【モテる夏香水2】半個室の泡酒デートでは、流行りのグルマン系の香りを味方に口説くのもアリ

キリッと冷えたビールやシャンパンが美味しい季節。しゅわりと刺激的な喉越しは、夏の恋にも彩りを添えてくれると、LEON6月号「風に吹かれてふたりしゅわり酒」特集では“大人の泡酒デート”をご提案。そのスピンオフとしてWeb LEONでは、泡酒にペアリングすることでふたりの時間をより忘れがたいものにしてくれるフレグランスをご紹介。【泡酒デート×香り】をテーマに、フレグランスアドバイザーのMAHOさんにおすすめを教えてもらいました。

── 今回は「半個室テラスの泡酒デート」というお題で、おすすめいただいたのがノービレ1942の「カステッリ･サッビア」ですが、こちらは？

MAHO　ノービレ1942は、ノービレ家が代々継承しているイタリアのニッチブランドで、伝統的な手作業と職人技が光る香りに定評があります。「カステッリ･サッビア」は、シュールな寓話を表現した新作の１つで、イタリア語で“砂の城”という意味深なタイトルの香りなんです。

── “砂の城”ですか。いいですね、なんかこういろいろ妄想したくなる感じ。

MAHO　そうなんですよ。“半個室テラス”というお題を考えた時、バーがもつ重厚な石造りの雰囲気が浮かんだのも選んだ理由ですが、“砂の城”の作っても作っても波が来たら崩れてしまうイメージが、イケると思った女性にダメ出しされ、それでもめげず趣向を変えてアプローチする男性のようでいいなと（笑）。

── なるほど。壊れても何度でも作れますしね、砂の城は（笑）。香りはどんな感じですか？

MAHO　デーツ（なつめやし）が効いていて、それが和菓子のようなあんこや黒蜜を思わせるまろっとした甘さのあるグルマン系の香りです。よくあるバニラな感じではなく、デーツとシナモンの甘さとスパイシーさ、エキゾティシズムがあって、“砂の城”のイメージとぴったりなんですよ。

── （香りを試して）確かに蜜のような甘さを感じます。デーツって、あの中東のフルーツの？

MAHO　はい。栄養価が高く、男性でもカラダ作りに関心のある方はご存じかと思いますが、あのデーツのイメージを香りに起こしてトップノートにもってきているんです。だから、最初にあんみつの黒蜜のような甘さがきて、柑橘のツンとした感じが全然ない。それが香りのなめらかさ、繊細さに繋がっている。なんか、さりげない上級さが感じられませんか？

── 浮かれた感じはないですよね。いかにもバニラな感じとは一線を画すというか、引き算された和菓子のイメージ。甘いけどしつこくなくて、どこかすっきりしていて……。

MAHO　なおかつ、残り香に香水通も納得できるような複雑味や普遍性がある。それこそ泡酒もスイーツも楽しめるような洗練されたバーにすごく合うと思います。半個室の空間で周囲の視線もそこそこ感じつつ、ちょこちょこオイタをしてはいなされ、「“甘いもの”はこれで我慢して」って、スイーツを「ア～ン」とかされちゃう感じ（笑）。

── もう止まりませんね、妄想が（笑）。相性のいい泡酒は、シャンパーニュでしょうか？

MAHO　そうですね。シャンパンって、カヴァやプロセッコとはやはり違って、アフターの戻り香も芳香さが続きますよね。こちらの香りはトップに柑橘を効かせていないので、そういった素晴らしい余韻にも上手く寄り添ってくれると思いますよ。

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