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2022.09.26

小池徹平「やってよかったと言ってもらえる公演にするために僕が引っ張っていく」

今年、芸能生活20周年を迎えた小池徹平さんが3度目の上演となるブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』に出演。三浦春馬さんの後を継いだ城田優さんは高校の同級生。気心の知れた同士で最高の公演を目指します。

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文/長谷川あや 写真/トヨダリョウ 

笑顔の可愛い美少年のイメージでデビューした小池徹平さんも今年で36歳。芸能生活20周年を迎え、近年はドラマやミュージカルなどで大人の男として存在感ある演技が高く評価されています。10月からは、テレビ朝日系ドラマ「科捜研の女 2022」にレギュラー出演が決定。同じく10月からは3度目の上演となるブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』への出演も控えています。俳優として波に乗る“大人の”小池徹平は、今、どんな思いを抱き、どんな未来を見据えているのでしょう。

ミュージカルはバケモノだらけの世界。だからこそ刺激的

── デビュー20周年、おめでとうございます。

小池 ありがとうございます!

── ひと口に20年と言っても、いい時期も、悪い時期もあったと推察します。振り返ってみていかがですか。

小池 本当にいろいろありました(笑)。デビューは16歳。まだ、子どもでした。ドラマでは学生役を中心に突っ走って来て、一方で、音楽デュオ「WaT」を結成し音楽活動を行うなど、怒涛のような10代を過ごしました。ただ、20代を少し過ぎた頃、人気も仕事も落ち着き、足を止めるタイミングがあって。それまで目まぐるしくやっていた分、大きな不安にかられてしまったんです。将来のことを考えても何も見えてこなくて、怖くてたまりませんでした。

そんな時、出会ったのが“舞台”の仕事でした。2012年に『シダの群れ 純情巡礼編』で初舞台を踏み、翌年、宮本亞門(当時は宮本亜門)さん演出のミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング~それでも僕らは前へ進む』の舞台に立つことができました。

── 『メリリー・ウィー・ロール・アロング』はミュージカル界の巨匠、スティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲を手掛け、1950年代のニューヨークを舞台にした、ショービジネスで成功を夢見る若者たちの友情と挫折を描いた名作ですが、かなり癖のある作品という印象です。これが初ミュージカルだったとは!
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小池 はい、このミュージカルとの出会いは、僕のその後の俳優活動を強烈な光で照らしてくれました。それだけ大きな存在でした。キャストはすべて20代。同年代の共演者たちから大きな刺激をもらえ、それがうれしくて、悔しくて仕方がありませんでした。これをきっかけに自分の中の何かが大きく変わり始めていったんです。

── 小池さんは、ミュージカルに出演する以前から、音楽活動をしていたし、ドラマや映画でも活躍されていました。それでも、“歌いながら芝居をする”ミュージカルというのは、歌、演技単体とはまったく違うものなのでしょうか。

小池 そうなんです、ミュージカルは、単に芝居して歌うだけのものではありません。だからこそ、とても奥が深く、素敵なジャンルだと思っています。(ミュージカルに出演している)俳優の方々は、皆さん普段からストイックに身体を鍛えたりしていて、実際、実力のある人しか残っていけないようなバケモノだらけの世界なんです(笑)。

そして、そんな人たちと、"仲間"として仕事をさせてもらっていることは、僕にとって、とても刺激的だし、光栄なこと。ミュージカルデビューから今年で9年になりますが、やってきて本当に良かったと心から思いますし、お客様の前で仕事をさせてもらえるのは本当に幸せです。

同級生の(城田)優とモノを作り上げる作業はとにかく新鮮

── 映像での活躍はもちろんですが、ここ数年の小池さんは、すっかり“ミュージカル俳優”が板についている印象があります。特にこの秋は、ミュージカル『キンキーブーツ』の再々演が控えています。あらすじは欄外を参照していただくとして(笑)、小池さんは2016年の日本初演から主人公のひとりとして同作に出演していますが、3度目の上演に臨むにあたっての今の心境を教えてください。

小池 実は僕、再々演は初めてなんです。再演まではあるのですが……。なのでそれ自体が新たな挑戦ですし、今回、キャストも何名か入れ替わっていて、特に城田(優)が加わることは、僕の中でもとても大きなカギとなる部分です。

── 小池さんは物語の主軸となるチャーリー役を演じていますが、そのチャーリーに多大な影響を与える存在が、ドラァグクイーンのローラです。初演、再演では三浦春馬さんが演じた、そのローラ役に、今回は城田優さんが挑みます。確か城田さんは、高校の同級生ですよね?

