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2022.04.30

ヒロシ流!「お金をかけないキャンプの始め方」

キャンプというと、お金をかけて道具を用意しなければ始められないと思っていませんか? 自然の中でひとり時間を楽しむ「ソロキャンプ」は、ある意味、究極の贅沢です。日本一有名なソロキャンパーのヒロシさんに、“お金をかけないキャンプの始め方”を学んでみるのはいかがでしょう?

CREDIT :

文/中野エディット(編集プロダクション)

記事提供/東洋経済ONLINE
キャンプというと、「テントに寝袋、それに焚火台も買うと、数万円かかるのでは?」と思う人も多い。しかし、ソロキャンパーのヒロシさんは、「ソロキャンプは、本格的にやると最低限のお金がかかりますけど、お金をかけなきゃ、キャンプを始められない、という発想そのものがズレている気がします」と語り、「入門するうえでは、家であるものでもできるし、お金を極力かけないでできます」と答える。

暇な時間を使って、極上のひとりの時間を楽しめるソロキャンプ。その第一人者のヒロシさんが、お金をかけないソロキャンプの始め方について、自身の最新刊『大人のソロキャンプ入門』よりレクチャーをする。
ヒロシ著『大人のソロキャンプ入門』
▲ 「ヒロシです。」のフレーズではじまる自虐ネタで、ピン芸人として大ブレークしたヒロシさん。2015年3月より、自ら撮影、編集したソロキャンプ動画「ヒロシちゃんねる」を配信。チャンネル登録者数は114万人を突破(2022年2月現在)。

100円ショップにはキャンプギアが充実

── まずはキャンプ専門店に行ってギアをそろえるべきですか?

それもいいんですけど、僕ならば、とりあえず100円ショップに行きます。僕がソロキャンプを始めたばかりの頃は、全然仕事がなかった時期です。専門店で高いキャンプギアを買うのには抵抗がありました。そんなときに利用していたのが100円ショップ。「これならキャンプに使えるかな?」と想像して100円ショップの店内を見て回るのはワクワクしましたよ。

今はキャンプブームもあって、100円ショップにもアウトドアコーナーができて、 グッズも充実しています。アウトドア専門店に行く前に、100円ショップでそろえられるものはそろえてしまうのも手なんです。次に、キャンプをするなら、どんなことがしたいですか?

── そうですね。カセットコンロは重たいしかさばったので、もっとコンパクトなもので調理してみたいです。

それならば、温泉旅館の鍋料理で丸型コンロと一緒に出てくる水色の固形燃料があるじゃないですか。100円ショップで数個入りのものが売っているんです。それ1つで1合の米が炊けるくらいになっているから、それでやってみるといいんじゃないですか。鍋を乗せる台になるゴトクも100円で売っていますよ。

それと、家の鍋が大きくて、持っていくのがしんどければ、今は100円ショップで一合分の飯盒(メスティン)がワンコイン(500円)で売られています。これは米を炊く以外に、煮炊き用にも使えます。

あとは、2000年代後半に、ダイソーの100円のスキレット(鋳物のフライパン)「100スキ」がキャンパーの間でひそかにブームになったんです。「100スキ」は僕も買いましたし、僕が所属するソロキャンプ芸人の集い「焚火会」でも買っている人がいました。

スキレットって、当時はある程度値段のするものしかなかったんです。「100スキ」は価格が100円だったのが革命的でした。その後、「100スキ」は価格が上がったんだけど、それでも200円とか300円とかの安い価格で売っています。ほかにもステーキプレートなどの鋳物が低価格で販売されています。

鋳物は、蓄熱性に優れているから、焼きムラができにくく料理が冷めにくいんです。僕は今、重たいので鋳物を使っていないですが、こういうのを買ってフライパン代わりに持っていってもいいと思います。
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ヒロシ著『大人のソロキャンプ入門』
▲ ダイソーの人気商品である500円のメスティン。
── カセットコンロを固形燃料に、鍋をメスティンに、フライパンを鋳物に替える。これは楽しそうですね。

ただし、鋳物はシーズニングする必要があるんです。

── シーズニングって何ですか?

