シャルル・ブレゲの偉業を垣間見ることができた。時計製造の歴史の“祖”たる家系のルイ-シャルルが、当時最先端の航空科学に魅せられたという事実に、先進性のDNAを感じたのは言うまでもないだろう。

ちなみにヘリコプターの前身となるジャイロプレーンの発明もルイ-シャルルによるもの。世界的な飛行イベントでの新技術飛行機によるフライトなどで名を馳せていった彼は、1911年、ブレゲ・アビエーション社を設立するのだが、そこで生み出された飛行機が世界で活躍していくとともに、機体に装備する時計やパイロットが身に付ける時計を時計製造会社としてのブレゲから購入することで、ブレゲと“空”の深い関係が構築されていくことになった。
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「タイプ XX」の第1世代。こちらはフランス空軍ではなく、飛行センター「CEV」に供給されたもの。ケースバックに僅かだがCEVの刻印が見て取れる。
▲ 「タイプ XX」の第1世代。こちらはフランス空軍ではなく、飛行センター「CEV」に供給されたもの。ケースバックに僅かだがCEVの刻印が見て取れる。
話を戻そう。ル・ブルジェ航空宇宙博物館での最大の目的は、ブレゲの“空の歴史”を巡るエキシビジョンであった。

ここではブレゲ製造の貴重なコックピットウォッチから、「タイプ XX」の第1〜第3世代(1953〜2022年)を見ることができたのだが、歴史的資料とともに時系列で展示されていた計器や腕時計を見るにつけ、極度の緊張のなかで激務を強いられるパイロットの、まさに生死をわかつ“時間”の概念に想いを馳せることとなった。

飛行時間のみならず、燃料消費、方位測定、果てはさまざまな作戦遂行の面からも正確な時間計測が必須であることは自明だが、それはイコール、精緻なクロノグラフ機能の開発・進化であり、1930年代にすでにクロノグラフ機能搭載の腕時計を数多く製造していたブレゲは、1954年、フランス空軍に納入を開始することとなる。

夜光の数字と針を配したブラックダイヤル、気圧や速度変化に耐えるムーブメント、回転ベゼル、そしてフライバック機能を有するクロノグラフを備えた軍用の「タイプ 20」である。
航空の歴史を目にし、年々進化し続けた「タイプ XX」の歩みを体験するにつけ、その日の夜に控えていた第4世代目にあたる「タイプ XX」ニューモデル発表への期待感は否応なしに高まったのである。
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“栄華を極めたパリ”の雰囲気のなか、発表された新「タイプ XX」

荘厳なプティ・パレでガラディナーを楽しみながら、各国の時計有識者が新「タイプ XX」の発表を祝った。
▲ 荘厳なプティ・パレでガラディナーを楽しみながら、各国の時計有識者が新「タイプ XX」の発表を祝った。
ブレゲと航空産業の歩みを知り、「タイプ XX」の歴史を学んだその日の夜。一行はタキシードに着替え、プティ・パレへと向かった。いよいよ「タイプ XX」ニューモデルのお披露目である。昼とは打って変わり、各国の時計有識者たちがフォーマルな装いでシャンパーニュを手に語らう姿は、新作時計の発表会とは思えないほどの優雅さで、さながらパリの社交界を思わせる雰囲気に満ちていた。

ちなみにプティ・パレは、1900年に開催されたパリ万博に合わせて建設された美術館であり、館そのものも芸術作品とされる場所。パリ文化の栄華を彷彿とさせる場所での発表会、それに付随した特別なディナーは、ブレゲにとって「タイプ XX」がいかに重要な存在であるかの裏返しでもあった。
写真左から「タイプ ⅩⅩ クロノグラフ 2067」自動巻き、SSケース(42mm)。カーフストラップ(NATOストラップが付属)。10気圧防水。258万5000円。「タイプ 20 クロノグラフ 2057」自動巻き、SSケース(42mm)。カーフストラップ(NATOストラップが付属)。10気圧防水。258万5000円/ともにブレゲ(ブレゲ ブティック銀座)
▲ 写真左から「タイプ ⅩⅩ クロノグラフ 2067」自動巻き、SSケース(42mm)、カーフストラップ(NATOストラップが付属)。10気圧防水。258万5000円。「タイプ 20 クロノグラフ 2057」自動巻き、SSケース(42mm)、カーフストラップ(NATOストラップが付属)。10気圧防水。258万5000円/ともにブレゲ(ブレゲ ブティック銀座)
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リオネル・ア・マルカCEOから発表された「タイプ XX」ニューモデルは2種類。上述したフランス空軍に収められた「タイプ 20」と、民間用の「タイプ XX」に着想を得たもので、それぞれのモダンかつレトロな顔立ちは、パイロットウォッチの雄の魅力を余すところなく受け継いでいるように思えた。

それぞれの詳細は過日LEON.JPでも紹介したので参照してほしいが、個人的には軍用モデルの系譜であり、“XX”ではなく、当時用いられていたアラビア数字の“20”を冠した「タイプ 20 クロノグラフ 2057」の印象がことのほか強かった。

原型のスタイルを忠実に保ちながらも、ブラック仕上げのダイヤルやミントグリーンの夜行塗料は視認性も高いうえにファッション感度の側面からも良好で、ポワル(梨)型のリュウズ、ツーカウンターのレトロ感も好感触。3時位置の30分積算計が9時位置のスモールセコンドよりほんのわずか大きいことさえ魅力に映った。

目盛りの刻みがないベゼルがシックシンプルな雰囲気を醸すため、カジュアルなスタイルだけでなく、スーツやジャケットといった装いに合わせても、嫌味のないハズシになるだろうと期待したのだ。
こちらはキャリバー7281を搭載した「タイプ 20 クロノグラフ 2057」の裏側。シースルーバックゆえムーブメントを眺めることができる。
▲ こちらはキャリバー7281を搭載した「タイプ 20 クロノグラフ 2057」の裏側。シースルーバックゆえムーブメントを眺めることができる。
そしてブレゲ・マニュファクチュールで4年の歳月をかけて開発されたムーブメントも見どころであった。軍用モデル用のキャリバー7281と民間モデル用のキャリバー728は、頑丈な構造と複数の特許で“両面”から保護されている。

それぞれ高精度な3万6000振動/時、精緻なコントロールを可能とするコラムホイール、摩耗や磁気に強いシリコンパーツの採用、60時間の長時間パワーリザーブを有し、何より両モデルともゼロリセットとクロノグラフの再スタートが瞬時に行われるフライバック機能を有する。

パイロットにとっての利点が現代に生きる我々にとっての利点にもなる──そんな空へのロマンを所有することは、少年ゴコロを持つ大人にとって何事にも変え難い喜びとなるだろう。

続く後編では、今回ご紹介した「タイプ XX」を含むブレゲの名作の数々を生み出してきた“心臓部”、ブレゲ・マニュファクチュール取材の模様をお届けする。
※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211

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