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2021.01.16

「ザ・リッツ・カールトン日光」を拠点とした27時間で完全に癒された話

昨年の7月、「ザ・リッツ・カールトン日光」がオープンし、同ブランドでは世界初となる温泉付ホテルと注目を集めています。ラグジュアリーさはそのままに、この地こその自然と融合した温泉リゾートはいかなるものか? 1泊体験を時間軸でレポートいたします!

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文/大石智子   写真/松川真介

◆ 11:00  湯滝から森の中のハイキングコースへ

▲ こちらは秋の湯滝。冬は周辺が雪景色となります。
東京から「ザ・リッツ・カールトン日光」まではクルマで約2時間半。渋滞を避けるため朝に出たら午前中に着いてしまい、まずはホテルから15分の湯滝へ向かいました。高さ70m、長さ110mの大迫力の滝を眺めたあとは、森のハイキングコースでマイナスイオンを吸収。きのこ、巨木、苔、野鳥などを眺めて、さっそく大自然に癒されたのでした(滞在は秋)。

◆ 13:00 ホテルに到着したら鹿がお出迎え!?

▲ 完全に気を許していた野性の鹿。
森の散歩後、いよいよクルマでホテルに入り最初に目に入ったのは、なんと駐車場の脇で遊ぶ野性の鹿! 「ザ・リッツ・カールトン日光」は日光国立公園内に位置しているため、鹿がよく庭に遊びに来るとのこと。周囲の自然に溶け込む造りであることを、鹿が証明しているようです。

そんなワイルドな第一印象と、花崗岩を組んだ重厚なエントランスがいいコントラストであります。門の横にはゲストの出発を知らせる鐘が置かれ、鐘が響けばリゾート気分も上々。実は、元は明治27年創業の外国人のためのリゾートホテル「レーキサイドホテル」があった場所。避暑地として何年も慕われた歴史を継承する意気込みで「ザ・リッツ・カールトン日光」はオープンしたのです。
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中に入ってみると、東京や香港のリッツのようなゴージャスさともまた違う、静謐な空間が広がります。こんなに無垢の木が多用されたリッツは初めてで、「アライバル・ロビー」はさながら和風の美術館のよう。実際、館内には各客室を含め200点近いアートが点在し、入り口には前身であったホテルから引き継いだ襖絵がかけられています。

そして、奥に続く廊下が大胆なほどに広く、歩くだけで優雅な気持ちに。外から入る柔らかな光が、木壁をいっそう美しく見せていたのでした。

◆ 13:30 「レークハウス」のランチで地元の食材を味わう

よりホテルを満喫するためには、チェックイン前に館内で昼食をいただくのがおすすめです。日本料理やラウンジでも昼食をとれますが、私たちが向かったのはイタリアンを軸とした洋食の「レークハウス」。季節によってはテラスでのランチが気持ちよく、冬であればボートハウスをテーマにデザインされた店内へ。

船の手綱を編んだウォールアートによる壁、魚を描いたランプ、パドルの飾りetc 湖を連想させる装飾を設えたことで日本では珍しい空気感となり、スコットランドや英国湖水地方にあるホテルの現代版といった趣。暖炉も灯されるので、冬の夜はここでゆっくりワインを飲むのもいいなと思いました。
料理は地元の野菜やお肉をふんだんに使ったユニークなメニューが揃います。日光の清流で育てられたヤマメのフィッシュ&チップス、栃木産のいちごを使ったカプレーゼ、日光HIMITSU豚のローストなど、地元色全開にしてとても洗練されている。ランチをいただいただけで半日ほどこの地にいる気分になったのでした。
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◆ 15:00 中禅寺湖を臨む客室にチェックイン

客室は中禅寺湖に面したレイク棟とメイン棟、男体山を望むマウンテン棟に分かれ、宿泊したのはレイク棟。すべての客室が57㎡以上というゆとりの広さでバルコニー付きのため、エントリーレベルの部屋も十分にラグジュアリーです。ホテルによっては客室差が大きいところもありますが、全ゲストがバルコニーを満喫できるという点で、設計時のホスピタリティを感じるもの。

