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2017.06.22

渡辺祐が選ぶ。いま再び使いたい!? 昭和でエロい「ブラコン」ベスト10

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選曲・文/渡辺 祐(編集者/ラジオ・パーソナリティー)

スムースでアーバン、そしてセクシー! それが昭和のブラコンだ。

くどく、漢字で書けば、口説く。洒落た台詞を巧みに操り、相手の機嫌を損ねず、時には懇願、平身低頭、土下座も辞さず……いや、そこまでじゃないか……いずれにしても口説き上手への道はなかなか険しいものであります。

その口説き道の険しさを緩和するためのワザとして昭和も終わりの頃の男性が盛んに活用したのが「BGMの効用」。特にブラック・コンテンポラリーと呼ばれたスムースでアーバンで、何よりセクシーかつドラマティックなサウンドはその王道。
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直接的な求愛フレーズもたっぷりで、まさに「使える音楽」。その音楽の力で空気を変えて、イキフンを鴨志田君。失礼。雰囲気を醸し出す、わけです。

2010年代も半ばを過ぎ、なんでもデジタル化する現代において、アナログ派の最後の砦とも呼べるのが「雰囲気」でありましょう。そこで、たとえそこがどこであろうと、その場の空気のセクシー濃度を一気に(しかもちょっと恥ずかしいぐらいに)高めてしまうことができる、めくるめくメロウ・ナンバーを10曲セレクト。そういえば「ムードを出す」なんて言葉も死語になりましたなあ。
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1)TEDDY PENDERGRASS「TURN OFF THE LIGHT」

(1979年/アルバム『TEDDY』収録)
マーヴィン・ゲイと並んで、セクシー・ヴォーカリストの代名詞だったテディー・ペンダーグラス。なにしろ歌い出しが「灯りを消して」です。そして「一緒にシャワーを浴びよう/カラダを洗ってあげるよ」と続きます。きゃあきゃあ。

このテディ・ペンは、他にも「ラヴ T.K.O.」など、この路線のナンバー多数。フィラデルフィア・ソウルと呼ばれる甘くゴージャスなサウンドを生み出した名匠、ギャンブル&ハフのコンビによるメロディー&アレンジのスムースさも最高です。

2)RAY PARKER Jr. & RADIO「A WOMAN NEEDS LOVE(JUST LIKE YOU DO)」

(1981年/アルバム『A WOMAN NEEDS LOVE』収録)
「ゴーストバスターズ」の人としても有名なレイ・パーカーですが、寝技、いや、得意技はメロウなナンバー。元々ギタリストとしてキャリアをスタートさせた方ですが、やや出力弱めなヴォーカルがその魅力を高めております。

この「やや出力弱めのヴォーカル」のゆらぎ成分も、セクシーに欠かせない一要素かも。ちなみにジャケットで流し目をきめることが多いのは、ご本人もそのあたりがよくわかってらっしゃるからですね。
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3)THE ISLEY BROTHERS「BETWEEN THE SHEETS」

(1983年/アルバム『BETWEEN THE SHEETS』収録)
セクシーなソウルと言えば、はずせないのがアイズレー・ブラザーズの「ビットウィーン・ザ・シーツ」。はじめて聴いたときには「シーツの間で?」と日本式の布団を想起して意味がよく分からなかったボク。

アルバム名でもありますが、そのアルバム名も含めて邦題は『シルクの似合う夜』。なかなかうまい。直訳じゃあタイトルになりづらいものなあ。同アルバムに「チュージー・ラヴァー」というこれまた使えるナンバーもあります。こっちは邦題「愛の香り」。

4)JAMES ROBINSON「GUILTY」

(1987年/アルバム『GUILTY』収録)
有名曲が続きましたので、マニアックなところをご紹介。ジェームス・ロビンソンさんという、ジャケット写真では白の上下にサングラスをキメて「いかにもモテそう」なシンガーが歌っております。

この方は、出力は強めの、いわゆる「歌えるヴォーカリスト」ですが、歌い上げをタメてこらえた前半から、後半に向かってぐっとドラマが深まる感じに「そうくるよねー」と思わず膝を叩きます。80年代後半、ニュー・ジャック・スウィングが全盛になる直前の佳作。
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5)BABYFACE「LOVERS」

