2020.05.20

VOL.03「バーバリーのライダー」

バーバリーの“役満”コートを探し求める

常に独自の視点で独自の音楽を生み出していくDJとして世界中で活躍する田中知之(FPM)さん。音楽のみならずファッション、時計、クルマ、グルメとオールジャンルでの博覧強記を駆使した田中流「男の定番」をご紹介する連載です。

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写真/鈴木泰之(Studio Log) 文/田中知之(FPM) イラスト/林田秀一

世界を舞台に活躍するDJ田中知之(FPM)さんが自らの美意識に叶った「男の定番」をご紹介する連載。今回のテーマは……。

■Theme03「バーバリーのライダー」

イギリスで1856年創業と歴史があるブランドであり、老舗中の老舗。コットンギャバジン素材や、現代コートの始祖と言われるタイロッケン・コートや、トレンチ・コートなど、その後の服飾史に多大なる影響を及ぼす素材やデザインを発明したことから世界的に人気を博し、日本でもライセンス生産されていたのは記憶にもあるかと思う。

最近はリカルド・ティッシがチーフ・クリエイティブ・オフィサーとなり、新たな快進撃を続けている一方で、ヴィンテージ市場でもここ数年完全にリバイバルを果たしたというかブームを巻き起こしている。
ヴィンテージと言えど、80年代以前に本国イギリス、もしくはライセンス先のフランスで製造されたコートに限られるのだが、綿とポリエステル混のベージュや薄いカーキ色のバルマカーン(ステンカラー)・コートやトレンチ・コートが定番で、それ以外のタイロッケン・コートやライダー(ベルテッド・バルマカーン)などの稀少デザインや、黒や紺や玉虫色などの稀少色の個体はより珍重されるし、ショップ別注や個人オーダーも多かったことから、ちょっとしたディテール違いが数多く存在するのだ。

また、「一枚袖(脇の下の一カ所で縫い合わせ、生地1枚で形成した袖)」だの、「コットン100%」だの「MADE IN FRANCE」だの「ライナー付き」だの「アイリッシュ・ツイード」だの、マニアやディーラーはその稀少性を麻雀の"役"の様に表現し、その役が多いほど価値も価格も跳ね上がるという次第。

正直、レアな個体の取引価格は倍々ゲームで高騰し続けている。これはある程度のブランドの長い歴史と流通量があるからこそで、昨今のヴィンテージのロレックスのスポーツ・モデルや、古いリーバイスのジーンズにも似ている。
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▲ある種のワンオフ的魅力が楽しめるコート
バーバリーの一枚袖でブラック、というだけでもなかなかに稀少だが、 ここまでディテールが 揃っているとさらに面白い。ヴィンテージならではの妙味が詰まっている一着だ。
写真は、私が所有する「ライダー」の「黒」の「一枚袖」で脱着式のウールの「ライナー付き」の一着。残念ながら「コットン100%」ではなく「綿ポリ」の混紡だが、それでもこれと同じ"役"を持った個体を見たことがない。それくらい珍しい。  

ね! 面白いでしょ? 興味を持たれた貴兄はこの週末、ヴィンテージ・ショップやオークション・サイトを覗いてみてはいかがだろうか。

田中知之(FPM)

1966年京都生まれ。音楽プロデューサーでありDJ。それでいてクルマも時計も大好物。ヴィンテージにも精通し、服、家具問わずコレクターであり食への造詣も深い。 
www.fpmnet.com

2020年1月号より

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