2025.06.01
第6回 高島礼子 【vol.02】
美しい人、高島礼子。「運転はすごく好きだったけれど、プライベートではもう20年以上していません」
大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。第6回目に登場いただくのは高島礼子さんです。『暴れん坊将軍』『極道の妻たち』など数々の名作に出演し印象的な役を演じてきた高島さん。昨年、還暦を迎えたとは思えない若々しさが印象的な高島さんの「美」の秘密とは?
- CREDIT :
文/渡邉朋子 写真/野口貴司 スタイリング/村井 緑 ヘアメイク/黒田啓藏 編集/森本 泉(Web LEON) プロデュース/Kaori Oguri

第6回のゲストとしてご登場いただいたのは高島礼子さんです。デビュー35年を過ぎた今もドラマや映画、舞台に加え、最近ではバラエティにも出演して飾らない人柄が人気を集めている高島さん。vol.01(こちら)に続いて、今回はレースやレースクイーンをしていたデビュー前の時代のお話を伺いました。



【interview 02】
バイクやクルマを通じて人と出会い、内気で内向的な性格が変わっていった
高島礼子さん(以下、高島) うちの実家がどこの駅に行くにもバスに乗らなきゃいけないアクセスの悪い場所にあって、15歳まで行動範囲が本当に狭い中で生活をしていたんです。それが16歳の時に原付の免許を取ってバイクに乗ることによって、短時間で自分でいろんなところに行ける乗り物の魅力に惹かれてしまいました。そこから中型免許や自動車の免許を取って、それが今までの私の人生で一番長くハマった趣味ですね。

高島 いえ、仕事では運転できますけど、プライベートではもう20年以上してないんですよ。それまではバイクもですけど、常にクルマを運転していて、なんならクルマの中が一番好きな場所で、一番集中できる場所だったし、クルマの中にいる時間のほうが長いぐらいでした。
そういう人生を送ってきたので、変に運転に自信がある分、セリフを覚えながらとか、ながら運転みたいなこともしてしまいそうになるので、責任のある役をやらせていただくようになってから、この25、6年ぐらいは自分では運転せず、人にお任せしています。
──レースにも出られていた経験もあるだけに、運転に自信があるというのは納得です。
高島 やっぱり運転がすごく好きだったし、本気でレーサーになりたかったので。当時は三原じゅん子さんとか芸能人の方でスポンサーさんをバシッとつけて、いいレースに出ている方を見て、芸能人の人はいいなとちょっとうらやましく思ったりもしていましたね(笑)。

高島 レーサーというか、レースに携わることをしていきたかったですね。でも、なかなか難しくて。キャビンレーシングの第一企画というところで事務局の仕事とキャペーンガールをやらせていただいていました。
──それもレースの出場費用を捻出するためだったそうですね。
高島 それまではOLをやっていて、アルバイトも頑張っていたんですけど、レースって参加するエントリーフィー、クルマのレンタル費、メンテナンスのみなさんのお食事代、交通費、ガソリン代、高速代と、すごく費用がかかるので、すぐにお金がなくなっちゃうんですよ。それで、たまたま仲よくなったクルマ雑誌の方から、「キャンギャルはギャラもいいし、一般公募してるよ」と聞いて、ぜひ! ということで受けたら受かっちゃったんですよね。

高島 当時はまったくですね。レース場でもキャンギャルの方を見て、失礼な話、レオタードとかを着てきれいにして傘を持ってチャラチャラしているイメージがあって……。有名レーサーのそばに立てるのはいいなと思っていましたけど、自分とは違う世界だと思っていました。ただ、レースを続けていくにはお金が絶対に必要で、しかも当時はバブルだったので、ものすごくギャラがよかったんです。
でも、キャンギャルをやっていると、どうしても土日のレースと重なってしまうので、レース活動はお休みしてくださいということで、ちょっとずつレースと距離が離れていっちゃったんですね。

高島 みんなで同じ目的を持って何かを成し遂げるというのが好きでしたね。私は本当にお金がなかったから、その分、みなさんのクルマのメンテナンスをお手伝いすることで、自分の時にはよろしくお願いしますみたいな感じで。レースって誰かの力を借りなければできないものなので、チームワークはすごく大事でした。部屋も男女関係なく雑魚寝だったし。そういう風に頑張っているなかで、勝ち負けの順位がついて結果が出るじゃないですか。そういうわかりやすいところも好きでしたね。

高島 はい、内緒でした(笑)。バレていたとは思いますけど、見て見ぬふりをしてくれていたのか。あまり親に依存するタイプでもなかったので、うまく自由にやらせてもらえました。父親は教育者だったのでうるさかったですけど、母親はとても理解のある人で、バイクもクルマも、最初は母が買ってくれました。
私のアルバイト先のガソリンスタンドにも、私が乗っていたボロボロのスクーターでバリバリバリと大きな音を立てながら来てくれたり、本当にファンキーでかわいい母親でした(笑)。

高島 それはやっぱり16歳でバイクの免許を取って、バイク友だちみたいな仲間が増えたというのとアルバイトですね。私は高校に入ってすぐにアルバイトを始めたんですけど、ガソリンスタンドの店長さんだったり、そこで初めて親以外の大人たちとつき合うことで人に慣れていったのかなと思います。
アルバイトなどを通じて出会った人はいい方ばかりで、いろいろやさしく教えてもらっているうちに、内気で内向的な部分が変わっていったというか。へい、いらっしゃい! みたいに元気なほうがいいというふうに、どんどん変わっていった気がします。だから働くことってすごく大事だなと思いましたね。

高島 学校の先輩からは「ちょっと可愛い子ぶって生意気」と言われたり、結構いじめられていたんですけど、アルバイト先の大人たちはすごくやさしかったですね。私は根が真面目なタイプなので、頑張る姿をすごく応援してもらえて、本当に人に恵まれました。
※vol.03に続きます。

● 高島礼子(たかしま・れいこ)
1964年7月25日、神奈川県生まれ。1988年、『暴れん坊将軍Ⅲ』で俳優デビュー。1993年、映画『さまよえる脳髄』でヒロイン役を演じ、体当たりの演技が話題に。『陽炎』、『極道の妻たち』の4代目極妻を務めるなど、数々の人気作に主演。2001年には『長崎ぶらぶら節』で第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。その後もドラマ『御宿かわせみ』、『天地人』、『女系家族』、『精霊の守り人』、映画『犬鳴村』、『祈り-幻に長崎を想う刻-』、舞台『女たちの忠臣蔵』、『春日局』、『メイジ・ザ・キャッツアイ』など多数の作品に出演。8月30日からは新歌舞伎座にて上演される石井ふく子白寿記念公演『かたき同志』に出演予定。
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