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2022.08.09

吉田羊「役者として求められることで“自分は生きていていいのだ”と思える」

ドラマや舞台で活躍する人気女優の吉田羊さん。7月に東京、8月に大阪で公演された舞台「ザ・ウェルキン」の主演も話題になりました。今回はその舞台裏やストイックな仕事観、プライベートまでたっぷりお話を伺いました。あわせてGUCCIの最新コレクションを身に纏った美しいお姿もお楽しみください!

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写真/秦淳司 スタイリング/Babymix ヘア/ツィッギー、松浦美穂 メイク/石川ナオキ 文/井上真規子

吉田 羊
凛としたカッコよさと優しさ、透明感を兼ね備えた人気女優、吉田羊さん。舞台出身ならではの実力派で、いまやテレビや映画などの映像作品でも欠かせない存在。幅広い年齢の役柄を演じられるように実年齢を非公表にするという本気の姿勢も話題に。

その一方で舞台活動にも引き続き邁進し、毎年大作に出演して多くのファンを魅了してきました。最近では7月、8月と公演された舞台「ザ・ウェルキン」の主演で、助産婦エリザベス役を演じた吉田さん。今回はその舞台裏やストイックな仕事観、プライベートまでたっぷりお話を伺いました。あわせてGUCCIの最新コレクションを身に纏った美しいお姿もお楽しみください!

稽古ってこんなにも楽しいものだったんだと再認識しました

── はじめに、7月から公演された舞台「ザ・ウェルキン」について教えてください。

吉田 18世紀のイギリスを舞台に繰り広げられる、女性たちの裁判劇です。大原櫻子さん演じる死刑囚の少女、サリーの主張を審議するため、12人の女性陪審員が集められ、強く激しい意見のぶつかり合いが起こります。

その中で、男性優位の社会や階級社会によって蔑ろにされている女性の尊厳や、人が人を裁くことの難しさ、母と子の繋がりといったものが浮き彫りになっていきます。そのどれもが時代を超えて今を生きる私たちに訴えかけるテーマであり、観た人にも色々なものを持ち帰ってもらえた作品だと思います。キャラクターの個性もみな際立っていて、それぞれの私情や事情が絡みあいながら物語は二転三転していきます。信じたものに何度も裏切られながら向かうラストは、とても印象的でした。
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── 吉田さんは、殺人犯サリーを助ける助産婦のエリザベスを演じられていますが、役柄に共感した点があれば教えてください。

吉田 エリザベスはキリスト教徒ですが、人生の決断を神に全任するような敬虔さはなく、経験に裏打ちされた強さを頼りに生きているような現実的な女性です。でも言葉の端々には、人を憎みきれず、人の良心を信じようとするキリスト教的な無償の愛も感じますし、自分の信念を貫こうとする姿勢にも、無意識的な神の存在が透けて見えます。

私自身もそういう人智を越えた存在は信じていて、最後の最後で命運を分けるのはやはり神だと考えています。そういう意味では、エリザベスの言動には深く共感するところがありました。同時に、この役が私のところにやってきた意味のようなものも感じましたね。

── 今回、舞台の準備や稽古で楽しかったこと、苦労したことはありましたか?

吉田 今回は本読み稽古に一週間を費やして、作家の意図や解釈について共演者たちとディスカッションできたことがすごく楽しかったです。稽古を重ねるごとに、テンポの良いセリフの掛け合いがピタリとはまっていく感じも気持ちよくて!

シス・カンパニーは百戦錬磨の演技巧者が集まっているから、準備段階から一体感がすごかった。稽古ってこんなにも楽しいものだったんだと再認識しました。苦労したのは、エリザベスの演じ方。彼女は非常に複雑な背景を抱えた人物なので、本音と建前をどう見せていくかの判断が難しかったです。
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結果を出さなくてはいけないというプレッシャーも生まれるようになりました

吉田 羊
── 吉田さんは舞台俳優からスタートされていますね。映像の世界で活躍されるようになったいまも、舞台は特別なものですか?