(1987年/アルバム『LOVERS』収録)
TLC、BOYZ II MENなどなどのプロデュース/曲提供で知られるビッグネーム、ベイビーフェイス(個人的には童顔先生と呼んでおります)。グループでの活動後に発表したソロ・アルバムに収められたこの「ラヴァーズ」は、曲冒頭はいきなり囁くようなセクシーな男女の会話です。

あはは、なんたる直接的表現。こうした寸劇や効果音(雨音とか電話のベルとか)を曲の冒頭に投入するのもR&B/ソウルの王道演出。どんだけドラマチックやねん、と意味もなく関西弁でツッコミつつ。

6)KEITH SWEAT「IN THE RAIN」

(1987年/アルバム『MAKE IT LAST FOREVER』収録)
80年代末にデビュー、ニュー・ジャック・スウィングの波にも乗ってスターとなったキース・スウェット。アルバムの表題でもあるデュエット曲「メイク・イット・ラスト・フォーエヴァー」も素晴らしいのですが、ここはあえて名曲のカヴァー「イン・ザ・レイン」(オリジナルはドラマティックス)。

なにしろオリジナルのマナーにのっとった雷鳴&雨音でオープニング。ジェームス・ロビンソン同様、後半に向けてドラマをぐいぐい盛り上げる系。オリジナルに比べても濃い目の仕上がりで使えます。
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7)LUTHER VANDROSS「ANY LOVE」

(1988年/アルバム『ANY LOVE』収録)
ことアメリカで「セクシー」といばこのお方でしょう、ルーサー・ヴァンドロス。それはもう無数のスムース&メロウ・ソングがありますが、ここはあえて直球。グラミー賞にもノミネートされた1988年の特大ヒット・アルバムのタイトル・チューン。

曲はルーサーとマーカス・ミラーの手によるものですが、そのマーカスも含めて、腕っこきを集めた音作りがとにかく丁寧で美しいのがルーサーのアルバムの特徴。逆にさらっと聴けるところに凄味あり。それをプロの仕事と呼ぶ。

8)AL B. SURE!「KILLING ME SOFTLY」

(1988年/アルバム『IN EFFECT MODE』収録)
アル・B・シュア! と名前に「!」が付いているという珍名さんですが(どんな紹介だ)、歌声も個性的。どちらかと言えば出力弱い系。その風情のまま歌う「キリング・ミー・ソフトリー」がなかなかのイキフン、失礼、雰囲気を鴨志田君。

原曲はもちろん、ロバータ・フラックの「やさしく歌って(Killing Me Softly with His Song)」。こういうときに「もちろん」と書いていいのか迷う時代になりました。「フージーズでもおなじみの」の方がよかったかな(←それも微妙という説も)。
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9)ALEXANDER O'NEAL「MY GIFT TO YOU」

(1988年/アルバム『MY GIFT TO YOU』収録)
80年代に一世を風靡したと言っても過言ではない、ミネアポリスが生んだもうひとつの才能、アレキサンダー・オニール。ミネアポリスの朋友、ジャム&ルイスがプロデュースした初期のアルバムも素晴らしいんですが、ここはあえて季節感を無視してクリスマス・ソングをセレクト。

この「マイ・ギフト・トゥ・ユー」も入ったアレックス(通称です)のクリスマス・アルバムは、今でもワタシの年末の選曲定番。12月頃にお使いください。

10)GERALD ALSTON「SLOW MOTION」

(1990年/アルバム『OPEN INVITATION』収録)
このナンバーは1990年、つまり正確には「平成」のナンバーなんですが、セクシーをテーマに選曲してこのナンバー(&アルバム)ははずせません。ジェラルド・アルストンさんはマンハッタンズのリード・シンガーとしてヒットを出した後、ソロとして活躍。

この「スロー・モーション」は、「ん、んーん」というセクシーな唸り声から始まって、歌詞の冒頭が「灯りを消してもいいよ」ですよ。きゃあきゃあ。ということで、ここまで聴いたらテディー・ペンダーグラスに戻ってもう一回戦。
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● 渡辺祐

エディター/ライター。自称「街の陽気な編集者」。編集プロダクション「ドゥ・ザ・モンキー」代表。FM局J-WAVEの土曜午前の番組『Radio DONUTS』ではナヴィゲーターも務めている。

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