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2022.12.29

郷ひろみ「僕は怒ったことがない。ストレスを感じないのです」

しっとり歌い上げるバラードから、一体感を呼ぶパーティーソングまで、世代を超えて愛される名曲を数々発表している、郷ひろみさん。デビュー50年を迎え、日本のエンタテインメントの至宝のような存在に。移り変わる時代のなかで輝き続ける理由、それには40代のある「決断」が大きかったと語ります。

CREDIT :

文/松永尚久 写真/大平晋也

1972年にデビューをして50年、日本のエンタテインメントの第一線を華麗に走り続ける、郷ひろみさん。その活動を網羅したオールタイム・ベスト盤『Hiromi Go ALL TIME BEST』がリリースされました。「よろしく哀愁」、「2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-」、「言えないよ」、「GOLDFINGER'99」など、移り変わりの激しい時代の流れをすばやく読み取りながら、長く親しまれる名曲を数々発表してきました。

常に目が眩むほどの輝きを放つ存在であり続ける秘訣 ──そこには私たちが歳を重ねるなかで大切にすべきことが隠されているように感じました。

1つの山に登ったら、次の山に向かって坂を降りる。その繰り返しが、僕の人生

── 2022年にデビュー50周年を迎え、記念のベスト盤も発表されました。この50年はどんな時間でしたか?

郷さん(以下敬称略) あっという間という気はしますが、30年、40年とは明らかに異なる重みを感じますね。50年、真面目にコツコツと音楽と向き合ってきた結果、ここまで辿り着けたのかなって。デビュー当初は何もわからない状況でしたが、徐々に経験を積むなかで感じたことは、日々努力を重ねていくことの大切さ。

また、(最新シングル)「ジャンケンポンGO!!」もそうでしたが、完成して「ああすればよかった」と感じる部分がある。そう思えることが、自分が進化し続けている証拠なのではと。過去を振り返ることよりも、そこに満足しない意識をもち続ける ──常に自分に否定的で「もっとできる、よくしていける」、そういう思いが前を向いていられる秘訣なのではないかと思います。

── 自分で自分を褒めることはないのですか?

 人から褒めていただけることはありがたい。でも、よい部分は追求しなくていい、よくない部分を伸ばしていくというか。失敗した部分をどうリカバーしていけばいいのか、そういうところへ常に目が向いています。

1つの山を登っても、それまでの道のりを振り返ったり、頂上の景色を満喫したりはしない。登りきった段階で、次の山に向かって坂を降りていく。その繰り返しが、僕の人生なのかなって思います。
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── 郷さんは、常に新しいものにアンテナを張り巡らせているという話を聞きます。

 新しいものだからと言って、なんでも取り入れるわけではないですよ。次に何をするべきかを考えると、自然に必要なものが見えてきて、それを試みているだけです。自分は、できにくいことに挑戦したいタイプ。

── できにくいと言えば、50代の時に利き手を右から左に変更されたそうですね?

 (笑)。ずいぶん長い間、右手しか使っていないことに気づき、バランスを取ろうと思って、箸を使う時や歯磨きなど、日常的に行うことを変えてみました。

── そのことで、生活や価値観に変化はありましたか?

 何も変化はなかったですね(笑)。でも10年以上続けていたら、左でないと居心地の悪いことが増えてきました。たとえば、趣味であるゴルフのティーアップの調整は、左じゃないと落ち着かないですしね。

── また、40代で無期限の活動休止をして、ヴォーカル・レッスンをされていましたね。

 40代に入って「GOLDFINGER’99」をリリースして以降、自分に足りないものは何かを考えるようになって。それを埋めないと、50代以降も歌い続けることが厳しくなると思うようになりました。だから、期限を設定せずに自分の満足のいく状態に到達するまで、活動を休止することにしました。それで結果的に3年という時間がかかったのですが。

── その3年間で得たものは大きかったのではないでしょうか?

 本当に自分の身につけたいテクニックを習得できた気がします。欲しいと思うものを手に入れるためには、必ず何かを犠牲にしなくてはならないということを学びましたね。何かを始めることに年齢は関係ない。やる気があるかないかの問題だと思いました。
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「変わらない」と言われるのは、実は「変わり続けている」から

── 40、50代になると、それまでの経験もあり、新しいことに挑戦するのを躊躇しがちです。

 変えることは大変です。引越しですら煩わしいことばかりなのに、自分を変えるなんてなおさら。でも、振り返ると僕は常に自分を変えてきた。周囲からは「変わらない」と言われることもあるのですが、実は「変わり続けている」からこそ、そう感じていただいているのだと思う。時代は刻々と変化していく。そのなかで変わらずにいるほうが「変わった」ように見られるのでは?

── 「変わらない」と時代に取り残されてしまうのですね?