小池 そうなんです。でも、一緒の舞台に立つのは今回が初めてです。彼の出演した作品や演出した作品は観ているし、同級生という信頼関係はありますが、優と一緒にモノを作り上げる作業はとにかく新鮮で。なにせ彼はガラスのハートの持ち主。飄々として強がっているけれど、プレッシャーも感じているはず。あくまでも僕の憶測ですけどね(笑)。

ただ優はとても頼もしい存在だし、歌唱指導の福井(小百合)さんには、「声の相性が良さそうだね」と言っていただいています。僕たちのハーモニー、ぜひ楽しみにしていてください。
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── ご自身が演じるチャーリー役についてはどうとらえていますか。

小池 この作品で、もっとも目を引くのは間違いなくローラです。でも、彼に出会うことで成長していくチャーリーは、作品を支える屋台骨のような存在だと認識しています。チャーリーは、保守的で、またとても人情味のある人間です。ただ、自分の中にある願望に向き合ったことがなく、子どもっぽい部分も持ち合わせています。そんなチャーリーが窮地に立たされ、ローラに出会うことで、打開策を見つけ、相手を受け入れることの大切さを知っていきます。

これまで2度演じているチャーリーは僕の中に染み付いていますが、年齢や経験を重ねて変化している部分もあります。でもまあ、結局は優の出方次第ですね。とにかく今わかっているのは、とても大きなローラだということ(笑)。(僕とは)とてつもない身長差だと思います。いい意味で圧倒的で、またキラキラとしたローラになると思うので、そんなバケモノ的な存在感のローラを前にチャーリーはどうなるのか──。実際に舞台に立ってみないとわからない部分もあり、僕自身もとても楽しみにしています。

春馬が納得できる最高の公演にしたい

── そもそもですが、再々演の話を聞いた時はどう思いました? 三浦さんのローラを、城田さんが引き継ぐというニュースは大きな話題になりました。

小池 最初に聞いたのは、いつだったかな。正直なところ、最初はぜひやろうという気持ちにはなれませんでした。とても素敵で大好きな作品ではあるけれど、いろいろな思いがよぎってしまって……。春馬がいなくなってしまったというのはもちろんあって、アイツを抜きにしてできるのかなという気持ちもありました。

ただ、プロデューサーさんとサシでじっくり話をする機会があり、強い思いも伺って、僕も前を向けるようになったんです。なんといっても、こんな素敵な作品はずっと受け継がれていくべきものだし、それは春馬が望んでいたことでもあります。
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── そんな思い入れの強い作品に臨む、今の率直な気持ちを教えてください。

小池 最初の顔合わせの時、キャストのみんなで、どんな思いで今ここにいるか、それぞれの思いをシェアしたんです。みんなの思いを聞き、心がじわじわと温かくなっていく、そんな感覚を覚えました。僕たちを包み込み、まとめあげてくれる、(日本版演出協力/上演台本の岸谷)五朗さんの存在も大きいです。改めて温かい家族のようなカンパニーだと感じました。すみません、言葉が下手くそで(笑)。

今は勇気を出して、新たな一歩を踏み出して良かったと、心から思っています。とはいえ、3度目の上演ということで、お客様の目もきっと厳しいはず。コロナ禍でお客様が感情を表に出せない状況も続いていて、やってみないとわからない部分もあります。でも、せっかく上演するなら、最高のチームだったねと言われたいし、そうでないと春馬も納得しないと思うんですよ。そんな最高の公演にするためには、僕がちゃんと引っ張っていかなくちゃ、という思いは強いです。
── では改めて本作を通じて、小池さんが伝えたいことって?  初演の頃と比べると、LGBTQに対する認識もだいぶ変わってきた感があります。

小池 そうですね。LGBTQについて話題になる機会が増えてきたこと、また、かつては男性が女装しているだけと認識されていたドラァグクイーンについてもより多くの人が知るところとなり、一部のせりふはより今の時代に合った表現に変更されています。

ただ、僕は、作品を通して何かを伝えたいとは考えていなくて、作品を観てどう受け取るかはみなさんの自由だと思うんです。もちろん、LGBTQについて考える機会になれば素敵だと思いますが、そこは観た方の自由。「楽しかった」だけでもいいと思っています。僕たちが大好きでたまらない作品を、好きなように観てもらえたら、とてもうれしいですね。
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人生を楽しんでいる大人はカッコよく見える

── では、ちょっと『LEON』的な質問もさせてください。36歳になり、今回のように興行で座長も務めるようになった小池さんが考える、“カッコいい大人”とは?

