2025.08.09
【40・50代オヤジQ&A5選】 筋トレは、週2回だけでいいの?他
たるんだ体を目にしては、筋トレの必要性を感じているオヤジさんは多いかと。そこで服を着こなせる引き締まった体になるために、筋トレに関する疑問について、フィジカルトレーナーの坂詰真二さんにうかがいました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
とはいえ、お洒落オヤジとしては、やみくもに鍛えるのはなんか違う。効率よく筋肉を付けるには筋トレこと筋力トレーニングを理解しなくては! ということで、日本におけるパーソナルトレーナーの草分け的存在・坂詰真二さんに疑問をぶつけてみました。
【5位】 筋肉を付けるにはプロテインさえ摂ればOK?

坂詰 人間の細胞のほとんどは主成分が水。筋肉は水とタンパク質の塊です。だから当然タンパク質を摂らないと筋肉は増えませんが、タンパク質だけ摂っても吸収は進みません。筋肉を付けるには、糖質もしっかり摂らないとなりません。
── 糖質制限ダイエットをする人も多いですが、筋肉を付けたいならやらないほうがいいんですね。
坂詰 そうですね。糖質を摂取するとインシュリンというホルモンが分泌され、糖や脂肪、タンパク質の元になるアミノ酸など、いろいろな栄養素の細胞内への取り込みを促す働きをしてくれます。糖質を摂らないとタンパク質の吸収率が悪くなり、筋肉は作られない。そもそも糖質制限は糖尿病予備軍や患者のために考案されたダイエットなので、筋肉を付ける目的には向かないんです。
【4位】 筋トレが続きません。続けるコツは?

坂詰 長く続けるコツとして一番大切なのは、トレーニングも腹8分目を心がけることですね。限界ギリギリまで自分を追い込むようなトレーニングは、短期間が勝負のアスリートがやること。長い人生を健康に生きていくための筋トレに、無理は禁物。「もうちょっとできるな」という余力を残した状態でやめるのが、継続のモチベーションになります。
もう1つは、3カ月の壁を乗り越えること。筋肉を1kg付けるには1年くらいかかるので、始めて3カ月では見た目の効果が出にくいんです。3カ月を過ぎる頃から、ジャケットを着た時の肩や胸の筋肉の張り感が違うと気づいたり、パンツをはいた時にちょっとウエストがゆるくなったり、小さな変化が現れてくるので、それまでは我慢です。
【3位】 筋トレをすると若返るってホント?

坂詰 筋トレをすると、代表的な男性ホルモンであるテストステロンの分泌が促進されます。テストステロンは体の細胞の成長を促すホルモンで、筋肉を増やすだけでなく、肌のターンオーバーも促し、骨量も増やすので、体の内側と外側のどちらからも若返るんです。
また、男性ホルモンにはやる気や集中力を高める効果もあり、メンタル面にも影響大。男性更年期という言葉も広く知られるようになってきましたが、50歳前後はテストステロンの減少によって、心身ともになんとなく元気がなくなり、疲れやすくなったりで、意欲や気力が低下。生殖機能も性欲も減退します。そんな更年期の症状も軽減されるようです。
【2位】 中年太りの原因は筋肉が減ったから?

坂詰 筋肉量を増やすと言うより、20代の頃の筋肉を取り戻して、当時のようにエネルギーを消費する体を作るというイメージです。筋トレは有酸素運動と違い、動かす場所が限定されるので、あまりエネルギーを消費しないんです。
筋肉量が増えるとエネルギー消費量が増えるので、食事量を増やさない限り徐々に体脂肪が減っていきます。結果、体重は増えません。とはいえ過剰なトレーニングと食事量の増加で筋肉を付けすぎてしまうと、服が似合わない体型になるし、キープするのも大変。血管や関節への負担も大きいので、やりすぎも禁物です。
80%になった筋肉量を100%に戻すのは、実はそんなに難しくありません。1年くらいで達成する方も多いんです。でも80歳前後になり、50%になった筋肉量を戻そうとしても、筋肉どころか関節や骨にもダメージがくるので、100%までは戻らないんですよね。早いうちに始めて、少しずつ戻していくのがベター。健康で長生きするためにも筋トレは必須です。
【1位】 筋トレは、週2回だけでいいの?

坂詰 トレーニングで負荷をかけた筋肉は一度損傷して、そこから回復する過程で元のレベルを超えて成長します。これが「超回復」という現象です。48〜72時間かけて超回復がピークを迎えるので、トレーニングをしたら2〜3日は休むのが理想的。週に3回だと休養が充分にとれなくなってしまうので、週2回をオススメしています。
── 逆に、毎日やらないほうがいいんですね。
坂詰 持久力を高めるためにウォーキングやランニングのような負荷の低い有酸素運動を行う場合、週4~5回の高頻度でもよいのですが、筋トレは毎日軽めにやっても意味がない。高い負荷をかけないと超回復は起こらないから、毎日できるようなトレーニングだと負荷としては弱いんです。