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2021.09.18

乃木坂46は、セカンドキャリアでもAKB48を超える!?

20代半ばでグループから巣立ったその後には、アイドル時代よりも遥かに長いセカンドキャリアが待っているもの。そんな中、この夏クールの連続ドラマに元乃木坂46の女優が10人も登場したことに注目。果たして、彼女たちの中から女優として花開いていくのは何人でしょうか。

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文/小林 偉(メディア研究家)

記事提供/東洋経済ONLINE
7月にスタートしたテレビ東京系の番組『乃木坂に、越されました~AKB48、色々あってテレ東からの大逆襲!』が、各方面で話題を集めています。

AKB48の現役メンバーたちが自らの現状や課題を、「2ちゃんねる」の創設者として知られる実業家のひろゆき(西村博之)氏にブツけ、共に解決策を見出していくという番組。

「世間からはオワコンと思われている」「自分たちには話題性がない」など、メンバーから飛び出す意見は自虐的ながら率直なもので、彼女たちの真剣さが伝わってくる一方、アイドルグループを続けていく難しさも垣間見られる点は、賛否を含みながら、ファンの間でもテレビ業界内でも注目されています。

そのAKB48を「越した側」とされている乃木坂46は、8月21日で結成からちょうど10年の節目となりました。今年だけで6名もの卒業(予定を含む)メンバーを出すなど、こちらはこちらで転換期を迎えていますが、グループそのものは依然好調さを持続。7月下旬からは「新メンバー(5期生)募集」が開始され、現在審査中。この後、オーディションを経て、12月には新メンバーが発表される予定となっています。

さて今回は、こうして様々に転換点を迎えている“女性アイドル”の、グループとして、個人としての芸能人生における寿命と、そのセカンドキャリアというテーマで考察してみたいと思います。
白石麻衣
▲ 近年女優としての活躍がめざましい乃木坂46元メンバー白石麻衣さん。(写真提供:週刊女性)
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時代とともに変わる「アイドルの形」

かつて女性アイドルと言えば、山口百恵、松田聖子、中森明菜、小泉今日子、キャンディーズ、ピンク・レディーなどなど個人もしくは少人数で活動するものでしたが、現在ではこうしたアイドルは極わずか。ご承知の通り、近年は大所帯グループに所属しての活動が主流となっています。

ここで、現在に至るまでの流れを整理してみましょう。

“源流”となったのは、1985年に結成された「おニャン子クラブ」でしょう。生みの親はAKB48や乃木坂46と同じ、秋元康氏。社会現象となるほどの人気を博したものの、その活動期間はわずか2年6ヵ月! しかも、デビューから解散まで在籍したメンバーは1人だけという出入りの激しさもあいまって、アイドルグループとしての寿命は非常に短いものでした。振り返ってみると、秋元氏にとって大いなる実験の場だったのかもしれません。

この「おニャン子クラブ」の解散から10年後の1997年に誕生したのが、「モーニング娘。」です。

こちらの仕掛け人はご存知、シャ乱Qのつんく♂氏。20世紀末から21世紀初め頃にかけて世を席巻し、また「ハロー!プロジェクト」として数多くの派生グループ、ユニットも生み出しましたが、人気メンバーの卒業・脱退に伴い、次第に失速。現在も「モーニング娘。’21」をはじめ、「ハロプロ」は活動を継続していますが、アイドルグルーブとして全盛期ほどの勢いはありません。

モーニング娘。の失速と交錯するような形で、2005年12月に誕生したのが、AKB48。今年末で結成16年。また、この間に、SKE、NMB、HKTなどの派生グループも続々誕生しているのはご承知の通りです。

そして前述したように、乃木坂46が今年で結成10年。さらに“坂道グループ”として欅坂46(現・櫻坂46)、けやき坂46(現・日向坂46)も相次いで誕生しています。

もちろん、この他にも功成り名を遂げたアイドルグループは数多くありますが、広く世間的な認知度などを鑑みるに、代表的存在と言えるのはおニャン子、モー娘。、AKB、乃木坂の4組ではないでしょうか。
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4大アイドルグループの在籍期間

こうしたグループの原動力は、当然個々の人気メンバー。そしてグループとしての人気が失速していくのが、中心メンバーの卒業(脱退)がキッカケとなっているのも事実。そこで、主要グループに於ける中心メンバーの在籍期間と卒業時の年齢を調べてみました。

【おニャン子クラブ】
グループそのものの活動期間が2年6ヵ月ですから、全員がそれ以下。ちなみに在籍メンバーの総数は研究生なども含み55人で、卒業時最年長でも20歳でした。

【モーニング娘。】
オリジナルメンバーは5人。以下、カッコ内にグループ在籍期間/卒業時の年齢を記していきます。福田明日香(1年7ヵ月/14歳)、石黒彩(2年3ヵ月/21歳)、中澤裕子(3年7ヵ月/27歳)、安倍なつみ(6年4ヵ月/22歳)、飯田圭織(7年4ヵ月/23歳)。他の主な人気メンバーは、後藤真希(3年1ヵ月/17歳)、石川梨華(5年/20歳)、辻希美(4年3ヵ月/17歳)、加護亜依(4年3ヵ月/16歳)、矢口真里(6年11ヵ月/22歳)、保田圭(5年/22歳)、藤本美貴(4年4ヵ月/22歳)、高橋愛(10年1ヵ月/25歳)、新垣里沙(10年8ヵ月/23歳)、田中れいな(10年4ヵ月/23歳)、道重さゆみ(11年8ヵ月/25歳)などという具合。

