• TOP
  • STAY&TRAVEL
  • スタートのドアマン、終わりのドライバー。「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」を支えるオヤジたちの情熱が美しい

2025.07.13

スタートのドアマン、終わりのドライバー。「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」を支えるオヤジたちの情熱が美しい

創業115年の歴史を誇る「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」。このホテルの居心地に魅了されるゲストは数知れず。高いホスピタリティを叶えるスタッフたちの象徴となる、ベテランの姿を追った。

BY :

文/大石智子(ライター)

オーケストラのひとりひとりがプロフェッショナル

マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
「ホテルとはオーケストラのようなもの」

これまで、そんな話をホテル関係者とする機会が複数回あった。帝国ホテルの元社長・小林哲也氏の言葉であるようだ。オーケストラはひとりひとりが奏でる音が重なり合うことで、素晴らしい演奏が完成する。様々な役割が集合するホテルも然り。そして、人の心を動かす。簡単なことではない。

今年春、オーケストラの例えがその通りだと、マドリードのホテルで実感した。「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」。伝説のホテル王セザール・リッツが生み出した、世界に3軒しか現存しない“Ritz(リッツ)”の名を冠するホテルのひとつだ。なお、「ザ・リッツ・カールトン」は、“Ritz”に感銘を受けて命名された別ブランドである。
創業は1910年。プラド美術館まで徒歩3分という超一等地に立つそのホテルは、スペイン国王アルフォンソ13世がセザール・リッツに指揮を依頼して誕生した。ヨーロッパを広く旅し、数々の最高級ホテルを体験した国王は、マドリードを他のヨーロッパの首都に負けない都市にするべく、世界中のVIPをもてなす迎賓館ホテルが必要と思ったのだ。
PAGE 2
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 20世紀初頭のマドリードの発展をかけて誕生したホテル。
既に「リッツ パリ」などに魅了されていた国王は、セザール・リッツの会社の大株主になってまでホテルプロジェクトを完遂しようとした。結果、当時の贅と職人技を尽くしたベル・エポックの建築が出来あがった。文化遺産とも言えるこの建物を未来に残すべく、2015年からはマンダリン オリエンタル ホテル グループが運営を引き継いでいる。

歴史深いホテルには、熟練のスタッフがつきもの。それが、「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」には多かった。滞在するうちに、次から次へといぶし銀の新キャラが登場する。彼らはスペイン人らしく一様に陽気でお喋り。いかにこのホテルを愛し、自分の仕事を誇りに思っているか私に伝えた。帰国してもその姿が印象に残っているので、代表するオヤジたちについてお伝えしたい。
PAGE 3

ドアマン歴30年/イヴァン・ガルシア

「このホテルの扉の前が、私の人生そのものです」

長いフライトなどを経て、すべてのゲストがホテルで最初に会うのがドアマンだ。「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」で言えば、イヴァン・ガルシアがそのひとり。長身でレイヴァンの眼鏡が似合う、今年でドアマン歴30年になるオヤジである。

イヴァンがこのホテルのドアマンとして働き出したのは、1995年の10月11日。18歳になる年だった。青年はごく自然な流れでここに立つことになる。
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 雨の早朝にイヴァンが貸出傘を渡してくれたことが、この取材のきっかけ。
PAGE 4
「実は近所に住んでいたのです。両親は私によく言っていました。“あのホテルには色んな国の人たちがたくさん来る。おまえはいつも喋っているし、ホテルで人と接する仕事を好きになると思うぞ”と。自分もそんな気がして、16歳になった時、このホテルのコンシェルジュに、“あと2年したら、ここで働かせてください”と伝えてみました。名前と住所を聞かれたので、“ここから500mの場所に住んでいます”と答えたんですよ」
2年後、イヴァンは本当にホテルに呼ばれた。所作が綺麗で明るい、青い瞳の青年。「彼はいいドアマンになるだろう」との判断を受け、ドアマン人生が始まる。

「初日のエントランスでのことをはっきり覚えています。自分はなんて美しい場所に立っているんだと感激して、初めの一週間は密かに泣きっぱなしでした(笑)。静謐で完璧な場所。人としての様々なことを、この扉の前で学んでいくのだと実感しました」

それから30年。「いまもゲストの数だけ学びがあります」という。例えば、「馴染みの企業の皆さんは、重役の方も、“やあイヴァン、元気かい? 家族は元気か?”と気さくに声をかけてくれます。そういった気遣いの言葉は、社会人として非常に尊敬すべきところです」と話す。
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ ドアマンのコートは、スペインの伝統的な衣装に着想を得たケープが特徴。このユニフォームを手がけたのは、ロエベなどでキャリアを積んだホルヘ・バスケス。ドイツのハノーファー家に嫁いだアレッサンドラ妃のウェディングドレスを仕立てたことでも知られる。
PAGE 5
イヴァンにとって、日々、目の前の景色が変わらないことは“平和”を意味する。外の様子を見て何か異変がないかにも気を配り、美しくないものが転がっていたら拾う。それがゲストの目につくのが嫌で、自分のせいではなくても一番近くにいるからだ。

