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2021.01.14

周りから「慕われる大人」と「嫌われる大人」の違い

日本一発信力のあるバーのマスター、林 伸次さんが上梓した話題の新刊『大人の条件』から、オヤジさんにも読んでいただきたい語録のいくつかをセレクトしてご紹介します。第2回は「周りから慕われる人」。

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文/林 伸次 写真/トヨダリョウ(林さん)

(c)shutterstock

■第2回

周りから慕われる人

日本一発信力のあるバーのマスターにして、LEON.JPでは「美人はスーパーカーである」を連載中の作家・林 伸次さんが新刊『大人の条件  さまよえるオトナたちへ』(産業編集センター刊)を上梓しました。今どきの大人の条件って何だろう? というテーマを、一見優し気に、その実、意外に辛辣な“林節”で書き連ねており、オヤジさんも必読の書となっております。今回の特集「大人の“カッコいい”を取り戻せ」にも通じる話が満載なので、今回は特別に本の中から一部をご紹介します。第2回は「周りから慕われる人」。

一流になれる人と二流止まりの人の違い

いわゆる「成功者」と言われている人と接した経験がなくても、なんとなく想像できると思うのですが、「本物の成功者」であればあるほど、謙虚で物腰が柔らかい方が多いですよね。すごく偉そうにふるまったり、自分の権力や地位のことを言いがちだったりする人でちゃんと成功している人って、あまり見たことがありません。

これ、やっぱり謙虚な人の方が敵を作らないから成功しやすくて、横暴にふるまう人は煙たがられて上には行けず、二流にとどまってしまうってことでしょうか。あるいは本当に成功する人は、権力とか地位のようなものを意識しているのではなくて、「世の中のためになりたい」とか「世界をより良い方向にしたい」といった別の動機で行動しているから、元から嫌な感じがないのでしょうか。そして二流な人たちは権力や地位にこだわっているから、事あるごとに権力を振りかざすのでしょうか。

渋谷という大都会の深夜のバーで接客しているといろんな方と接するので、どうしても「どうしてこの人は成功するんだろう」とか「どうしてこの人はここで終わりなんだろう」とか考えてしまいます。いろんな人が集まってきて、みんなに慕われ、手助けされて成功する、そういうタイプの「成功する人」の条件っていくつかあると思います。

まず、「生まれついてのオーラがある人」。これはもう、そう呼ぶしかないんです。起業して成功を手に入れてからそれっぽい雰囲気が出てくる人もいますが、本当のそういうオーラがある人は「いや、あの人は学生で若いときから何かしそうな雰囲気があったよ」って言われたりします。
あと、そういう人って「高い志がある人」だったりしますね。貧困地域の人たちに雇用の機会を作りたいと考えて動いている人とか、新しい発明で世の中をより良くしようと考えている人とか、お金とか地位が目的ではなくて、ただ夢を追いかけている人には自然と人が集まってきます。

こういう「成功する人」の条件って、なんとなく想像がつくと思うんです。でも、これから成功したい人にとっては、生まれついてのオーラや志の高さと言われても、ですよね。だから、それ以外の「成功する人」の条件も考えてみたいと思います。
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人が集まってくるのはこういう人

ある有名な企業で働いていた人がいました。彼、すごく仕事ができて、大きい仕事をたくさんしていたんですが、ある日そこを辞めてフリーになったんです。そのときはその会社の人だけでなく、外の人たちからも「独立おめでとう!」なんて言われていました。でも、みんなその後はちょっとずつその彼とは連絡を取らなくなって、ちょっとずつ離れていって、彼、完全にその業界から消えてしまったそうなんです。今、どこで何をやっているのかもわからないそうです。

どうやら、みんなが彼と仕事をしていたのは、彼が所属していた組織の名前が大きかったからのようなんです。彼がすごく優秀だったのはみんな知ってたし、人付き合いも普通にやっていました。でも、みんな「フリーになった彼」とは働こうとはしませんでした。

この話が印象的で、どうしてなんだろうって僕はよく考えるんです。思うに、「ただ能力が高い人」という理由だけでは、人はあんまり集まってこないです。そもそも人って、「能力が高い人」をあまり好きじゃないんです。
僕が考える、周りに人が集まる人というのは、「誠実で大真面目で、でも不格好で、たまに失敗したりする人」です。そういう人にはみんな集まってきます。もう一度、言いたいのですが、「ただ能力が高い人」ってやっぱりみんなそんなに好きじゃないんです。というのは、一緒に仕事をしていてその能力が高い人に、自分のことを「こいつ能力が低いなあ」って判断されたくないからだと思うんです。

経験ないですか? すごく能力が高い人に「おまえ、仕事できないなあ」って言われたり、そういう扱いを受けたりしたこと。経験がなくても、想像するだけで絶対に嫌ですよね。たぶん、そういうのが嫌だから、みんな「ただ能力が高い人」って好きじゃないんです。

で、能力が高くても、不格好で、たまに失敗をする人はみんな好きなんだと思います。これを僕は「岡村靖幸力」と呼んでまして。他にぴったりの人が思いつかなないので、岡村靖幸を使っているのですが、岡村靖幸を知らない人は検索してみてください。
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人に好かれて、みんなが集まってくる人は、誠実で大真面目で、でもちょっと不格好じゃなきゃダメなんだろうなって思います。で、能力があったのに業界から消えてしまったその彼は、能力が高いだけで、誠実さと不格好さがなかったのかなって思います(もちろん他にもいろいろ原因はあったと思いますが)。そしてそういう「不格好な姿を見せられる」って、やっぱり生まれつきと言いますかそれもまた「才能」なのかもしれません。

不格好な姿、見せられますか? 失敗した姿、見せてますか? 完璧だと人は慕ってくれないですよ。もし人が集まってくるような人になりたいなら、プライドを捨て、人からよく見られたいという意識を捨て、正直で誠実な人間を目指してみてはいかがでしょうか。

● 林 伸次 (はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。

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