2025.08.13
連載/真の“贅沢”とは
“氷温熟成”という新たなメソッドを日本酒に仕掛けるとどんな味!?
ファッションからカルチャー、旅やホテルからガストロノミーまで、ラグジュアリーライフをテーマに執筆活動を行っているコラムニストの中村孝則さんが、真の“贅沢”をご紹介する連載です。
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文/中村孝則
■ 「Ondo」のスパークリング日本酒『001 Sparkling Sake 2019』
ちなみに日本では古来、冬期の寒気を利用した「雪室」あるいは「寒ざらし」など、その氷温域を利用した食材加工の知恵が存在します。そのメソッドを日本酒の熟成に取り入れたのが、この「Ondo」という日本酒ブランドです。

グラスに注ぐと、プラチナのような色合いにクリーミーな泡が立ち昇り、和梨や水仙のような芳香が広がります。そしてクリスタルのような酸味とともに、熟成感のなかで心地よい味わいが広がるのです。
一般的にスパークリングのワインが料理との相性の幅が広いことは知られていますが、あくまで個人的な感想で言えば、このクリアな味わいは和食をはじめとした料理を引き立てる力において、葡萄由来の泡酒よりも一枚上手かも。
あくまで戯言に過ぎませんが、氷温熟成という言葉の響きすら、ロマンティックな世界に誘ってくれそう。美食であれアバンチュールであれ、この夏とっておきの一本としてオススメいたします。

桜餅のようなフレーバーに驚嘆!
酒米には五百万石を50%まで磨き上げて使用し、補糖を行わないドサージュゼロ製法によって米本来の繊細な甘みとシャープな味わいを引き出しています。アルコール分は14%。製造本数385本。1万9800円(720㎖)/IZUMISE KYOTO

● 中村孝則(なかむら・たかのり)
コラムニスト。世界各地を独自の視点で読み歩き、さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案。「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務め世界各地で美食探求の日々を送る。
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