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2021.06.19

「その話が面白い」を決めるのは自分ではなく!?

LEONでの連載エッセイも好評な、放送作家&戦略的PRコンサルタントの野呂エイシロウ氏。「つかみ」のプロである氏の著書『心をつかむ話し方 無敵の法則』に、「面白く話せるコツ」を教えてもらいましょ。

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文/野呂エイシロウ(放送作家、PRコンサルタント)

記事提供/東洋経済ONLINE
仕事でもプライベートでも、「もっと話を広げなきゃ」「面白い話をしなきゃ」と悩む人は多いのではないでしょうか。

商品や企画を魅力的に伝える「つかみ」のプロ、野呂エイシロウ氏が、コミュニケーションに自信がない人でも魅力的に話せるようになるコツ52個を紹介した『心をつかむ話し方 無敵の法則』より一部抜粋・再構成してお届けします。
写真提供/shutterstock

話が面白いかどうかを決めるのは誰?

僕の仕事はPRコンサルタントであり、放送作家です。企業や番組に企画を提案することもしばしばあります。

さて、1つ質問です。テレビ番組のプロデューサーに提案するとき、次のAとBでは、どちらの話し方が「心をつかめる」でしょうか? 

A「これ、某局で視聴率15%をとった企画のアレンジなんですが……」
B「これ、まだどこの局もやったことがない企画なんですが……」

さあ、いかがでしょうか。

正解はというと……実は、この問いに正解はありません。

ものすごくひんしゅくを買っているかもしれませんが、僕はふざけているわけではありません。この2択には、本で紹介している話し方の法則すべてに通じる原理原則が隠されているのです。

その原理原則とは、“あなたの話を「面白い!」と決めるのは、あなたではなく相手”であること。

先ほどの2択で「そんなの人によるでしょ」と思った人は、ほぼ正解です。

冒頭のAとB、どちらが面白いかを決めるのは僕ではありません。番組のプロデューサーです。そしてプロデューサーといっても、担当している番組も、性格も好みも人によっていろいろです。

手堅く2桁の視聴率をとりたい人ならAに興味が湧くでしょう。大コケのリスクを冒してでも20%超えを狙うアグレッシブな人ならBに引かれるはずです。

僕は各番組のプロデューサーをよく知っているので、それぞれに合った話し方を使い分けます。

相手に合わせることができないと、相手にとって僕はつまらない人になってしまいます。仮に僕が「鉄板で最高に面白い」と信じている話を、どんなに上手に情熱的に話したとしても、相手の関心や性格や気分に合わなければ、普通にスベるでしょう。

コミュニケーションの主役は相手。話の面白さや魅力は、相手がジャッジすること。

この原理原則さえわかれば、あなたはもう相手の心をつかみかけています。

いわば僕はカメレオンです。相手に合わせてコロコロと話し方を変えます。

こう言うとなんだか“打算的で調子のいいヤツ”と思われるかもしれません。でもそれは誤解です。

例えば会社の上司と話すときと、部下と話すときとでは、ほとんどの人が話し方を変えるはずです。相手が社長でも新卒社員でもまったく同じだったら、違和感がありますよね。

それと同じように、目の前の「その人」に合わせて話し方をちょっと工夫するだけで、話は広がりやすく、弾みやすくなります。そして何より相手が気分よく話せて、気持ちのいい人間関係をつくることができます。

1人ひとりに合わせるなんて、難しそうに思いますか? そんなことはありません。

考えてみてください。物静かな人が急に陽気に振る舞ったり、芸人さんのような万人にウケる話を仕込んでおくのは、そうとうに難しいと思います。それに比べれば、相手をよく知ることのほうがはるかに簡単だし、人間関係を築くうえでもずっと大事です。

実は僕もすごいトーク術があるわけではありません。昔は会議で話を聞いてもらうのにも苦労しました。

だからこそ、どういう話し方をすれば、相手に喜んでもらえたり、驚いてもらえたり、共感してもらえたりするのかを考え続けてきたのです。そんな中で20年以上かけて磨いてきた「心をつかむ話し方」は、どんな人にも役立つものだと思っています。

人の心をつかむためには、「何を」話すかよりも、「どんなふうに」話すかよりも、「誰に」話すかを考えることが第一です。

苦手意識のある人ほど、「もっといい話をしないと」とか「頑張って面白くしないと」と思ってしまいがちです。でもそれは勘違いで、原因はあなたがつまらないからではありません。相手に合わせた話し方を考えれば、必ず心をつかめるようになります。
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「自分が面白くなる」ことにこだわらない

心をつかむための具体的なコツを4つ紹介しましょう。

○相手を主語にする
×自分を主語にする


トーク番組のMCとして大人気の芸人さんは、タレントさんはもちろん、一般の人が相手でも場を盛り上げて、相手を楽しませます。

僕が研究してわかったのは、相手を主語にして話を振っていることです。「最近どうなの?」「早くも夏を先取りしてますね」など、会話のスタートは相手を主語にする。そしてしっかりとリアクションする。それだけで相手にとってあなたは「話していて楽しい人」になります。

