2025.11.29
【第7回】
30歳でモテることに気付いた美魔女のその後の人生とは……?
生き方や恋愛の価値観が変わりつつある現在、大人の女性たちはどんな恋愛をしているのか、大人の女性たちは何を求めているのかを、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で深掘りします。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
本連載「林 伸次のLove la Bossa」では、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術で大人の女性の本音を深掘りします。第7回のゲストは羊さん(40代)です。

自分が美人だとは思っていませんでした
「よろしくお願いします。素敵なお店ですね」
── ありがとうございます。早速ですが、ここではニックネームでお呼びすることになっているんです。誰か似ている芸能人からお名前を借りているんですが、え〜っと、あ、目がパッチリとした吉田羊さんって感じがする! 本日は羊さんとお呼びしていいですか。
「光栄です。よろしくお願いします」
── お綺麗な方だなと思ったのですが、自分が綺麗だと気付いたのはいつ頃ですか?
「えっ、綺麗だと知った? う〜ん、あるとすれば30くらいかしら」
「本当に、普通だと思っていました。私、20代前半で結婚して家に入ったんですね。30歳で事務のパートを始めたくらいからなんかチヤホヤされる感じがあって、その頃に『あれ? 私って綺麗なの?』とは思いましたが。でも40歳くらいまではハードな人生だったかな」
── 今こうして話をしている限りでは、落ち着いた大人の女性という雰囲気で、ハードな人生を感じさせません。早くにご結婚されたようですが、お相手はどんな方なんですか。
「私は自分自身のことや家庭の事情なども絡んで一度高校を中退したんです。その後再進学はしましたが、それまでの期間にアルバイトをしていた先の、社員だった人です。高校を卒業して販売の仕事に就いたんですが、彼とはその頃にお付き合いを始めて、23歳で結婚しました」
23歳で結婚した相手とは、最初は遊ばれているような関係で

「仕事をしながらバンドをやっていた人でした。7歳上で、ちょっと憧れもあって、当初は私に彼氏がいてもちょこちょこ遊ぶ関係でした。でも彼には付き合っている人がいて、私は遊ばれている側だったんですよね」
── 遊ばれていることをわかりつつも関係を続けてしまった?
── 彼氏に悪いなとはあまり思わないものですか?
「あんまり思わなかったですね(笑)、すみません。でも20歳になる前くらいから彼と正式に付き合うことになりました」
── それって彼は遊びじゃなかったんじゃないですか? だって、バンドやってたらモテるでしょうに。前からずっと関係があった女性と付き合うんだから、本気だったんだと思いますよ。
「そうなのかなあ」
『これが一生続くの?』と思った最初の結婚生活

「はい。でも私、結婚願望はあまりなかったんです。ただ付き合っている時に彼が交通事故に遭い、意識不明の状態がしばらく続くような事故でして」
── それは本当に大変なことになりましたね。
── 23歳でお子さんが。結婚して彼はちゃんと働くようになったんですか?
「そうですね、仕事には復帰しました」
── 今も旦那さんとは仲良くされていますか。
「いえ、別れました。私、実は2回離婚しているんですよ」
「早くに子供ができて結婚したので、社会人経験と言えるものが2〜3年しかなかったし、『これが一生続くの私?』って思っちゃって。それでこのままじゃいけない気がすると思ってパートで仕事を始めたんです」
年下の子に言い寄られてモテることに気付いた30歳
「そうそう。そのパート先の会社の年下の男の子に言い寄られて『あれ? モテてんな、私』とは思いましたね(笑)」

「不倫というより、ちょっとした遊びです」
── それって旦那さんにはバレなかったんですか。
「旦那からは何も言われなかったけど、バレてたと思いますよ。どこに行ってたとか聞かれることもなかった。知りたくなかったんじゃないですか」
「大好きでしたよ。ただやっぱり、事故に遭った後に自分で社会復帰しようとしなかったこととか、浮気されたこととかが根底にあったんですよね。旦那へのモヤモヤとして残ってしまっていた。そういうことからも『私はこのままでいいのか』と思ってしまい、最終的に彼と離婚して人生をやり直そうと決めたんです」
── そうか、旦那さんや恋人がどうとかじゃなく、自分の人生を考えたんですね。その後のことは後編で聞かせてください。
後編に続く

■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)、『恋愛は時代遅れだというけれど、それでも今日も悩みはつきない』(Pヴァイン)、最新刊は『30歳になってもお互い独身だったら結婚しようか』(三笠書房)。















