2026.11.03
第21回 真木よう子【vol.02】
美しい人、真木よう子。「法律婚じゃないから愛がないということもないし、私たちには事実婚のほうががいいと思いました」
大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。今回ご登場いただいたのは真木よう子さんです。10代でのデビュー以来、類稀な演技力で常に観る者の心を鷲づかみにしてきた真木さん、昨年43歳で第2子を出産後も次々と話題作に出演。その激しさと切なさを併せもった独特な美しさの秘密とは? 第2回をお送りします。
- CREDIT :
写真/野口貴司 スタイリング/藤井希恵 ヘアメイク/石川美幸 文/渡邉朋子 編集/森本 泉(Web LEON) プロデューサー/Kaori Oguri

多くの俳優やタレントをプロデュースし、自身女優でもある小栗香織さんをプロデューサーに据え、豊かな人生経験を持つ女性たちの、内面から醸し出される“大人の美しさ”に迫る、ファッションと融合した新しいグラビア企画「美しい人」。
今回ご登場いただいたのは俳優の真木よう子さんです。10代で仲代達也さん主宰の無名塾に入るとすぐに頭角を現し、以降、類稀な演技力で常に観る者の心を鷲づかみにしてきた真木さん。昨年43歳で第2子を出産後もすぐに復帰し、変わらぬ存在感で活躍を続けています。その激しさとはかなさを併せもった独特な美しさの秘密に迫る企画の第2回を送りします(第1回はこちら)。





▲ ドレス42万4600円、ネックレス11万5500円、ピアス6万6000円/すべてエトロ (エトロ ジャパン)
【Interview02】
お芝居も十分やらせてもらったし、26歳で子供ができたとわかった時点で女優はやめようと思っていました
── 真木さんは26歳の時に1人目のお子さんを出産されました。当時は役者としてさらにステップアップしていくタイミングでもあったと思いますが、役者としてのキャリアと一人の女性としての生き方の間で、子供を持つことに迷いなどはなかったですか?
真木よう子さん(以下、真木) それは全然なかったです。あの頃、お仕事はいただいていたけれど、まだ全然売れてはいなくて認知度も低かったんです。だから、子供ができたとわかった時点で女優はやめようと思っていました。お芝居はもう十分やらせてもらったし、有名になるとか認めてもらうのが目標ではなかったので。事務所にはものすごく反対されたんですけど、新しい命の誕生となったら、そっちの人生にする!って、ちゃんとお母さんをやって生きていこうって思っていたんです。

▲ 右中指リング1万6500円/マナ ローザ ジュエル (マナ ローザ)、シューズ24万5300円/ジミー チュウ
── お芝居は好きでも未練はなかったわけですね。
真木 ただ、ここが私のバカなところなんですけど、本当に女優をやめて仕事を探そうと思ったら、中卒だと他にやれる仕事が限られていて、その時に初めて高校に行かなかったことを後悔しました。でも、そんな私でも本当にありがたいことに女優のお仕事をいただけていたんだと思って、そこで改めてちゃんと稼ぐには女優しかないと思い至った感じで。
── しかもそこからどんどん売れっ子になっていかれて。
真木 そう、長女が生まれてもお仕事をいただくようになって。長女はまるで、これで私を経済的に育てろと産まれてきたんじゃないかと思うぐらい(笑)。そこから『龍馬伝』や『SP』の映画などがあって「真木よう子」という名前が広まっていった気がします。
その分、両立はすごく大変でした。しかも最初は、お母さんをやりたいのに仕事に行かなきゃいけないという意識だったので、お芝居もしたいけど子供のそばから離れなきゃいけないことがすごくつらくて。当時はよく行政の窓口に電話して「子供と一緒にいられなくてつらい」とかすごく話を聞いてもらって、めちゃくちゃ慰めてもらっていました(笑)。

── 復帰されてからもいろんな葛藤があったんですね。
真木 当初はすごく考えていましたね。もちろん好きで始めた仕事ですけど、子供のために働くのではなく、「これが私の選んできた道だ」と堂々と言えるように、ちゃんとお芝居を好きになろうといろんな映画をたくさん見て、ちゃんと取り組もうとその時期で初めて思いました。
── お子さんへの思いや仕事に対する思いは変わってきたと思いますか?
真木 子供に対する思いはあまり変わっていないですけど、やっぱりずっとそばにいたいと思っちゃう。お仕事に関しては、この年齢になってくると自分を見てもらいたいというより、自分はこの作品の中のどのパーツなのか、私がどうすると見ている人がどう反応するのか、そういう自分の役割というものをすごく大切にするようになりましたね。