変化で言えば、この30年でマドリードの夏はかなり暑くなり、ドアマンの仕事は厳しくなった。「こんなに温暖化を感じる仕事はない」と笑う。なお、夏は随時エントランス隣の屋内ホールに入れるなど、涼しく過ごせる考慮もされている。
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 最初の扉を抜けて目に飛び込むロビー頭上のアートは、マドリードの紋章に描かれている地元種のイチゴの木を中心とした植物をエッチングしたもの。真鍮仕上げの煌めきと床に移る影絵が美しい。
PAGE 6
長い年月を「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」の扉の前で過ごしてきたイヴァンに、ドアマンとして大切にしていることを聞いた。

「ドアマンはホテルの第一印象。そして第一印象はフィーリングで決まります。だから私はゲストの目を見て、“ここはあなたの家です”ということを視線で伝えようと努めています。なかには緊張している方もいるでしょう。そういったゲストには、滞在の始まりから安心していただきたい。愛を込めて、目を見ています。本当にお客様を愛しているからです」

仕事への熱量がむんむんと伝わってくる。まさに情熱の国のドアマンだ。

「このホテルの扉の前が、私の人生そのものです。私の仕事と人生を誇りに思っています」
PAGE 7

ドライバー歴41年/アルヴァロ・サンチェス

「リッツ マドリードは私のセカンドハウス。日々ステキなお客さんに出会える、とても幸せな仕事です」

「彼はベストドライバーだよ」とドアマンのイヴァンが言って登場したのが、ドライバーのアルヴァロ。ドライバー歴を聞くと「もう41年もドライバーをしています」と言い、意外な展開が続く。

「実は、来年引退します。私は年をとりすぎて、いま64歳なんですよ。でも、本心では引退したくありません。なぜなら、リッツ マドリードは私のセカンドハウスだから。ドライバーとして働くのにとっても幸せな場所だからです。正直、私はまだまだ運転できると思っています。運転に必要なトレーニングだって続けていますし、何より運転は私の情熱だから。でも、国の決まりだから仕方ありません」
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 日本でも2021年1月に発売されたメルセデス・ベンツのSクラスを運転するアルヴァロ。
PAGE 8
アルヴァロはスペイン人の父とコロンビア人の母の間に、コロンビアで生まれた。その後、すぐに家族は米国に移住。高校卒業後はメルセデスのスクールに通ってレーサーとなったがドライバーに転向し、30年前から父の故郷マドリードで運転を続けている。「レースを体験し、本当のスピードを知ったことで、同乗者がいる時にリスクのある運転をすることがいかに愚かかも学びました」と、当時の経験がいまも生きる。

マドリードの国際空港から「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」まではクルマで20〜25分。アルヴァロはスペイン語にイタリア語、英語、少しのポルトガル語を話し、日々、世界中のゲストとコミュニケーションをとる。車中は自然な会話が生まれやすく、実はドライバーは宿泊ゲストと話す時間が最も長い役割のひとりだ。

「時には驚くような会話が耳に入ってくることもあります。もちろん誰にも言いませんが」と、存在を潜め、車中を議論の空間としてもらうこともある。欧州のドライバーならではの、こんな話も。
「ホテルからミラノまで16時間運転したことがあります。気候などいろいろな理由が重なってゲストが飛行機に乗れなかった場合も、ヨーロッパでは陸路で帰る方法があります。私たちは飛行機のビジネスクラスのような席を備えたクルマも持っていますから、ゲストは車中で眠ることができます」
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ プラド美術館、ティッセン・ボルネミッサ美術館、レイナ・ソフィア近代美術館が集まる“芸術のゴールデン・トライアングル ”に位置するホテル。
PAGE 9
時に、その仕事は送迎だけに収まらない。

「あるひとりの映画俳優を乗せる機会がありました。著名人を乗せることも多いですが、そのなかでも彼はとても有名で本当に優しかった。当時、彼は母親と一緒に来ていて、“アルヴァロ、ひとつお願いがある。母親にスペインの色んな教会を見せてあげてほしいんだ”と私に言いました。いくつかの美しい教会へ彼の母親を連れていくと、彼らはとても喜んでくれました。その様子に私も嬉しくなりましたし、母親とふたりで出かけていましたから、私を信頼してくれたことも嬉しかったです」

そして多いのが、地元のレストランを聞かれること。筆者もクラシックに絞って聞いてみたところ、郷土料理のコシード・マドリレーニョ(マドリード風シチュー)なら「LA BOLA」、魚介なら「O’Pazo」、米料理なら「Casa Benigna」との返答。未知の3軒を帰国直前の空港に向かう車中で聞いたので、マドリードに再訪したい気持ちが強まった。できればアルヴァロが引退する前にもう一度送迎を依頼してみたい。