全室、贅沢にも寛げる場所が3箇所あることにも注目です。ベッドはもちろん、「縁側ラウンジ」と呼ばれる空間の大きなソファ、バルコニーのデイベッドと、いつでもどこでもゴ~ロゴロが叶う。シティホテルじゃなくてリゾートであれば、“3ゴロ”は欲しいところで、すべて眺めがよければ完璧。こちらはその条件を存分に満たしております。
また、お風呂も窓際なので、湯船に入りながら木々や湖に包まれているような気持ちにもなれる。扉を開ければ「縁側ラウンジ」と一体化し、そよ風も入って半露天風呂のような状態に。

そういう点も含めディテールが秀逸で、冷蔵庫が収納された木製チェストも、組子の襖も、ドア前の鍵が置けるスタンドも、空間に趣を与えるデザインにして実用的。無垢の板張りと間接照明の優しい光も相まって、日頃のせわしなさを忘れる上質な時間が流れます。

ちなみに館内で最も広い「ザ・リッツ・カールトン スイート」(277㎡)は国内ホテルのスイートルームの中でも最高峰の空間。価格は80万円台からで広さと内容をみると他ホテルより費用対効果はかなり高いと思いますので、興味がある方はお問い合わせを。
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◆ 15:30 リッツ史上初の天然温泉へ

現在、ザ・リッツ・カールトンは世界で100軒以上ありますが、温泉のあるホテルは日光が初めて。大浴場は内風呂と露天風呂があり、男女ともにドライサウナも用意。ラグジュアリーホテルで温泉に入るという新たな体験は、ここの醍醐味であります。

特に、温泉に続く廊下や脱衣所、湯上がりラウンジが5つ星ホテル仕様で優雅さこのうえなし。露天風呂がついたスパのトリートメントルームもあり、施術前にいいお湯で肌を柔らかくするなんて、温泉とホテルのいいとこどりです!

◆ 17:00 バーで栃木らしさに溢れるカクテルを

温泉に入ってすっきりしたら、1Fにある「ザ・バー」へ。バックボードにウイスキーボトルが浮かぶように並ぶバーは、その見た目通り国内外のウイスキーが揃う店ですが、カクテルにも注目。というのも、日本が誇るトップバーテンダーであり、渋谷の「THE SG CLUB」を手がけた後閑信吾さんがメニューを考案しているからです。

後閑さんが実際に奥日光を訪れ、自然の恵みを知ってから作ったカクテル&モクテルは、名前も素材も栃木らしさに溢れます。ヒノキや山椒が香る“華厳フォール”、この地の高度から命名した“アルティテュード1300”、芋焼酎やチーズが入った“ファーマーズ ハイ”など、味わいが謎めいていて試したくなるものばかり。飲めば遊びがありつつ抜群のバランスで、世界一のバーテンダーに輝いたセンスが光ります。

また、中禅寺湖まではホテルを出て徒歩30秒なので、夕方には湖畔の夕景も見逃せません!
▲ 中禅寺湖を囲む山の端に夕陽が沈んでいきます。
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◆ 19:00 インルームダイニングでお籠りディナー

▲ 漬けにした大滝日光サーモンにイクラをのせた押し寿司は『日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光』のアラカルトとしても用意。2800円(税サ別)
ディナーは4択。

(1) 「日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光」で寿司、鉄板焼、会席のコースorアラカルト(鉄板焼きはコースのみ)
(2) 「レークハウス」でイタリアンを軸とした洋食
(3) 「ザ・ロビーラウンジ」で栃木県産黒毛和牛を使用したハンバーガーや軽食
(4) インルームダイニング

いずれも地元の食材が多用されるラインナップ。本来は(1)が理想だと思うのですが、今回は(4)を選択。理由は3つあり、ランチを食べ過ぎたこと、客室にお籠りしたくなったこと、そして明日の朝食が凄いと既に知っていたからです。そこで、「日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光」のアラカルトでも用意のある大滝日光サーモン押し寿司と日本酒で晩酌したのでした。
▲ 『日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光』では那須・瑞穂農場からの黒毛和牛をメインとするコースもあり。会席のディナーコースは1万6000円〜(税サ別)

◆ 翌日6:00 おめざの温泉へ

朝食前に身体を起こすために大浴場へ。大浴場は5:30~12:00、14:00~23:00と長くオープンしてるので早起きでも助かります。

◆ 8:00 栃木の食材が30種以上揃う朝食をいただく

▲ 俯瞰写真がインパクト大な和洋朝食セット。オリジナルで作った木箱が大好評です。各6000円(税サ別)
朝食の場所は「日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光」。和食または洋食のセットが提供され、加えて自由に取りに行けるスイーツやミューズリーがあるのがうれしいところ。感染対策を考慮し、すべてが小分けになっているのでご安心を。

