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2026.07.10

横浜は「泊まる街」になった── 「OMO7横浜 by 星野リゾート」が教えてくれる、大人の港町の遊び方

2026年4月に開業した「OMO7横浜 by 星野リゾート」。建築家・村野藤吾が設計した旧横浜市庁舎行政棟という歴史的建築に泊まり、街へ繰り出す——。ホテルをきっかけに、港町・横浜本来の魅力を再発見する大人の滞在を、ライターの林 信朗さんがリポートします。

CREDIT :

文/林 信朗、写真/吉澤健太、編集/秋山 都(Web LEON)

横浜を知り尽くしたダンディによる、新YOKOHAMAの遊び方指南

横浜—— 文明開化の面影を残す西洋建築が並び、ホテルやバー、ジャズ、洋食など、日本のモダンカルチャーを育んできた港町。かつては洒落た大人が集う、ハイカラな街でした。


ところが東京の発展とともに、その距離の近さが横浜の個性を少しずつはぎ取っていったのかもしれません。遊びに行っても、夜には帰る……「横浜は日帰りで楽しむ街」と、そんなイメージを持つ人も少なくないでしょう。


でも、その空気が、少し変わり始めているよう。きっかけは、今年4月に開業した「OMO7横浜 by 星野リゾート」。日本を代表する建築家・村野藤吾が設計した旧横浜市庁舎行政棟 をホテルとして再生するとともに、「街を楽しみ尽くす」というコンセプトを掲げることで、横浜を"泊まって味わう街"として改めて提案しています。


さて、この新しい横浜を、どう遊ぶ? 横浜在住のライター、林 信朗さんが案内します。

OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

▲ 『MEN'S CLUB』『DORSO』『Gentry』などメンズファッション誌の編集長を歴任した林信朗さん。編集者として我々のアニキ的存在。

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村野藤吾の名建築に泊まり、夜の港町を粋に遊ぶ

横浜は「泊まって遊ぶ」街になった


OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

▲ 「さて、今日はどこへ遊びに行こうか」と野毛方面へ向かう林アニキ。

東京都心からわずか30分。それがわが愛する横浜の長所であり、同時に最大のネックでもある。

近いから友人たちは日帰りで済ませてしまう。赤レンガ倉庫を歩き、中華街で食事をし、みなとみらいの夜景を眺めたら電車で帰る。多くの人にとって横浜とは、そんな「半日観光」の街だったのだ。

けれど、大人なら今こそ知ってほしいね。

横浜は、泊まって初めて面白くなる──。

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OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

▲ 馴染みの天ぷら屋の暖簾をくぐる。

日が暮れるころ、野毛の路地には赤提灯が灯り始める。馬車道では老舗バーが静かに扉を開け、日本大通りの歴史的建築群はライトアップによって昼間とはまるで違う表情を見せる。中華街も昼間の賑わいがひと段落した頃から、地元の常連たちが集い、本来の空気を取り戻していく。

この街はね、夜になるほど艶っぽいのだよ。

OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

▲ 胡麻油の香る天ぷらをつまみに燗酒を一杯。

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「OMO7横浜 by 星野リゾート」

そんな横浜を満喫するために誕生したようなホテルが、今回ぼくが試泊した関内駅前の「OMO7横浜 by 星野リゾート」だ。しかし、このホテルを『新しいホテル』と呼ぶのは、少し抵抗感がある。なぜって? ここは、横浜の歴史そのものなのである。

建物は、長年横浜市民に親しまれてきた旧横浜市庁舎。その設計を手掛けたのは、日本モダニズム建築を代表する巨匠・村野藤吾だ。帝国ホテルほど華美ではない。丹下健三ほど自己主張もしない。村野建築の魅力は、人が美しく見える空間をつくることにある。劇場もホテルも百貨店も、彼の建築にはどこか人間味があり、柔らかく、そして色気がある。


だから旧市庁舎も「役所」らしくない。市民が集い、語らい、街と交わる「市民の社交場」の趣を持った建築だった。OMO7横浜は、その空気を実に丁寧に受け継いでいる。

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「待ち合わせは階段の下で」が似合うホテル

OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

▲ ホテルのシンボルともいえる大階段は、旧横浜市庁舎の市民広間で使われていたものを移設・再現したもの。重厚な踊り場や優美な手すりも受け継がれ、歴史ある建築の記憶を今に伝える。

館内へ入ると、まず目を奪われるのが優雅な大階段だ。まるでクラシックなグランドホテルのロビーのようでもあり、往年の豪華客船のメインホールのようでもある。ここに立つだけで自然と背筋が伸び、ジャケットのボタンを留めたくなる。

