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2022.11.26

原動力は“LOVE”。「タトラス」とアンドレ・サライヴァ氏にインタビュー

LEONでもおなじみの「タトラス」が、「Mr.A」で有名なパリを拠点に活躍する世界的グラフィティ・アーティスト、アンドレ・サライヴァ氏とタッグを組み、スペシャルコレクションを発表。原宿で開催されたポップアップイベントのために来日した氏に、自身の活動や本コラボについてのお話を伺いました。

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写真/品田健人 取材・文/大塚綾子

タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ グラフィティを心から愛し、シーンを牽引してきたアンドレ氏は、ストリート・アートをメインストリームに押し上げた立役者。その功績は偉大です。
洗練されたダウンアウターでおなじみの「タトラス」が、パリを拠点に活躍する世界的なグラフィティ・アーティスト、アンドレ・サライヴァ氏とタッグを組み、スペシャルコレクションをローンチ。原宿で開催されたポップアップイベントのために来日したアンドレ氏にお話を伺いました。
タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ ポップアップストアのコンセプトはアンドレ氏とコラボレーションテーマをもとにTATRASが監修。
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タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ コラボレーションしたベースボールキャップを被って、お茶目にポーズ。
スウェーデンに生まれ、パリで育ったアンドレ氏がグラフィティを始めたのは、まだティーンエイジャーだった1980年代のこと。丸顔に満面の笑みを浮かべウィンクする「Mr.A」を考案し、テキストが主流だったグラフィティ・アートにキャラクターを取り入れた第一人者として長年シーンを牽引してきました。

これまでにパリやニューヨーク、ロンドン、東京など、世界6大陸、30万以上の壁にペイントされた「Mr.A」は、世界中の美術館やギャラリーにも出没。さまざまなブランドとのコラボレーションやキャンペーンに起用される、ストリートから生まれた人気者なのです。
タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ グラフィティ界のレジェンドでありながら、いつも笑顔を絶やさずハッピーなお人柄。
── なぜ表現方法としてグラフィティを選んだのですか?

「私がグラフィティを選んだのではなく、グラフィティが私を選んだのです(笑)。当時の友人たちもみんなグラフィティに熱中していましたね。まだキッズだったので、手段はともかく、ただ自分を表現したかった。そのなかで生まれた『Mr.A』は自分の分身であり、ベストフレンドでもあります。いつも一緒にいる存在なんです」
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── アンドレさんがグラフィティを始めた1980年代と比べると、グラフィティに対する周囲や社会からの視線や受け止め方はどのように変わりましたか?

「当時のグラフィティはとてもアンダーグラウンドなカルチャーで、興味を持ってくれる人はごくわずかでした。それが今ではストリートだけではなく、ファッションやデザインなど、いたる所でグラフィティを目にするようになりましたよね。グラフィティが誰にでも親しまれるアートのカテゴリーのひとつになり、とてもうれしいです。ただどんなにポピュラーになっても、グラフィティ・アーティストたちは、決してお金のために壁にグラフィティを描くのではありません。『表現をしたい』という強い思いは、今も昔も変わらないのです」

── 東京で初めて描いたグラフィティを覚えていますか?

「いつ、どこかは覚えてはいないけれど、1990年代の終わりから2000年代は頻繁に日本に訪れていたので、東京の街のいたるところで描いていましたね。もちろん今回の滞在でも『Mr .A』が出現するチャンスを狙っていますよ。いつだってね(笑)」
タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ 「渋谷の裏路地で見つけたんだけど、この照明は今も手に入るかな?」とスマートフォンを取り出して撮影クルーに尋ねるアンドレ氏。カメラロールは東京の街のスナップでいっぱいでした。
── そうなんですね。ぜひ発見したいです! この20年で東京の街も人々も大きく様変わりしましたが、アンドレさんの目にはどう映っていますか?