 時代は昭和から平成、そして令和へ、またアナログからデジタルへと変化していく現状に、僕は必死にしがみついているのです。その姿勢は、ずっと変わらない。逆に、“あの頃”に留まったままだと「変わり者」と評価されてしまうと思います。

── なるほど。

 僕は運動を定期的にしているのですが、そこで学んだことが多いですね。人間は年齢を重ねると水分量が減ってしまい、体が硬くなり、けがなどをしやすくなる。体と同様に精神も柔軟性が大切なのではと。変化を恐れない気持ちも鍛えることができたのかなって。

── どういう運動をされてますか?

 主にトレーニングですね。週に3回は必ず。
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── インスタグラムでは「#ボクトレ」でフィットネス動画を投稿されて、話題ですよね。

 実際に、僕がやっているメニューはかなりハードで、トレーナーさんから「同じ年代の人では無理」と言われるものなのですけど。そこでは、皆さんでも簡単に続けられるものを紹介していますね。

── トレーニングは週3が理想ですか?

 僕の場合は、ですよ。あまりにもムキムキになってしまうと、衣装が似合わなくなるので(笑)。20〜30代の頃は、今のようにジムも少なかったし、メニューを考えてくれるトレーナーさんの数も少なかったこともあり、ただやみくもに鍛えていただけでしたが(笑)。ちなみに、当時は珍しがられましたが、サプリメントもアメリカで購入して摂取していました。

── そうすると食事の管理も当時から?

 20代の頃は、エネルギーの消費量がすごいですからね。どんなものを食べても消化できるので、何も考えていなかったかも。そもそもトレーニングは、きれいな体になりたいとか、モテたいとか、そういう不純な目的で始めたものなので(笑)。

── 郷さんがモテたいとは(笑)! 今はどんな食事管理をされていますか?

 トレーニングを続けるうちにいつの間にか、体のことを考え始めて、遅い時間に食事をしないとか、暴飲暴食をしないとかになりましたね。

── 糖質とか脂質とか、気にされない?

 気にしないというか、今では目にしたり、口にした瞬間にどれくらいのカロリーがあるかがわかる。体重も、増減は感覚でわかるようになってきました。
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ひとりでいるほうが辛い。周囲の目があるほうが「郷ひろみ」になれて楽

── 郷さんはとても美肌ですが、美容に関してはいかがですか?

 実は全然気にしていないんです(苦笑)。自分の生き方が、自然と見た目にも影響すると思っているので、常に前向きでいることが、美容の秘訣なのかもしれないですね。僕は、嫌なことがあっても「しょうがない」と忘れるタイプ。起こったことを引きずるよりも「こんなこともあるんだ」と切り替えたほうがいいのかなって。

── ストレスは感じないのですか?

 僕は怒ったこともないですからね。ストレスを感じないのですよ。

── ひとりになって、悶々とすることはないのですか?

 逆にひとりでいるほうが辛い。周囲の目があるほうが楽なのです。だって、視線があれば簡単に自分を「郷ひろみ」にすることができるから。ひとりの時は、もうひとりの自分が「これでいいのか?」と問いかけてきそうな気がして嫌なんですよ。だから、プライベートでも「郷ひろみ」でいたい。自分には、それが一番合っていると思います。

── 常に「エンタテイナー」でありたいと。

 でも、10代の頃はそういう気持ちにはなれなかったですね。たくさんの「つまずき」を経験して、ようやく辿り着いた境地というか。ただ、この生き方を皆さんに強要するつもりはないですよ。それぞれに異なる境遇があって、それぞれに正解の生き方があるから。

── これから、どんな年齢の重ね方をされたいですか?

 向かっていく道は漠然とは見えています。自分のなかでの「郷ひろみ」はとても魅力的な存在で、それに近づこう、遅れたくないと常に思いながら活動をしている。そのためには、今後も変化を恐れてはいけない。でも、40代のヴォーカル修行で、3年かけてようやく自分が望む変化を得られたように、変化や進化はすぐに手に入れられるものではない。

たとえ思うような進化を遂げられなくても、日々一歩ずつ前進しようという気持ち。それを大切にしながら活動を続けたいですね。
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● 郷ひろみ

1972年8月にシングル「男の子女の子」でデビュー、74年にリリースした「よろしく哀愁」で初の音楽チャート1位を獲得。その後も「2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-」(84年)、「言えないよ」(94年)、「GOLDFINGER’99」(99年)など、ヒット曲を量産。20年に発売された105枚目のシングル「ウォンチュー!!!」で、昭和、平成、令和の各時代でトップ10入りを果たすという快挙を成し遂げた。
https://www.hiromigo.com

『Hiromi Go ALL TIME BEST』/ソニー・ミュージックレーベルズ

デビュー曲「男の子女の子」から最新曲「ジャンケンポンGO!!」まで、代表シングル曲をコンパイルしたベスト盤。写真の完全生産限定盤は、各年代に発表した楽曲ごとに構成された全5枚組。さらに、100Pを超える完全撮り下ろしのフォトブックも付属した豪華BOX仕様に。また、完全生産限定盤と通常盤初回仕様には、豪華プレゼントに応募できる「応募抽選・特典申込券」が封入。完全生産限定盤(5枚組)1万5500円、通常盤(3枚組)5500円(ともに税込)

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