加入時の年齢も関係しますが、平均すると、これまで6年5ヵ月の在籍期間で、21~22歳で卒業することが多いようです。

【AKB48グループ】
“神7”と呼ばれた初期の人気メンバー7人は、前田敦子(6年9ヵ月/21歳)、大島優子(8年2ヵ月/25歳)、篠田麻里子(7年6ヵ月/27歳)、板野友美(7年9ヵ月/22歳)、渡辺麻友(10年8ヵ月/23歳)、小嶋陽菜(11年4ヵ月/29歳)、高橋みなみ(10年4ヵ月/25歳)。その他の主なメンバーは、松井玲奈(6年10ヵ月/24歳)、島崎遥香(7年3ヵ月/22歳)、秋元才加(7年6ヵ月/25歳)、川栄李奈(4年9ヵ月/20歳)、指原莉乃(10年8ヵ月/26歳)、松井珠理奈(12年10ヵ月/24歳)、峯岸みなみ(15年5ヵ月/28歳)などという具合。また、柏木由紀(在籍期間14年5ヵ月超)のように、初めて在籍中に30歳を越えたメンバーも。

こちらは平均すると、9年の在籍期間で、24歳前後での卒業が多くなっています。
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【乃木坂46】
結成メンバーである1期生は34人でしたが、現在は6人(今秋に卒業を予定している高山一実を除く)。2期生は当初の14人から現在は5人。そして3期生12人からも初めて卒業メンバー(大園桃子/9月4日卒業)が出たため、結成から10年で38人のメンバーが巣立っていることになります(4期生は追加入含め16人全員在籍中)。

主な卒業メンバーでは、深川麻衣(4年10ヵ月/25歳)、橋本奈々未(5年6ヵ月/24歳)、生駒里奈(6年9ヵ月/22歳)、若月佑美(7年3ヵ月/24歳)、西野七瀬(7年4ヵ月/24歳)、衛藤美彩(7年8ヵ月/26歳)、桜井玲香(8年/25歳)、白石麻衣(9年2ヵ月/28歳)、堀未央奈(8年/24歳)、松村沙友理(9年10ヵ月/28歳)などという具合。今のところ、平均すると在籍期間7年、24~25歳で卒業というケースが多いですね。

結論。大所帯アイドルグループの中心メンバーはおおむね8年前後在籍、24歳前後が卒業時期というのが主。また近年は卒業時の年齢が少しずつ上がっている傾向が見て取れます。

こうして20代半ばでグループから巣立っていくアイドルが、その後も芸能活動を続ける場合、アイドル時代よりも遥かに長いであろうセカンドキャリアが彼女たちを待っています。

過去の例を見ると、タレント、女優、モデルに転身するパターンがほとんど。意外なほど、ソロの歌手として活動する方は少ないです(グループ時代からソロが主だった「おニャン子クラブ」は除く)。

そして、息長く活躍できる方が少ないのも悲しい現実。上掲のグループですと解散から30年余りの「おニャン子クラブ」からの国生さゆりや渡辺満里奈、生稲晃子などはレジェンド級として、「AKB48」卒業後に女優としてコンスタントに活躍している前田敦子や大島優子、在籍時より知名度を上げたとも言える川栄李奈、そして今をときめくバラエティの女王=指原莉乃などが、芸能界で相応のセカンドキャリアを飾っている数少ない成功例です。
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元乃木坂46の挑戦

そんな中、この夏クールの連続ドラマで特筆すべき事態が!

『漂着者』(テレビ朝日系)に白石麻衣、『ハコヅメ~たたかう!交番女子』(日本テレビ系)に西野七瀬、『プロミス・シンデレラ』(TBS系)に松村沙友理(このドラマには、一時乃木坂に“交換留学生”として在籍していた松井玲奈も)、『お耳に合いましたら。』(テレビ東京系)に伊藤万理華、『サレタガワのブルー』(TBS系)に堀未央奈……さらに『シェフは名探偵』(テレビ東京系)の第1話に井上小百合、『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京系)第1話に永島聖羅、『八月は夜のバッティングセンターで』(テレビ東京系)第4話に深川麻衣、『お耳に合いましたら。』第6話には桜井玲香が出演し、伊藤万理華と共演……という具合に、元乃木坂46の女優が一斉に10人も登場してきたのです。

乃木坂46の卒業メンバーは他グループより女優志向が高い傾向にあるものの、同じグループに在籍していた元アイドル女優がこれだけ大挙して、同時期に複数のドラマへ出演したのは異例中の異例、過去にはなかったことです。

「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」とは、作家・林芙美子記念館が遺した言葉。前述の如く、アイドル卒業後のセカンドキャリアが厳しいのは、先人たちの足跡を見れば明らか。ターゲットとする客層が大きく広がるワケですから、それなりのスキルが必要なのは自明の理です。

その中で新たな領域を目指そうとしている元乃木坂46たちの挑戦。

この他にも、若月佑美や能條愛未、伊藤純奈なども女優に転身しています。もちろん、セカンドキャリアでの成功には様々な形があるものの、彼女たちの中から何人が女優として花開いていくのか、見守っていきたいと思います。
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です
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