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2018.12.27

オトナの飲茶処「YAUMAY」で"大人"としてのふるまいを学ぶ

昔なつかし香港の本格飲茶を洗練されたインテリアで供する新店「YAUMAY」をご紹介。

CREDIT :

文/秋山 都 写真/菅野祐二

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毎回、旬のレストランや話題の新店をご紹介していく連載「美食のネタ帖」。「なんか面白い店ないかなぁ」「最近どこか行った?」と聞かれることが多いLEON.JP食いしん坊担当がガチでおすすめなお店を紹介いたします。本連載ではお店を選ぶ際に、この3点をセレクトの条件としました。

1.高くて美味いは当たり前。たまには贅沢できる適度な価格帯であるべし。

2.予約がとれない名店は高嶺の花。会員制や紹介制ではなく、実際に電話が通じるお店であるべし。

3.大通りの洒落たハコばかりではなく、路地裏のひっそりとした名店を探すべし。縄のれんや赤ちょうちんを嫌う女子はこちらから願い下げるべし。

つまりは、高すぎなくてコスパよく、居心地よくて実のあるお店、というわけ。当方、かなりお酒を“たしなむ”タチですので、どうしても酒飲みに寄りがちな内容となりますが、その点はご容赦のほど。

さて、その第3回はこちらのお店。

世界でヒット乱発するALAN YAU氏が日本初出店「YAUMAY」

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パリをベースに活躍するJun Yonekawa氏がデザインしたインテリア。天井が高く、開放的に大きく開いた窓が心地よい。
私が初めて香港を訪れたのは1980年代。もちろん返還前のことです。その雑然とした街並みや竹で組まれた足場はいまも変わらないでしょう(もう何年も行ってない)が、当時の私がもっとも心奪われたのは街角でホカホカと湯気を上げているお粥や麺、そして積み上げられた蒸籠の数々。全部フタを開けて何が入っているか見たい! という衝動を抑えるのに苦労したのを覚えています。

いまも残る「英記茶荘」ではマオカラーのジャケットに身を包んだ老紳士がひとりでお茶を飲んでいたっけ。卓上には蒸籠に入った点心がふたつほど。ゆったりと新聞を読みながら、ポットのお茶がなくなったらフタをずらして差し湯をリクエストし、新たな料理や茶が来たら軽く指でテーブルをタップして「ありがとう」を伝えるエレガントな仕草から目が離せず、私までお茶のおかわりを頼んだものでした。あれはまさに"大人(オトナではなく、ターレンと読んでください)"のふるまいだったなぁ。

ところ変わって日本へ。その名声が日本にも轟いていた「福臨門酒家」が海外初出店として東京・銀座にオープンしたのは89年のことでした。これ以前、横浜や神戸の中華街を別にすれば、本格的な飲茶が楽しめたのは新橋の翠園(ジェイド・ガーデン)くらいだったでしょうか。ワゴンサービスの飲茶が楽しかった翠園が2006年に閉店したのと時を同じくして、90年代後半に西麻布にオープンしていた巨大中華の「香港ガーデン」も閉店しました。

つまり、この10年、東京で飲茶メインで楽しめる店はほとんどなかったというわけです。その状況下で今春、まず日比谷に添好運(ティム・ホー・ワン)がオープンしました。「世界一安いミシュランレストラン」を宣伝文句にした点心専門店には長蛇の列! いまは時間をズラせば10分くらいの待ち時間で入れるかな、という感じ。コスパがいいから、家族でランチなどの際には良さげですが、ワイガヤ系ですのでデートや会食には不向きでしょう。

そしてさらにこの11月にオープンしたのが、ようやく本題の「YAUMAY」。ロンドンの「ハッカサン」や「パークシノワ」など世界的な大ヒット店を仕掛けるプロデューサー、ALAN YAU氏が手掛ける点心専門レストランです。振り返ってみれば今年は点心専門店がふたつも、それも日比谷・丸の内エリアにオープンする、飲茶の当たり年でした。
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ホカホカと湯気をあげる「YAUMAY」の蒸籠
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では「YAUMAY」の点心をご紹介していきましょう。このとき10種をいただきましたが、肉系点心がお得意だとお見受けしました。
まずはスペシャリテでもあるヴェニソンパフ(蝦夷鹿肉のパイ包み)。さくさくのパイ生地の中に濃厚な肉の餡がたっぷり入っています。熱々でどうぞ。
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鴨肉春巻1,300円
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はちみつをたっぷり塗ってローストした、ハニーローストポーク¥2,800。ちょい甘で濃厚。
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モミジと呼ばれる鶏の足にはコラーゲンがいっぱい。鶏足 豆鼓ソース700円
そして海老蒸餃子などオーソドックスな点心もそろいます。
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オープンキッチンに面したカウンター。
さあ、では実際に「YAUMAY」へ出かけるなら、どこの席がおすすめか? なにしろ全118席の巨大レストランですから、どんなテーブルを占めるかによっても食体験が大きく異なることでしょう。

窓際のソファ席もさんさんと陽がさして気持ちよいのですが、LEON.JPですもの。訪れるのは夜かもしれないし、またロマンティックな関係のおふたりかもしれませんね。
そんなときには、カウンター。飲茶をメインにした店で夜の営業をしているのは珍しいし、カウンターがあるのもレアですね。
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点心をつまみにシャンパーニュが飲めるのも、ここならでは。
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丸の内仲通りを見下ろすテラスは2019年春オープン予定。
また2階にありながら、丸の内仲通りを見下ろすテラスがあるのも特筆すべきポイントかと。いまはまだ寒いのでオープンは桜が咲くころだそう。早く春にならないかなぁ。

天井が高く、ヨーロッパの重厚な雰囲気を感じながら食す飲茶は、まるでオールド香港で悠久の時を楽しんでいるような気分に。鼻眼鏡して新聞を読みながら、点心が来たら、人差し指と中指でテーブルをトントン……なんて、大人(ターレン)めいたふるまいをしたくなるお店です。
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■ YAUMAY

住所/東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア 2F
予約・お問い合わせ/03-6269-9818
営業時間/11:00~15:00(L.O.14:30) 、17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日/元旦、法定点検日

● 118席。週末や休前日は予約したほうが無難。

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