工場の出荷時にさび止めの目的で塗られている油分を取り除いて、食用のオイルでコーティングすることです。 詳しいやり方は調べてほしいんですけど、僕の場合は洗ってから、火で熱し、煙が出なくなったら、火を止めて、冷めてからまた洗う。これを何回か繰り返して、最後はキッチンペーパーでサラダ油かオリーブオイルを全体に塗って終わりですね。熱するときはクズ野菜を焼け、と教えていることもあるようなんですけど、僕の冷蔵庫にはクズ野菜ってないんです。

それはそうと、スキレットとかステーキプレートで肉を焼いてもいいけど、もっとかんたんなのは弁当を温めることです。僕もプライベートのソロキャンプでやるし、キャンプ番組『ヒロシのぼっちキャンプ』(BS TBS) でも弁当屋さんで買った焼き肉を鉄板で温め直して食べました。これだったら、固形燃料1つで温め直すことができると思いますよ。
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今だからわかる「茶色い弁当」のおいしさ

── 弁当の温め直しは、失敗しなさそうですね。

そうそう。ぱっと見て茶色い弁当を買ったら、だいたい温め直してもうまいですよ。

ちょっと脱線するけど、僕、小学生の頃に、遠足で持っていく弁当を他人に見られるのが嫌だったんですよ。なぜなら、自分の弁当は、すべてのおかずが醤油で煮てあって、全体的に茶色だったからです。卵焼きも黄色じゃなくて、さんまの蒲焼きの缶詰を混ぜて焼かれていたから茶色でした。白いご飯も、熊本でメジャーな「御飯の友」というふりかけをかけるから茶色になっていたし、ふりかけ部分が終わっても、底にはおかずから滲み出た汁によって茶色に変色したご飯が残っていたんですよね。

あれだけ茶色い弁当が嫌だったのに、今はやっぱり茶色がいちばんうまいと思っているんです。焼き肉とか唐揚げとか、ぶりの照り焼きとか、とにかく茶色って、だいたいうまいんですよ。

── 父親のブルーシートテントがかっこいいと思い、母親が作っていた茶色い弁当がおいしいと思っている。ヒロシさんのソロキャンプのスタイルはご両親譲り、といえるかもしれませんね。

いわれてみたら、たしかにそうですね。焚火会の中には高価なキャンプギアを買う人もいるんだけど、僕は今もあまり高いのは買わないです。基本、貧乏性なんでしょう。

あと、食事に使う道具も、商品豊富な100円ショップだと見つけやすいと思います。 飯盒に入るような折りたたみができるスプーンやフォークとか、焚き火調理で使う網やステンレス製の串なども売っています。一度、行ってみて、そこで買ったもので再度、日帰りソロキャンプをやってみたらいいんじゃないですか。
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100円ショップのうまい使い方

── 100円ショップ大手のダイソーに行ってみました。少し大きめの店舗に行ったのですが、ほぼなんでも売っていると思うくらい充実していました。挙げていただいたもの以外でも、ヒロシさんが持っているシェラカップ(食器や炊事に使える金属製のカップ)に近い形のステンレス製のボウルや、取っ手の部分が折りたためるステンレス製のマグカップがありました。夏に重宝しそうな発泡スチロール製のクーラーボックスや保冷剤も売られていました。

たためるウォーターバッグも売っていたでしょ? あれ、 僕も持っているんだけど、水を入れて凍らせて持っていけば、保冷剤にもなるし、溶けた水を飲み水や調理に使えるんですね。ウォーターバッグは使い終わったらたためるのがいいんですけど、買うのが嫌だったら2リットルのペットボトルに水を入れて凍らせて持っていくとかでもいいと思います。

実際、使ってみて、どうでしたか?

── 500円メスティンで、焼き肉弁当を温めました。おかずをメスティンに移し替えて、ふたをして温めたら、15分ほどで完全に温まりました。固形燃料の残り時間を使って、冷めているご飯をメスティンのふたに乗せて温め直そうとしましたが、これはうまくいきませんでした。

おかずの上にご飯も一緒に入れて、ふたをして蒸し焼きにすれば、全部温まったかもしれないですね。
ヒロシ著『大人のソロキャンプ入門』
▲ 固形燃料1つで、お弁当のおかずを温めたところ、15分でおかずがほかほかになった。
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── あぁ! その手がありましたね。それと、その後、固形燃料でご飯を炊いたのですが、これもかんたんでした。無洗米を使って、人差し指の第一関節まで水を入れて、固形燃料が完全に消えるまで30分。その間、何もせずに見守っていただけです。出来上がって、15分ほど土の上で蒸らして完成。ちゃんとおいしく炊けていました。

