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2017.06.28

夏は高級線香花火で風流なプレゼントを

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監修/冴木一馬
動画撮影/金田 亮
文/編集部

「線香花火の一本の燃え方には、『序破急』があり『起承転結』があり、詩があり音楽がある」

そう言ったのは、明治生まれの物理学者で随筆家の寺田寅彦(「備忘録」)ですが、忙しい現代を生きるみなさん、わずか十数秒の小さな火花に詩や音楽を見る感覚、最近忘れてはいませんか?

スモールラグジュアリーを求めてあのコと大自然の旅に出るのもいいですが、忙しない毎日に“小さな贅沢”を贈るならぜひとも「線香花火」を選んでいただきたい。

そんな線香花火ですが実は2種類あるということ、ご存知でしょうか。

左●「長手牡丹」。東日本で一般的なタイプ。和紙の“こより”の先に黒色火薬が包まれている。右●「スボ手牡丹」。関西で一般的なタイプ。藁の先端に黒色火薬の練ったものを付着させている。
左●「長手牡丹」。東日本で一般的なタイプ。和紙の“こより”の先に黒色火薬が包まれている。右●「スボ手牡丹」。関西で一般的なタイプ。藁の先端に黒色火薬の練ったものを付着させている。

今や日本中で愛される線香花火ですが、そもそもの興りは江戸時代。火花がそれに似ていたことから江戸では「手牡丹」と呼ばれ、その流行は地方へと広がっていきました。それが関西に渡り、京都に住む公家に献上されたとのこと。

しかしながら、公家は自由に外に出て遊ぶことができません。外に出て自由に遊ぶことのできない公家は手牡丹を夏だけでなく一年中楽しみたい。そこで考えられたのが、藁の先に練った火薬を付着させたスボ手牡丹なのです。これは手で持つものではなく、香炉や火鉢などの灰汁に挿して点火して眼だけで楽しむもので、その形が線香に似ていたことから現在は総称して「線香花火」と呼ばれるようになりました。

こうした歴史的背景から、現在、国内の線香花火は2種類あるというわけです。

筒井時正 玩具花火製造所
写真/筒井時正 玩具花火製造所

その生産のほとんどが中国で行われている中で、日本では3か所(群馬のやまと花火、愛知の三州火工、福岡の筒井時正)のみ国産の線香花火を今も作り続けています。質が高く見た目も美しい国産線香花火は、他にない夏の優美な贈り物にピッタリです。

筒井時正 玩具花火製造所

「線香花火 筒井時正」は、素材へのこだわりを追及した新感覚の線香花火です。火薬には宮崎産の松煙、紙は福岡県八女市の手すき和紙、その和紙を草木染で染色し、職人の手によって一本一本丁寧に縒り上げられているのが大きな特徴。また、ワインのように「熟成」させることで火花の味わいにも変化があり、使わなかった分を来年まで保管しておくという楽しみもあります。

線香花火 筒井時正「花々(はなはな)」
線香花火 筒井時正「花々(はなはな)」

線香花火の持ち手部分を花びらのように仕上げ、それを束ねることで「花」を表現。保存するのに最適な二重の桐箱に入っています。ハゼの実から抽出されたロウでできた和蝋燭と、九州の山桜でつくったロウソク立て付きです。

■線香花火 筒井時正「花々(はなはな)」

価格/1万円
入り数/線香花火40本、和ろうそく、ろうそく立て
商品寸法/W96×H288×D65mm
URL/http://tsutsuitokimasa.jp/senkohanabi-tokimasa
「祝い線香花火」
「祝い線香花火」

「線香花火筒井時正シリーズ」と同じ素材を使用した線香花火を紅と白に1本ずつ染め、水引に見立てたもの。自由に表書きと名前を印字してもらえるため、お祝いはもちろん、ちょっとしたメッセージを送るのにも粋な印象に。

■「祝い線香花火」

価格/450円
入り数/2本(2色×各1本)
商品寸法/240×40mm
URL/http://tsutsuitokimasa.jp/iwai

千總

千總は室町時代、京都室町三条にて法衣装束商として創業。友禅染めの美しい着物を製作する傍ら、人が手がけたものを作り続けるという視点に立ち、国産の手づくり線香花火を販売するに至った。京優美を思わせるその上品で美しい佇まいは、京都の手土産やお祝いの贈り物にふさわしい。

「千總 線香花火」
「千總 線香花火」

460年の歴史を持つ京友禅の老舗、千總から線香花火が登場。千總と縁がある京都清水寺で、人と人との縁が結ばれていきますように、とひとつひとつ祈祷された和紙入りの線香花火です。

■「千總 線香花火」

価格/3240円
入り数/25本
商品寸法/270×92mm
URL/http://sohya-tas.com/products/detail.php?product_id=562

山縣商店

東京は蔵前の花火問屋、山縣商店が販売するのは江戸っ子にふさわしい純国産の長手牡丹。国内の線香花火工場が次々と閉鎖していく中、線香花火の文化を守りたいと願い、約8年の歳月をかけて生み出されたのが「大江戸牡丹」でした。

「大江戸牡丹」
「大江戸牡丹」

その名の通り、江戸の花火文化を継承した長手牡丹タイプのもの。色とりどりの和紙に火薬が包まれており、生産は愛知の三洲火工がひとつひとつ手作業で行っている。

■「大江戸牡丹」

価格/600円
入り数/10本
URL/http://hanabiya.co.jp/home/top.html

「線香花火の一生」

寺田寅彦が線香花火の燃え方を「序破急」と表したように、火が点いてから消えるまでのわずかな時間は「一生」に喩えられ、変わりゆく燃え方には3つの名前がついています。火が灯された線香花火は「牡丹」に始まり、その後勢いを増した「松葉」を経て、消えゆく「柳」へと姿を変えていくのです。わずか十数秒の「線香花火の一生」を、火花が弾ける雅な音とともに動画でどうぞ。

■第14回 よこての全国線香花火大会

秋田県横手市では毎年線香花火の大会が開催されています。純国産線香花火にのみスポットが当てられており、配られた線香花火を見物客が灯す光景はとても幻想的。会場内には縁日コーナー、物産コーナーが設けられ、線香花火長持ち大会や残月打上げなどのイベントも行われます。
期間/7月22日(土) 午後5時~(雨天の場合翌日23日に順延)
会場/横手川 蛇の崎川原
アクセス/JR横手駅から徒歩10分
お問い合わせ/よこての全国線香花火大会実行委員会 横手市観光協会内 ☎0182-33-7111
URL/http://yokotekamakura.com/

●冴木一馬

写真家。世界を股にかけ花火を撮り続けて30年。撮影だけでなく、花火の歴史や民俗文化をも調査・研究し、花火のことならなんでもござれ、花火師の資格まで有する日本唯一の“ハナビスト”。山形県出身。
http://www.saekikazuma.com/

写真集『花火』光村推古書院刊

A4判 オールカラー
96頁 ソフトカバー
本体 2400円

ワンシャッター、多重露出をおこなわず、花火本来の姿をとらえることにこだわりぬいたハナビスト冴木一馬による花火写真集。

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