2020.05.30
VOL.04「シガーリングは何のため?」
英国紳士がシガーリングを外すタイミング
ファッションからカルチャー、旅やホテルからガストロノミーまで、ラグジュアリーライフをテーマに執筆活動を行っているコラムニストの中村孝則さんが、毎回1本のシガーを取り上げてその魅力と楽しみ方をご紹介する連載です。
- CREDIT :
文/中村孝則 イラスト/林田秀一
■Theme04「シガーリングは何のため?」
その昔、シガーの質があまり良くなかった時代は、シガーの匂いが手に移らないように、持つ部分に紙でリングを巻いたとか、シガーが外側に膨らまないように締めたとか、諸説あります。もっともらしい理由は、19世紀中頃にオランダの商人が、シガーのブランドを識別しやすいように巻いたというものです。

『No.2』1本1500円、バンドル(10本入り)1万5000円/ヒロミエンタープライズ
シガーリングはブランドの識別には便利なわけですが、シガーを吸い切るためには、いずれは必ず外さないといけません。では、どのタイミングでリングを外せばいいのか。
かつて英国紳士の間では、リングがこれみよがしなので吸う前に外す、なんて作法がありましたが、吸ってる途中でリングのノリがたるんで外しやすくなるので、そのタイミングを見計って外すのが簡単でオススメです。とはいえ、結局のところは好みでいいのだと思います。
質実剛健というか、サスティナブルというか。その分、価格はかなり控えめです。何より、リングの作法やブランド名に惑わされないので、初心者にオススメです。もちろん、シガー玄人であっても、あえてのこの選びが渋く、実際に味わいも美味しいのですから、未体験の向きにはぜひとも味わっていただきたい次第。きっと、その味わいと価格とのギャップに驚かれることかと。

中村孝則
コラムニスト。世界各地を独自の視点で読み歩きさまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案。「世界ベストレストラン50」の審査員も務め世界各地で美食探求の日々を送る。
※掲載商品はすべて税抜き価格です