米炊きは、焚き火でやると難しいんだけど、固形燃料は、ちょうどいい火力なんでしょうね。あと、100円ショップでアルコールストーブも売っているんですけど、あれも2、30分ほど燃えているから、だいたいお米が炊けるくらいの燃焼時間ですよね。

ちなみに、ご飯を炊いたときに使われた固形燃料を載せ、その上に鍋を載せられる折りたたみ式のゴトクも、100円ショップのものですよね。
ヒロシ著『大人のソロキャンプ入門』
▲ 固形燃料1つを載せて、そのうえにメスティンや鍋を載せられる、便利な折りたたみ式のゴトク。
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── はい。300円で買いました。

僕もエスビットというドイツのアウトドアブランドの、同じような形の固形燃料用折りたたみ式ゴトクを持っていたんです。タバコの箱よりもふた回りくらい大きいサイズで、上に固形燃料を載せられるんですよね。面白いなと思って、当時買ったんです。

僕が「ソロキャンプをやる際は100円ショップをうまく使おう」と発言しているのは、そういうちょっとした便利なアイテムって、少しはやると、100円ショップメーカーが目をつけて、似たものを出してくれるからなんです。

これからソロキャンプを本格的にやるとわかるけど、そういうちょっとした便利なアイテムって、すぐに飽きちゃうことも多いんです。高いお金を出すほどのものじゃなければ、100円ショップで買って満足する。それで十分ですから。

そのアイテムが気に入ったら、壊れるまで使い続ければいいし、少し高いものに買い換えてもいい。僕もいまだに100円ショップで売っているものはチェックします。焚火会の村田さん(とろサーモン)も、100円ショップで買ったスタンド付きの焼き網が、愛用の焚火台にぴったりハマる優れものだとわかって、喜んでいました。100円でこういう喜びまで体験できるのって、最高じゃないですか。

どうです? 日帰りキャンプを2度やってみて、ソロキャンプにハマりそうですか?

ドキドキ、ワクワク感が大事

── 焚き火もまだしていませんし、ソロキャンプの醍醐味を味わっているとはいえないかもしれませんが、少なくとも、前日、寝る前にドキドキしています。

それ! そのドキドキ、ワクワク感が大事なんですよ! 小学校のときの遠足に行く前日みたいな気分になれるでしょ? ハマり始めている証拠だと思います。大人になってから、そういうドキドキを味わったことがない人も多いんじゃないでしょうか。

そうしたら、今度は100円ショップでは買えないキャンプ道具をそろえて、1泊することに挑戦してみるといいと思います。
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ヒロシ著『大人のソロキャンプ入門』

『大人のソロキャンプ入門』

日本でいちばん有名なソロキャンパーのヒロシが、満を持して送り出す、初のソロキャンプ入門書!!

キャンプをやったことのない人に向けて、ヒロシ式のソロキャンプのやり方・楽しみ方を語るのが、本書。

人のいないキャンプ場の選び方から、他人とかぶらない道具の選び方・買い替え方、焚き火のレベルアップの仕方、無骨なキャンプ飯の作り方、冬のキャンプのやり方……etc.

ヒロシのキャンプテクニックとともに、独自のキャンプ哲学も、余すところなく紹介!

この1冊を読めば、ヒロシが魅了された「ソロキャンプの世界」にどっぷり嵌まること必至!

ヒロシ・著 SBクリエイティブ 990円(税込)
※書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ヒロシ著『大人のソロキャンプ入門』

● ヒロシ

1972年、熊本県出身。 本名:齊藤健一。九州産業大学商学部商学科卒。 ピン芸人として「ヒロシです。」のフレーズではじまる自虐ネタで大ブレーク。2015年3月よりYouTuberとして「ヒロシちゃんねる」を配信。自ら撮影、編集したソロキャンプ動画をアップして人気を集める。チャンネル登録者数は114万人を突破(2022年2月現在)。 2020年にオリジナルアウトドアブランド「NO.164」を立ち上げる。著書に、シリーズ50万部を突破した『ヒロシです。』 (扶桑社)ほか多数。TVレギュラーでは『ヒロシのぼっちキャンプ』(BS-TBS)などに出演中

当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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