それらをとって和洋食のセットを待っていると、超豪華な木箱が登場!  中には地元の食材がふんだんに使われた料理が揃い、数えたところ、栃木産の食材は朝食だけで30種!  和洋どちらにも栃木の黒毛和牛が入り(和は焼き物、洋はローストビーフ)、充足感もひとしおです。また、地元の海老原ファームからの新鮮な野菜も食べられるので、朝から身体が元気になります。
▲ 日光御養卵で作ったコク深くなめらかなブリンは必食! ビュッフェ台には新鮮な栃木県産ミルクで作ったコーヒー牛乳も並びます。
すべてがハイクオリティななか、特別に美味しかったのが日光御養卵の温泉卵。ねっとりとコクのある黄身を日光市産コシヒカリにかける卵かけごはんは、我慢できず2杯目をいただいてしまったほど。同じ卵を使ったプリンは試作を30回重ねた力作で、卵の濃厚さを引き出すほのかな甘味がたまりません。こちらの朝食を機に栃木の卵に魅了され、オンラインで購入するようになりました。
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◆ 10:00 ラウンジで日本茶を飲みほっとひといき

▲ 日本茶に合う軟水でお茶を淹れてくれます。
庭を見渡す「ザ・ロビーラウンジ」では美しい茶器で10種類以上の日本茶が提供されるので、一度はここで寛いでみましょう。運がよければ庭に鹿が現れることも!

◆ 12:30 ランチボックスをもって湖畔でピクニック

▲ フジッリと日光大滝スモークサーモンのサラダ(手前)と栃木県産季節野菜とキヌアのサラダ(奥)。ともに880円(税別)。
チェックアウト後もホテルの余韻を楽しむべく、「レークハウス」でランチボックスを購入。ホテルを出て30秒のところに湖を望むベンチとテーブルがあるので、そこでコーヒーやお昼をいただくのがおすすめです。
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◆ 14:00 スワンボートに乗って中禅寺湖からホテルを眺める

▲ 右の休憩所は公共スペースですが「ザ・リッツ・カールトン日光」が造っているのでとてもきれいです。
最後の最後、奥日光への名残惜しさを胸に、スワンボートで中禅寺湖を水上散歩。足漕ぎで湖の中心に出ると、湖面越しに「ザ・リッツ・カールトン日光」が! 湖から見て改めて、森と湖に囲まれた絶好のロケーションを実感したのでした。

ちなみに中禅寺湖では、雪化粧をした日光連山を湖上から眺められるメガボード・エクスペリエンスや、由緒ある寺社で執り行われる護摩祈祷など、ホテルが提案する湖周りのアクティビティも充実しているので、滞在中に組み込めばより楽しくなるでしょう。
▲ スワンボート越しの「ザ・リッツ・カールトン日光」を撮影してみては?
最後の最後、奥日光への名残惜しさを胸に、スワンボートで中禅寺湖を水上散歩。足漕ぎで湖の中心に出ると、湖面越しに「ザ・リッツ・カールトン日光」が!  湖から見て改めて、森と湖に囲まれた絶好のロケーションを実感したのでした。

ちなみに中禅寺湖では、雪化粧をした日光連山を湖上から眺められるメガボード・エクスペリエンスや、由緒ある寺社で執り行われる護摩祈祷など、ホテルが提案する湖周りのアクティビティも充実しているので、滞在中に組み込めばより楽しくなるでしょう。


以上が、「ザ・リッツ・カールトン日光」での一泊二日の体験。贅沢をいえば2泊して、ホテルでまったりする1日と、トレッキングやウィンタースポーツに費やす1日が両方あれば最高だと思いました。奥日光は関東でも数少ないパウダースノーがある地域なのです。

寒さ厳しい季節に入りましたが、冬は冬で雪景色が美しいロケーション。しんと静まるリゾート地の暖炉で温まるのも、大人こそのバカンスでしょう。自然豊かな土地こそ春夏秋冬の美しさを追いかけたいもので、このホテルはそんな体験の拠点とするのにこのうえない空間なのです。

■ ザ・リッツ・カールトン日光

●大石智子(おおいし・ともこ)

出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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