── 以前は自分を見てもらいたいという思いが強かったのでしょうか?
真木 若い頃はやっぱり認めてもらいたいとか承認欲求のような気持ちは絶対にありましたし、“私が、私が”みたいなところもあったと思うんです。でも歳とともに、いい意味でそこだけにこだわらなくなってきたというか。若い頃は「この役は私が一番わかってる!」みたいな感じで監督さんとかと衝突することもあったんですけれど(笑)。今は自分の解釈を押しつけないようになったし、プロであるからこそ矛盾を抱えながらも言われたことをどれだけやれるかみたいなことにチャレンジしています。
── そして昨年は2人目の女の子を出産されましたが、16年ぶりに出産を経験されていかがでしたか?
真木 第1子を産んだちょっと後ぐらいから第2子は絶対に産みたいと思っていたんです。というのも長女がめちゃくちゃ可愛いくて、子供によって人生が薔薇色になった感覚がしたので、待望の第2子です。
驚いたのは、お母さんの便利グッズがめちゃくちゃ増えていたこと。16年前にはなかった、あるいはあったとしても高くて買えなかったものがすごく安く手に入ったり、東京都から出産や育児のための助成金がもらえたり、いろいろな手当も厚くなっていて、タイムスリップしたみたいな感じです(笑)。
哺乳瓶を自動で除菌乾燥できる機械もミルクウォーマーあるし、いろんなものが開発されるまでの先人のお母さんたちの苦労を感じて、御苦労様でした、とちょっと泣きそうになるぐらい、16年前の苦労が今は時短になっていたり或いはなくなっていたり。すごくびっくりしました(笑)。

▲ 左人差し指リング1万6500円/マナ ローザ ジュエル (マナ ローザ)
── 16年の歳月は大きいですが、年の離れた姉妹を見るのも幸せなひとときですよね。
真木 すっごく愛らしいですよ。本当の本音を言えば、1人目が女の子だったから男の子がほしいなとも思っていたけど、やっぱり女の子は最強ですね。2人で遊んでいる姿とか永遠に見てられますもん。ずっと写真を撮っているし、めっちゃ可愛い! もう愛しくて尊くて夜とかだったら泣きますからね(笑)。
── 最近は事実婚を選ぶ方も少しずつ増えてきて、真木さんもパートナーの方がいらっしゃいますが、真木さんの場合はどういう経緯で事実婚を選ばれたんですか?
真木 まずは長女が年頃だったので、あまり大きく環境を変えたくなかったんです。法律婚にしちゃうと彼女の名字も変わっちゃうし、一緒に暮らすとなったら知らない若い男性がいることになるので、そういうことを避けたかったというのが第一にありました。
あとはパートナーが私の16歳下で若すぎるので、こんなことを言うとそこまで考えるのかと思われるかもしれないですけど、私の疑い深い性格上、“私からしたらあなたが最後でいいけど、あなたはたぶん私が最後じゃないでしょ”と思って(笑)。
だとしたら、例えばもしこれから(彼に)出会いがあって羽ばたいていっちゃう時に、バツをつけるのも、何かで「不倫だ!」と騒がれるのもどうかと思って事実婚にしたんです。

── 真木さん、娘さん、パートナーの方、みなさんにとって一番いい形ということですね。
真木 こういうことを言っていいのかわからないですけど、私たちにとっては法律婚のメリットがまったくないなと思ったんです。事実婚で子供を産むケースでも、相手が認知していれば法律婚と同様に養育費を請求できる制度になっているので、だったら事実婚でよくない? と思ってしまって。
だって法律婚の場合、名字を変えたり女性だけがいまだに大変な部分も多いじゃないですか。自分が幼い頃の時代だったら、私もそうは考えなかったと思うんですけど、法律婚じゃないから愛がないということでもないし、普通にメリット・デメリットを考えた結果、今の私達の状況下では事実婚のほうがいいと思ってそうしました。

● 真木よう子(まき・ようこ)
1982年10月15日、千葉県生まれ。2001年、映画『DRUG』でデビュー。2006年、『ベロニカは死ぬことにした』で映画初主演。『ゆれる』では山路ふみ子映画賞新人女優賞を受賞。第37回日本アカデミー賞では『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞、『そして父になる』で最優秀助演女優賞をダブル受賞し、2013年度の映画賞を総なめにした。ほかにも映画『モテキ』、『源氏物語千年の謎』、『脳内ポイズンベリー』、『海よりもまだ深く』、『孤狼の血』、『焼肉ドラゴン』、『ある男』、『アンダーカレント』、ドラマ『龍馬伝』、『SP 警視庁警備部警備課第四係』、『週刊真木よう子』、『運命の人』、『最高の離婚』、『MOZU』、『問題のあるレストラン』、『セシルのもくろみ』、『ボイス110緊急指令室』、『ネメシス』、舞台『パラサイト』など多くの話題作に出演。現在は『ライフトレード』(テレビ東京木曜24時45分〜)に出演中。11月6日には『星の教室』が公開され、11月8日からWOWOWにて『連続ドラマW 恩田陸 ユージニア』(日曜22時〜)がスタート。
※掲載商品はすべて税込み価格です
■ お問い合わせ
こちらの記事もいかがですか?













