2019.05.25
【第4回:若いヤツら】
部下の携帯に電話したらLINEで返事が来た。さて、どうする?
怒涛の昭和~平成を生き抜いてきた梅沢富美男さんが考える「男の生き方、身の処し方」とは? 常に一本芯の通った、炎上を恐れぬ本音コメントは世の迷えるオヤジ&コヤジのバイブルですぞ!
- CREDIT :
構成/紺野美紀 写真/内田裕介 イラスト/ゴトウイサク

LEONの読者は30代、40代が多いのか? そうすると、俺の言ってることの半分くらいは共感してくれるんじゃないかな(笑)。
他人の写真に「イイね」して、食った気になるな
ウチの娘たちもそういうところがあるんだよ。俺からしたら、不思議で仕方ない。世の中には面白いことがいっぱいあるんだよって言っても、なかなか興味を示さないんだな。
今はインターネットで何でも情報が入ってくるけどさ、自分で実際に経験しなきゃ分からないだろう。美味いも不味いも、甘いも辛いも、食ってみなきゃ分からない。ネットで知ったことは、単に知った気になってるだけだろ。
SNSで人気があるとかじゃなくて、自分で食ってみて、それから好きか嫌いか判断しろよってこと。写真見て“イイね”して、行った気、食った気になってるんじゃね~よ。とにかく、尻が重くていいことないんだって言いたいね。
入社一年目で自分の実力なんて分かるわけないだろ
右も左も分からないところから仕事をきっちりと覚えて出来るようになって、10年経った時に“私には合ってない”っていうなら仕方ないよ。でも、一二年で何が分かるんだって。
なかには、入社1年目で「ボクの実力が発揮出来ない」って辞めるヤツもいるらしいけど、何が実力だよ(笑)。自分の実力がそう簡単に分かるかって。ごくたまに自分で起業して成功するヤツもいるし、憧れるのも分かるけど、そんなの一握りだからね。そいつが天才ならいいよ。でもほとんどのヤツは凡才。普通の人だろ。
まずは先輩や上司の仕事をじっくり見て、経験を重ねることだよ。「ダメだな」というところは真似しなきゃいいの。そのうちに自分なりの仕事の方法が分かってくるんだよ。
劇団の若いヤツらにも、「石の上にも三年、辛抱する木に花が咲くって言うだろう」って話すんだけど、「何で三年なんですか?」って。そこじゃないだろ!(笑)。

電話に出ないなら携帯電話なんて捨てちまえ
電話が苦手って、それじゃ仕事にならないだろう! 我が家では、家族間のメールとLINEは禁止です。電話に出ないんなら、携帯電話なんて捨てちまえって話。文字だけじゃ伝わらないことっていっぱいあるんですよ。
俺は人ときちんと向き合わないヤツは、信用できない。そんな部下がいたら、バカ野郎!ってLINEを返す……ワケねえだろ(笑)。電話してそう言うよ。
今はそういう時代じゃないんですって言うヤツがいるけどさ。そうやって人が積み重ねて大切にしてきたものを疎かにすると、絶対後悔するんだよ。人間の本質なんて10年や20年じゃ変わんないっての!

● 梅沢富美男(うめざわ・とみお)
1950年11月9日、福島県福島市生まれ。血液型B型。俳優・歌手・タレント。剣劇一座「梅沢劇団」の創設者で大衆演劇のスターだった梅沢清と娘歌舞伎出身の竹沢龍千代の5男として生まれ、1歳5か月で初舞台。15歳で本格的に役者の道へ。1976年、女形に転向し「下町の玉三郎」として大ブレイク。1982年には『夢芝居』で歌手デビューし50万枚を超えるヒットに。現在は「梅沢劇団」三代目座長として年間180日舞台に立つ傍ら、テレビにも数多く出演。バラエティや情報番組での歯に衣着せぬ直言コメントで人気を得ている。