吉田 やはりチームで舞台を作り上げる過程は、死ぬほど楽しいです! カーテンコールでお客様からいただく拍手は何物にも替え難い幸福感をもたらしてくれますし。一方で、ここ数年は舞台を修行の場のように感じています。以前は、楽しいという一心でやっていましたが。役者としてのキャリアを重ねると、任せていただく役や責任が大きくなっているのを感じますし、それに比例して確実に結果を出さなくてはいけないというプレッシャーも生まれるようになりました。

経験値があるから安心、なんてことはなく、むしろ難しいと感じることがこの先どんどん増えていくような気がしています。とはいえ、産みの苦しみと悦びがフィフティである以上、お芝居はやめられないだろうと思います。
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── 役を演じるうえで大切にしていることを教えてください。

吉田 映像と舞台では、優先するものが違ってきますが、映像の場合は、役の日常を見せることを大切にしています。例えば、髪の長さやメイクの有無でその人の朝のルーティンが見えたり、自室のセットなら、どの椅子でご飯を食べ、鍵は玄関のどこに掛けているかで生活の様子が見えてくる。そうした細かいディテールを積み重ねていくことで、その人の人生まで見えてくるんです。一瞬の演技の中に、その人の人生が感じ取れるような芝居を心がけています。

── 吉田さんは何よりも本気でお芝居に打ち込まれているように感じるのですが、自分にとってお芝居はどんな存在ですか?

吉田 命綱のようなものです。私は、自己肯定感が恐ろしく低いので、役者として求められることで「自分は生きていていいのだ」と思えるんです。

── 今まで演じたことがなく、今後演じてみたい役柄はありますか?

吉田 いつか命の尊厳について描いた作品を作りたいなと思っています。自分がまだ独身であることの影響もあると思いますが、独り身の女性が静かで穏やかな、望む形の死を選びたいと思った時、この国ではたくさんのハードルがある。自分の人生の終わりを自分で決めることは間違っているのか、正しいのか、そんなテーマを観客と一緒に考えられる作品を作りたいなと思っています。

いつか韓国でお仕事したいなと思っています

コート121万円、ドレス101万7500円、シューズ11万8800円、イヤリング14万8500円、ヘアアクセサリー8万2500円、ネックレス(フラワーモチーフ)46万2000円、ネックレス(ストロベリーモチーフ)34万1000円、リング7万1500円/全てグッチ(グッチ ジャパン クライアントサービス)
▲ コート121万円、ドレス101万7500円、シューズ11万8800円、イヤリング14万8500円、ネックレス(フラワーモチーフ)46万2000円、ネックレス(ストロベリーモチーフ)34万1000円、リング7万1500円/すべてグッチ(グッチ ジャパン)
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── 吉田さんの仕事論を教えてください。

吉田 仕事の悩みで行きづまっていた時、「仕事は大事だけれど、人生のすべてではない」という言葉をくれた人がいました。ご飯を美味しく食べ、よく眠り、心健やかに過ごす。そんな人間らしい生活があって初めて仕事は成立するのだから、と。その時から、人生を仕事の犠牲にするのはやめようと決めました。この仕事が好きだからこそ、好きでいられる状態を作らなければならないな、と思っています。

あとは、自分がやりたいと率直に感じたお仕事を選び取るようにしています。あれこれと自分に言い訳をしてやるものは、それだけのものにしかならないと、経験を通してわかっているので。全力で向き合いたいと思えれば、過程の困難も楽しめるものです。
── 仕事で疲れやストレスが溜まった時は、どうしていますか?

吉田 とにかく寝る! 寝ないと心身はリカバリーできません! やることは朝に回して、夜早く寝る、これが一番です。朝の方が、頭が冴えますしね。

── 休日はどんなことをして過ごしていますか?