「ファッションで言うと、2000年代の東京は大きなトレンドがあり、同じコミュニティに属する人たちは、みんなこぞって同じトレンドを追いかけていたけれど、今はスタイルが多様化していますよね。ただ一方で当時のアンダーグラウンドなナイトシーンには、刺激的でぶっ飛んだ人たちが多くて、もっとクレイジーで自由な空気が流れていました。

今の東京のナイトシーンは、よりシックなスタイルが主流になってきていると感じます。東京の街を歩くのは大好きで、路地で見つけたちょっとしたディテールからインスパイアされて作品が生まれたり、私が経営するホテルのインテリアのヒントになることも多いんですよ」
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タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ バーシティジャケットの胸元には、「Mr.A」のエンブロイダリーワッペン。よーく見るとスナップボタンにも「Mr.A」が!
タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ ポップアップストアで大人気だった巨大ボーリングゲームを自らプレイ。
ファニーな表情で見る者を笑顔にする「Mr.A」と、着る人に明るく居続けてほしいという願いを込めた「タトラス」。両者のポジティブなメッセージが詰まった今回のコラボレーションは、「ボーリング」と「ナイトシーン」がキーワード。

随所に「Mr.A」が微笑むポップでハッピーなコレクションは、定番のダウンジャケットやバーシティジャケットなどのウエアだけでなく、ボーリングピンやネオンサインも展開します。

そのローンチを記念して原宿で開催されたポップアップストアでは、来場者が実際に遊べる巨大なボーリングゲームも登場し、訪れたゲストたちをとびきりの笑顔にしていました。
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タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ ボーリングといえばピザ、がアメリカンなスタイル。そこでピザの宅配ボックスをモチーフにしたユニークなディスプレイに。
タトラス アンドレ・サライヴァ
▲ ブランド創設15周年を記念してリリースされた、アイコニックなモノグラムコレクションもラインナップ。
── 今回手がけた「タトラス」とのコレクションからLEON読者にオススメしたい、モテるアイテムを教えてください。

「今回のコレクションのテーマのひとつが、アメリカン・カジュアルとフレンチ・クラシックの融合です。私も普段からバーシティジャケットにTシャツ、デニムが基本のスタイルで、いつも似たような格好をしているので、今回ローンチしたアイテムは私のワードローブに非常に近いですね。

なかでもLEONの読者にオススメしたいのは、やっぱりダウンジャケット。『Mr.A』のエンブロイダリーワッペンがポイントで、極感の冬のパリでも眠れるぐらい暖かいし、ナイトシーンはもちろん、ゲレンデにもいい。今年の冬のバカンスはアルプスでスキーをしようと思っているので、これさえあれば完璧です」
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── この秋には世界を飛び回るアンドレさんの活動を追ったアートブック『ア グラフィック ライフ』がリリースされましたよね。長いキャリアで今回が初めての作品集と聞き意外でしたが、本の見どころを教えていただけますか? 

「私はあまり過去を振り返らないので、これまで作品集を作りませんでした。今回初めてこれまでの活動をまとめてみようと思ったのですが、制作に7年もかかっています。その分とてもこだわったので、本自体がまるでアート作品のよう。一番気に入っているのは、作品がポップアップする仕掛けです。ぜひ手に取ってみてください」
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『BAMBA』キャップ1万9800円/タトラス × アンドレ・サライヴァ(タトラス コンセプトストア 青山店)
▲ フィット感にこだわり、オリジナルパターンを採用したベースボールキャップ。フロントのコラボレーショングラフィックを、立体感のある刺繍で仕上げたのがポイント。バックにもタトラスのアイコンとアンドレ氏のロゴが。『BAMBA』1万9800円/タトラス × アンドレ・サライヴァ(タトラス コンセプトストア 青山店)
アーティストとしての活動だけでなく、ナイトクラブやホテルの経営を手がけ、起業家としても多忙を極めるアンドレ氏。そのバイタリティの源泉をたずねると、「人への“LOVE”、グラフィティへの“LOVE”。原動力は“LOVE”ですね」と「Mr .A」さながらの満面の笑みとウィンクで即答してくれました。

知的でアクティブ、遊び上手で、とびきりお茶目なその素顔は、まさにLEONが理想とするモテるオヤジそのもの。これからもアンドレ氏の活躍から目が離せません。

■ お問い合わせ

タトラス コンセプトストア 青山店
TEL/03-3407-2700

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