「待ち合わせは階段の下で。」

そんな約束が似合うホテルは、日本ではそう多くないと思う。

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さらに目を凝らせば、壁面のタイルや装飾、随所に残されたアートワークが、この建物の時間を静かに語りかけてくる。最近のホテルは新品でキラキラ美しい。しかし新品には、「時間」というラグジュアリーがない。

半世紀以上、人々を迎えてきたタイルの艶。手仕事の温もりを残す意匠。昭和モダニズムならではの穏やかな色気。ラグジュアリーとは価格ではなく、積み重ねられた時間なのだと教えられる。


そして、このホテルの真価は、建物の中だけでは終わらない。

むしろここからが始まりなのだ。

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一般的なホテルは、「館内でゆっくりお過ごしください」と誘う。しかしOMOは違う。

「街へ出掛けましょう。」

そう背中を押してくれるホテルなのである。スタッフは周辺を知り尽くした“OMOレンジャー”。おすすめのバーも、野毛ではしご酒をする仕儀も、締めに立ち寄る中華街の一軒も、ジャズライブの楽しみ方も教えてくれる。

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さらには宿泊者向けの「横浜レガシーウォーク」。ガイドブックを片手に歩く観光ではない。旧市庁舎を起点に、日本大通り、開港以来の近代建築、横浜三塔、馬車道へと続く道を、街を知り尽くした案内人と歩く。

キング、クイーン、ジャック——横浜三塔に秘められた物語。文明開化とともに生まれた都市計画。港町ならではの異文化の受容……。歴史は展示ケースの中にあるものではない。街角に残り、今も人々の暮らしの中で息づいている。

そのことを、この散歩は教えてくれるのである。

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夕暮れになったらジャケットを羽織って街へ

夕暮れになれば、ジャケットを羽織って野毛へ。焼き鳥で軽く一杯。二軒目はカウンターだけのバーでドライマティーニ。気分が乗れば横浜を嚆矢とするジャズクラブへ。そして夜風に吹かれながら、大さん橋まで歩く。

途中で見上げる横浜税関のクイーン、神奈川県庁のキング、横浜市開港記念会館のジャック。

ライトアップされた三塔は、港町の夜を優雅に見守る灯台のようでもある。

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部屋へ戻る前に、屋上のHAMAKAZEテラスへ寄るのも忘れたくない。名前の通り、ここでは港から吹く風が主役だ。高層階から夜景を見下ろす贅沢もいい。だが、大人になるとわかるのだ。風を楽しめる場所のほうが、ずっと記憶に残る。グラスを片手に港風を味わう。それだけで横浜という街と少し仲良くなれた気がするだろう。

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ここは「横浜を遊び尽くすためのクラブハウス」

OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

▲ 横浜らしい1日の始まりは、湯気の立つ点心から。朝食はライブキッチンで仕上げる点心や卵料理、焼きたてのパン、彩り豊かなサラダなど、和・洋・中の魅力を織り交ぜたビュッフェ。

翌朝は、ぜひランニングシューズを履いてほしい。ホテルを出て、みなとみらい、臨港パーク、赤レンガ倉庫、大さん橋、山下公園へ。海沿いをつなぐベイエリアは、日本でも屈指の美しいランニングコースだ。大型客船を横目に潮風を吸い込み、観覧車を眺めながら走る。観光客で混み合う前の港は驚くほど静かで、美しい。


その時間を知っているだけでも、「横浜に泊まる理由」が一つ増える。そう考えると、OMO7横浜はホテルというより、「横浜を遊び尽くすためのクラブハウス」なのかもしれない。


村野藤吾という日本建築界のダンディが遺した建築に身を置き、レガシーを感じる空間で寛ぎ、街を知る達人に案内され、夜は野毛や中華街へ繰り出し、翌朝は港を走る。本当に洒落た男は、目的地を巡るのではなく、その街と思うさま付き合う術(すべ)を知っている──。

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OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

◆林 信朗(はやし・しんろう)

『mcSister』『25ans』『MEN’S CLUB』『Gentry』など数々の男女ファッション誌の編集長をつとめ、現在は、フリーでファッション誌、機内誌、web、新聞などでメンズファッションやグルメとお酒、映画について健筆を振るっている。

OMO7横浜 林信朗 星野リゾート

◆OMO7横浜 by 星野リゾート(おもせぶん よこはま ばい ほしのりぞーと)

住所/神奈川県横浜市中区港町1-1-1

予約・問い合わせ/050-3134-8095 (OMO予約センター)


宿泊料金/1泊1室36000円~(2名利用時、食事別、税込)

アクセス/JR根岸線「関内」駅徒歩1分、横浜市営地下鉄ブルーライン「関内」駅徒歩1分、横浜高速鉄道みなとみらい線「日本大通り」駅徒歩7分


https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo7yokohama/

休日はこちらへの美食旅、いかがでしょ?

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