「日々ステキなお客さんに会える、とても幸せな仕事です。私はドライバーとして、自分の人生を通し、運転とは何かを学べたことがとても幸せです」
PAGE 10

ホテル業界歴39年/総支配人ロバート・ロウ

「社内食堂では、ハウスキーピングや接客チームなど現場の人間と一緒に座るようにしています」

マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 「学生時代やんちゃで、みかねた両親にイギリスの寄宿学校に5年送られました。だから英語が上手なんです(笑)」と、フレンドリーに話す総支配人。
PAGE 11
いぶし銀のスタッフたちを統括する総支配人もまた、熟練だ。2023年11月から総支配人を務めるのは、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれのロバート・ロウ。ホテル業界に入って39年、マンダリン オリエンタル ホテル グループに入って26年。マドリードの前はマイアミやNYの総支配人を任されていた。ラグジュアリーホテルを深く知るロバートに、「いま、このホテルで最も喜びを感じる瞬間とは?」と聞くと、スタッフの話に繋がった。

「お客様が、本心から、純粋に、“ここが世界で一番好きなホテル”と言ってくれた時です。何回かあり、一番好きな理由のほとんどがスタッフなのです。このホテルには20年や30年以上勤めているスタッフがたくさんいて、彼らは自分の仕事に情熱を持ち、ゲストへのケアが素晴らしい。私のキャリアで最も熟練のスタッフが多いホテルです」
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 国王がつくったホテルという印が客室前のカーペットにも見られる。
PAGE 12
サービスがよいホテルに往々にして言えるのが、スタッフ自身の毎日が幸せで気持ちに余裕があること。気持ちよく働ける環境とするため、組織として整えていることもあるのでは?

「例えば、社内食堂では朝昼夕食を提供し、もちろんフリーです。選択肢も十分にあって、とても美味しいですよ。スープやサラダバーに、3種類の前菜と3種類のメイン料理。温かでフレッシュな料理を食べることは、働くうえでとても重要なことです。毎日ランチを買っていたら高くつきますし、家族食堂みたいなものです。ここで夕食をとってから家に帰るスタッフもいます。そして、社内食堂では異なる部署の人たちと相席して交流することを奨励しています。私を例にあげますと、飲食部長や財務部長など、そういう役職の人とは絶対に同席しません。ハウスキーピングや接客チームといった普段会話をする機会の少ない現場の人間と一緒に座るようにしています」
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 「テラス スイート」の寝室。
PAGE 13
快適に働けるからこそ、2世代で働くスタッフも生まれやすい。現コンシェルジュの父は同ホテルの飲料部に勤めていた。そのためコンシェルジュは子供の頃、よくホテルに来ていたとか。昔、従業員の子供のためのホリデー・パーティーに参加し、いまは自分の子供をそのパーティーに連れて行く。

ファミリー感が、風通しのよさに繋がる。「スタッフひとりひとりの意志をくみ取り、伸び伸びと働ける組織づくりを心がけています」と話す総支配人の理想を叶えるには、オープンな関係性が必須だからだ。

「その人が企業でキャリアを積みたいと言えば、私たちは彼をキャリアアップへと導きます。でも、長く働いている尊敬すべきスタッフには、いまの仕事を全うしたい人もいます。人それぞれ、異なる方法で能力を輝かす必要があります。そのためにも、スタッフのことをよく知り、彼らがホテルから何を得たいのかを理解するように努めています」
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ プラド通りの緑を見渡す「マンダリン スイート」のバルコニー。
PAGE 14

料理人歴39年/キケ・ダコスタ

「歴史あるホテルでの華やかな気持ちを後押しするような料理を」

マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ バレンシアの風土と世界各国の料理にインスピレーションを受け、新たなバレンシア料理を生み出し続けるキケ・ダコスタ。現在、自身の店3軒でミシュランの星を計7つ獲得。
最後にご紹介する熟練オヤジは、ここを美食ホテルへと押し上げるシェフ、キケ・ダコスタ。1972年にスペイン東部の小さな街ハランディージャ・デ・ラ・ベラに生まれたキケ・ダコスタは、わずか14歳で料理の道に入り、20代にはバレンシアを拠点にスターシェフになっていた。スペイン南部デイアにある「QUIQUE DACOSTA」ではミシュランの3つ星を獲得し続け、2024年の「世界のベストレストラン50」では世界14位にランクインした。

