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2020.05.27

VOL.04「ブラックモールスキンのワークジャケット」

今のうちに押さえておいたほうがよいフランス産ワークウエア

常に独自の視点で独自の音楽を生み出していくDJとして世界中で活躍する田中知之(FPM)さん。音楽のみならずファッション、時計、クルマ、グルメとオールジャンルでの博覧強記を駆使した田中流「男の定番」をご紹介する連載です。

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写真/鈴木泰之(Studio Log) 文/田中知之(FPM) イラスト/林田秀一

世界を舞台に活躍するDJ田中知之(FPM)さんが自らの美意識に叶った「男の定番」をご紹介する連載。今回のテーマは……。

■Theme04「ブラックモールスキンのワークジャケット」

アメリカで作業着に使用されてきた素材といえばデニムだが、これがフランスやその近隣諸国になるとモールスキンに取って変わる。Moleskinあるいはmole skin、直訳するとモグラの皮膚。綿糸を生地の片面だけではなく両面に起毛させながら織り上げていくのでとても丈夫。しかも用いられる綿糸はデニムよりも細く、密度を高めて織り上げるのでしなやかな肌触りと保温性が生まれる。フランスでは1930年代頃より多くの作業服メーカーがさまざまな職種の労働者のためにモールスキンの衣料を発売し、人気を博した。
長年着込んでいくと少しずつ色落ち〜フェードを起こし、個体別の興味深い経年変化をし、年代ごとにさまざまなディテールが存在するのは、インディゴで染められたデニムと一緒だ。より古く、より珍しいディテールをもった個体がヴィンテージ市場で高値なのも同じだが、アメリカ産のデニムの場合、インディゴの色が残っていればいるほど価値が高い傾向にあるのだが、フランスのモールスキンの場合、きれいにフェードしていれば、色が濃い未使用品よりも高値がつく。

しかも当時ハードに使用〜洗濯を繰り返したがために破れたり弱くなってしまったりした箇所にパッチワークを施した個体のなかに、奇跡的に素晴らしい佇まいを見せるものがあり、さらに高値で取り引きされることもある。  

さすがにフェードしたりパッチワークを施したモールスキンの古着をLEON読者にオススメするつもりはない。今回ここに紹介するモールスキンのワークジャケットも、私がデッドストックの状態で古着店で入手したもの。しかも黒のモールスキン=通称“黒モール”のジャケットだ。モールスキンのワークウエアは青色のものがほとんどで、黒は基本的に稀少であるのだが、未使用時の“黒モール”の漆黒の光沢が他の素材とは明らかに違った魅力があり、現代のモードとも非常に親和性が高いと私は思う。

“黒モール”のデッドストックは最近じりじりと値上がりを続けているのだが、まだアメリカの古いデニムのデッドストックに比べたら現実的なプライスで入手が可能だ。あまり大きな声では言いたくないけれど、今のうちに押さえておいたほうがよいアイテムである。
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まるでジャケットのように着られるシルエットも魅力

左の胸ポケットに、右の内ポケット、左右の脇ポケットという基本的なフランスのワークジャケットのデザイン。ポケットの形状やボタンの種類から考察するにおそらく1950年代くらいのもの。内ポケットの上にはメーカーの織りネームが。

飾り襟が面白いレアな一着

こちらは最初期である1930年代くらいのワークジャケットで薄手の黒モールスキン。ポケットは左右の脇ポケットのみ。襟は完全に縫い付けられた飾り襟のようだ。写真では見えないがショルダーラインの縫製も後ろ下がりに。

田中知之(FPM)

1966年京都生まれ。音楽プロデューサーでありDJ。それでいてクルマも時計も大好物。ヴィンテージにも精通し、服、家具問わずコレクターであり、食への造詣も深い。 
www.fpmnet.com

2020年2月号より

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