小池 カッコいい大人かあ。……そうですね、楽しそうな人、かな。楽しそうな大人はカッコよく見えるし、人生を楽しんでいる人は一緒にいて楽しいですから。人生を楽しんでいる人って、表情にも出るじゃないですか。

── 小池さんも今、毎日を楽しんでいますか?

小池 ウチは今、チビたち(※小池さんは、2019年生まれと2021年生まれの2人の男児のお父さんだったりもします)が大変な時期ですから、自分のことを楽しむ余裕はあまりないかな。でも大変な時期は今だけ、その今を楽しもうと言い聞かせていますが、大変は大変です(笑)。

── では、最後に改めて20周年を迎えた今の思いと、小池さんの今後の展望について教えてください。

小池 20周年ということで、ファンミーティングをやらせていただいたんです。昔から応援してくださっている方、最近、僕に興味を持ってくださった方など、いろいろな方が集まってくれて、改めてこの人たちは僕のかけがえのない仲間であり、その大切な仲間に楽しい時間を過ごしてもらいたいと心の底から思いました。そんなこともあって、今回、『キンキーブーツ』で、お客様の前でお芝居をさせてもらえることは、最高に幸せだと感じています。

目の前にお客様がいる場所で、生で表現できる、舞台の仕事は大好きですし、これからもずっと続けていきたいです。一方で、時代はものすごい勢いで変わってきています。映像にしても、今は地上波だけじゃないし、なんなら自分で発信できる手段もあります。僕はこの進化には大賛成! 今後、どんな進化を遂げていくかわかりませんが、何かに限定するのではなく、変わりゆく時代に合わせて、いろいろな仕事にチャレンジしていきたいと思っています。

● 小池徹平(こいけ・てっぺい)

1986年1月5日生まれ、大阪府出身。2001年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得。翌年、テレビドラマ『天体観測』(フジテレビ系)で俳優デビューを果たす。2005年にウエンツ瑛士と共に音楽デュオ「WaT」を結成し、2016年まで活動。当時メジャーデビュー最短でNHK紅白歌合戦にも出場を果たしている。2013年には、『メリリー・ウィー・ロール・アロング~それでも僕らは前へ進む』でミュージカル初挑戦。2016年には『1789-バスティーユの恋人たち-』『キンキーブーツ』の演技により、菊田一夫演劇賞を受賞している。『ごくせん』「ドラゴン桜』『医龍-Team Medical Dragon-』『大恋愛〜僕を忘れる君と』など多数のドラマに出演。『ラブ★コン』『ホームレス中学生』「コンフィデンスマンJP -ロマンス編-』などスクリーンでも活躍している。

『キンキーブーツ』

2006年に日本公開された同名の映画をベースとしたミュージカル。2013年にブロードウェイで初演され、同年のトニー賞で作品賞他6部門を受賞。世界のポップ・アイコン、シンディ・ローパーが初めてミュージカルナンバーを全曲書き下ろしたことでも話題を呼んだ。日本では2016年に小池徹平と三浦春馬のW主演により初上演。2019年の再演も好評を博し、多くの観客を魅了した。今回が3度目の上演となる。
父親の急死により、イギリスの田舎町ノーサンプトンの経営難の靴工場を継いだチャーリー・プライスは、実は工場が経営難に陥っていて倒産寸前であることに衝撃を受ける。そんな折、チャーリーは、ドラァグクイーンのローラと出会い、この出会いをきっかけに、ドラァグクイーン専用のブーツ“キンキーブーツ”を作ることで、工場立て直しをはかろうとするのだが──。

東京公演
2022年10月1日(土)~11月3日(木・祝) 東急シアターオーブ
大阪公演
2022年11月10日(木)~11月20日(日) オリックス劇場
脚本/ハーヴェイ・ファイアスタイン
音楽・作詞/シンディ・ローパー
演出・振付/ジェリー・ミッチェル
日本版演出協力・上演台本/岸谷五朗
訳詞/森 雪之丞
出演/小池徹平、城田 優、ソニン、玉置成実、勝矢、ひのあらた 他
HP/http://www.kinkyboots.jp/

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