○相手の3分の1だけ話す
×相手の3倍話す


話が面白い人ほどたくさん話している印象がありますが、実はそうでもありません。むしろ相手の話を引き出すことに長けています。そのためのコツは「一般論」で話を広げること。「よくこういうことありますよね」と普通の話を振るほうが、相手は話をしやすくなります。

○正解はひとつじゃないと知っている
×正解はひとつだと盲信している


話の上手な人は、相手の意見がどんな内容でも、難しくてもくだらなくても、もちろん自分の意見と合っていようといまいと、まずはきちんと聞いて受け止めます。

例え自分が正しいと思っても、相手を否定するのは悪手です。いくら正論を理路整然と述べられても、相手にとっては「つまらない話」になりかねません。そもそも自分だけが絶対に正しいことなんてほとんどないのですから、求められてもいないのに、むやみに断定したり結論づけたりする必要はありません。

○『鬼滅の刃』が大好き
×『鬼滅の刃』が大嫌い


「はやりに乗るなんてみっともない」と思うのは野暮です。はやりものは話のとっかかりをつかむのに最適なネタですから、僕は積極的に使います。「鬼滅面白いよね」という人に「いや、全然。それより僕がおすすめなのは……」なんて話し始めたら、きっと退屈ですよね。

本の中では、会議やプレゼン、SNSなど、もっと多様なシチュエーションに合わせて、すぐに取り入れられるコツを紹介しています。

ここまで解説したように、「自分がどう面白くなるか」にこだわらず、相手が楽しく気分よくなるように考えたほうが、はるかに簡単ですし、応用も効くのです。
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気持ちのいいコミュニケーションとは

生きている以上、仕事でもプライベートでも、リアルでもオンラインでも、人との関係を避けて通ることはできません。誰にどう思われようと関係ないという人もいるかもしれませんが、多くの人は、なるべく無理なく、気持ちよくコミュニケーションをとりたいと思うのではないでしょうか。

近年のSNSに見られるような、たたき合いや否定のし合いは、居心地のいいものではありません。せめて自分の周りだけでも居心地よくするならば、まず相手を肯定することが9割。効率や合理性やロジックや「正解らしきもの」よりも、相手を理解して受け入れる優しさのほうがずっと大切です。

僕たちは芸人ではありませんから、人を笑わせることが目的ではありません。会話を通じて、「本業」をうまく進めようとしているはずです。仕事だったり、人と仲良くすることであったり。

そんな中で相手の心をうまくつかむことができたら、あなたの持っている力は何倍も生かすことができるようになります。

まじめに仕事ができる人、実直にテクニックを蓄積している人、冷静な判断力を備えている人、ある分野なら誰にも負けないオタク気質の人。そんな「何か」を持っている人に、心をつかむ話し方が備われば、まさに無敵なのではないかと思うのです。

相手を知り、相手を和ませ、相手の心を開かせ、そのうえで自分の能力を見せてください。これまでの何倍も、世界が広がるはずです。
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『心をつかむ話し方 無敵の法則』

「人前で話すのが苦手」
「初対面の人と話すと緊張する」
「相手にうまく伝わっているか不安」
…そんなあなたも、もう安心!
人間関係がグッと楽になる話し方のコツが満載!

・会話を盛り上げるのは「おもしろネタ」より「一般論」
・人を巻き込むときは相手のメリットを明確に
・プレゼンするときは「前置き」は全カットでOK
・入りにくい会話は「同意」と「相づち」で切り込む
・好印象を残すなら相手に2倍話してもらう
・ネガティブな話は「予告」を緩衝材にする
…etc

恋愛、SNS、テレワーク、営業、プレゼン、会議
どんな場面でも誰が相手でも使える!

野呂エイシロウ著 アスコム 1540円
※書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

野呂エイシロウ(のろ えいしろう)

LEONでの連載エッセイ「それはまた誰かのハナシ」も好評な放送作家、戦略的PRコンサルタント。
1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。学生時代に「現役の学生」を武器に、電機メーカー、広告代理店との会議に参加。学生向け家電企画の立案・宣伝・PRに携わる。
その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ! 鉄腕DASH!!』『奇跡体験アンビリバボー』『ズームインスーパー』などにたずさわる。テレビ局独特の"笑い"にあふれた会議で、話し方や雑談力、提案力を鍛えられる。
放送作家としての「番組をおもしろくするネタづくりのノウハウ」をいかし、30歳の時から"戦略的PRコンサルタント"としての仕事をスタート。企業の商品やサービスを一般の人に「おもしろそう! 」「欲しい! 」と思ってもらうような独自の戦略立案を行っている。クライアントには、「SoftBank」「ライフネット生命」「GROUPON」「Expedia」「ギルト・グループ」「hulu」「Folli Follie」「ビズリーチ」「ルクサ」をはじめ、金融機関、自動車会社、アパレルブランド、飲食店など、国内外の企業90社以上があり、"かげの仕掛人"として活躍している。
著書に、運の良さを描いた自叙伝『終わらす技術』(フォレスト出版)、自らの借金返済を描いた『毎日○☓するだけでお金が貯まる手帳術』(集英社)などがある。
笑える講演も人気を呼んでいるが、引き受けるのは月に1度まで。

※掲載商品は税込み価格です
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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