吉田 家が大好きなので、映画を見たり、本を読んだり、自宅でのんびり過ごしています。一方で効率を好む性格でもあるので、出かける時は朝からびっちりスケジューリングして、一日3本映画を観て、合間に買い物、グルメエッセイのネタ探しなんて忙しく過ごすこともあります。

── 映画や読書などで、好きな作品があれば教えてください。

吉田 韓国映画が好きです。暴力的な表現の中にある確固たる愛情や信念、人間の愚かしさや弱さを笑い飛ばすブラックユーモア、人間の営みを淡々と見つめる視点など、観るたびに心が震えます。いつか韓国でお仕事したいなと思っています。

あとは女優のケイト・ブランシェットが大好きで、特に彼女が主演している映画『ブルージャスミン』、映画『キャロル』がお気に入りですね。気丈に振る舞っている女性がふとした瞬間に見せる弱さや、壊れた瞬間の哀しみを演じたら、彼女の右に出るものはいないと思いますね。かと思えば、映画『Don't look up』でのような振り切ったキャラクターにも説得力がある。幅広いキャラクター造形にいつも感動します。
ハット9万6800円/グッチ(グッチ ジャパン クライアントサービス)
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相手にどんな印象を与えるかを加味してコーディネートすることが大事

── 吉田さんはご自身をどんな性格だと思いますか?

吉田 真面目な方だと思います。もっと楽に、適当に生きられたらどんなにいいだろうと思います(笑)。でも、やってみたところでいろいろなことが気になってむしろ疲れてしまう。だから、もうこのままでも仕方がないと前向きに諦めています。

── はまっている趣味などあれば教えてください。

吉田 着物が大好きで、なかでもアンティークやヴィンテージのものをコレクションとして集めています。同じような年代に作られた西洋のアンティークと合わせて和洋折衷コーデを楽しんだり、現代の小物と合わせて、人と被らない自分だけのスタイルを考えたりするのにはまっています。

── 普段はどんなファッションがお好きですか?

吉田 お洋服もヴィンテージが好きですね。普段からお気に入りのヴィンテージショップを回ったり、海外のヴィンテージサイトをチェックしたりしています。現代のものだと、マニッシュななかに少し女性らしさを感じるスタイルを好んで着ています。吊りズボンにシースルーのカットソーを合わせたりするような。
吉田 羊
── ちなみに、吉田さんが男性に求めるファッションの要素は?

吉田 品と清潔感が大切だと思います。それはたぶん、独りよがりにならず、他者を意識するということだなと。相手にどんな印象を与えるかを加味してコーディネートすることが大事ではないでしょうか。

ちなみに、私は俳優界のおしゃれ番長で知られている滝藤賢一さんの大ファンなんです(笑)!  あれだけ個性を盛り込んだスタイルなのに、まったく嫌な感じがしないのは凄いと思います。滝藤さんのファッショに対する愛情だけがスッと立っている感じ。現場で滝藤さんのファッションチェックをするのがいつも楽しみです。
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── 『LEON.JP』では大人のカッコよさをテーマにしているのですが、吉田さんの考えるカッコいい大人像を教えてください。

吉田 自分の思想や哲学を、自分の言葉で表現できる人。いつも挑戦を続け、何事にも面白がれる人。そんな人に、ワタシハナリタイ!

── 今後、挑戦したいことがあれば教えてください。

吉田 昨年から海外の翻訳戯曲に立て続けにチャレンジさせていただき、舞台の本場ではどんなことを学べるのだろう? と興味が湧いているところです。思い切って、えいやっ! と海外へ飛び出す未来も楽しそうだなと思っています。

● 吉田 羊 (よしだ よう)

2月3日生まれ。福岡県久留米市出身。1997年より舞台を中心に活動をはじめ、映画・ドラマへ活躍の場を広げる。2014年放送のドラマ「HERO」でクールな女性検事を演じ注目を集め、15年公開の「映画 ビリギャル」では、日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。近年の主な出演作にドラマ「コールドケース~真実の扉~」シリーズ(WOWOW)、「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレビ東京)、「妻、小学生になる。」(TBS)など。今年は、舞台『ザ・ウェルキン』のほか、映画『沈黙のパレード』、映画『マイ・ブロークン・マリコ』など続々公開予定。また9月22,23日には初の音楽コンサート「吉田羊
Night Spectacles The Parallel ~ウタウヒツジ~ 25th Anniversary Special」をBillboard
Live TOKYO にて開催予定。

※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

グッチ ジャパン 0120-99-2177

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