そんなキケ・ダコスタが、2021年の「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」のリニューアルオープンに伴い、ホテルの食を指揮するディレクターに就任。実はその6年も前から、改装プロジェクトに参加し、「歴史あるこのホテルで、愛と責任をもって、革新と伝統を融合させたい」と、スタイルを確立していった。
PAGE 15
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ プロデュースする菓子箱の前にパネルが立つほどの人気シェフ。マドリードへは不定期で現場に訪れる。
かくして新たな3つのレストランと2つのバーが誕生。キケ・ダコスタはメニューを提供または監修した。すると看板レストランとなる「DEESSA」は開業7カ月でミシュランの1つ星を獲得し、現在は2つ星に昇格した。

以下、ホテル内のレストランを3軒紹介する。
PAGE 16

■ 2つ星レストラン「DEESSA」

マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ まるで宮殿のような空間の「DEESSA」。
「DEESSA」に着くと、まずは季節を表す庭のようなキッチンテーブルで迎えられ、歓迎の挨拶から非日常ダイニングへと誘われる。そこでイベリコ・ベジョータの濃厚なカプチーノを立ち飲みしたら席へ。いよいよ始まるコースは、キケ・ダコスタのポートレイトの印象と似たものだった。貫禄があり、ゴージャスで、艶やかなのだ。

豚の旨味を存分に表すクリームブリュレは金箔付きでスプーンも金色。豪華な流れのなかで効いていたのが、ビーツとディルのスープにケフィア(発酵乳飲料)のアイスクリームを合わせた一品だった。一変して繊細で爽やかな風が吹く。そうかと思えば、自家製カラスミやスペイン産キャビアを並べた魚卵盛り合わせで再びゴージャスに。2つ星を獲得するレストランはサービス精神に溢れ、記念日利用するマドリード市民も少なくないとか。
PAGE 17
「段々とDEESSAのオリジナリティが強くなっていますが、魂はデニアにあります」とスーシェフ。キケ・ダコスタが長く過ごす街の魅力をマドリードでも表す。スーシェフ考案のレシピもまた冴え、最後、デザート2品が素晴らしく美味しかった。スペイン人の若手女性パティシエによるもので、オレンジブロッサムとアーモンドヌガーなど、組み合わせのセンスにときめく。
PAGE 18
PAGE 19

■ 2つ星に負けないランチを提供する「PALM COURT」

マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ アフタヌーンティーやランチに人気の「PALM COURT」。2021年の大改装で、80年間失われていた天井が、セザール・リッツの当時の図面に従って復元された。
気軽にコースを味わえる「PALM COURT」には、日本人の食べ慣れた人が好む料理が揃っている。噛み締めるほど旨味の出るセミドライトマトの前菜は、カヴァ泥棒。“赤い悪魔”と呼ばれるカラビネーロ海老のカルパッチョは、まさに魔性の美味しさ。いずれも骨太な余韻があり、ここにもキケ・ダコスタのエスプリが効いている。
PAGE 20
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ セミドライトマトの前菜。
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ カラビネーロ海老のカルパッチョ。
PAGE 21

■ パエリアが絶品の「EL JARDIN DEL RITZ」

マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 中庭に位置する「EL JARDIN DEL RITZ」。
キケ・ダコスタが拠点とするデニアはバレンシアからクルマで1時間ほど南に位置し、バレンシアといえばパエリア発祥の地。そんな背景もあって、テラスレストラン「EL JARDIN DEL RITZ」は現地らしい鶏と野菜の出汁で炊くパエリアが絶品だ。炊き立ての米を、風が気持ちいい季節にテラスで食べる幸せを味わってほしい。

そして、デザートはマドリード伝統のすみれキャンディから着想を得たデザート。すみれの可憐な香りがヨーグルトのフォームと相性別群。懐かしさと洗練が同居するデザートに仕上がっている。
PAGE 22
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 鶏とインゲンのパエリア。
PAGE 23
以上が、「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」を支える熟練オヤジたちの仕事ぶり。今回はオヤジ括りだったものの、ベテラン女性スタッフも、若いスタッフたちもプロフェッショナル揃い。情熱溢れる先輩が多ければ、若いスタッフの育成が確かなのも自然な流れ。そもそも、このホテルは国王のマドリードへの情熱が発端で生まれた。115年、国王の想いを引き継ぐがごとく、ホテルには真摯な空気が流れている。マドリードの拠点とするに、これほど街に根づいたホテルはないはずだ。
マンダリン オリエンタル リッツ マドリード   大石智子 WebLEON
▲ 長く大切に使われている銀食器があるホテル。
PAGE 24

■ マンダリン オリエンタル リッツ マドリード

宿泊料金/1泊€900〜(税別)
HP/https://www.mandarinoriental.com/en/madrid/hotel-ritz

大石智子(ライター)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

こちらの記事もオススメです

PAGE 25

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        スタートのドアマン、終わりのドライバー。「マンダリン オリエンタル リッツ マドリード」を支えるオヤジたちの情熱が美しい | 旅行 | LEON レオン オフィシャルWebサイト