2018.09.10
満月を愛でながら、彼女としみじみ飲みたい月見酒6選
古代から続く日本の歴史において幅広く楽しまれてきた月見酒。どうせ飲むならこの時期“ならでは”の酒にしませんか。というわけで「ひやおろし」を中心にオススメ6本をご紹介します。
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文/紺野美紀 写真/田尻陽子
なかでも月見酒といえば、盃に満たした酒に映った逆さの月をいただく(そこから逆月→盃となったそう)といった何とも風流な楽しみ方をしてきた日本人。ここではそんな月見酒にぴったりの日本酒を、『Mr.Sakeコンテスト』の初代チャンピオンにして西五反田で居酒屋『SAKE story』を営む橋野元樹さんに伺いました。
月見酒にふさわしい、旬の日本酒。本命は“ひやおろし”
神々と酒を酌み交わす古代の月祀りや、歌舞音曲を楽しんだ平安の宴はたいそうにぎやかだったと思いますが、現代のカップルはもう少ししっぽりとロマンティックに月見酒を楽しみたいところ。
“ひやおろし”とは、春先に一度だけ加熱殺菌し、秋までひんやりとした蔵で熟成させて、2度目の火入れをせずに出荷される日本酒。実りの秋にふさわしい、穏やかで落ち着いた香り、なめらかな口あたり、まろやかな味わいが魅力のお酒なのです。
夏の間にしっかりと熟成させた“ひやおろし”4種
「まず最初は愛媛県・成龍酒造15代目、首藤英友さんが造る『伊予賀儀屋 月見純米』(写真右端)。切り絵作家である塩崎剛さんとのコラボ“切り絵シリーズ”の秋バージョンは、実りの秋を表す稲穂が描かれています。春先に絞ったお酒を蔵内で静かに寝かせ、円熟の旨みが感じられる“ひやおろし”です」
昔ながらの生酛造りにこだわった、日本酒界の風雲児も
「これは昔ながらの手法である生酛造りと中取りにこだわった新潟県『山城屋』(写真右)です。シンプルでスマートなラベルに記されたのは、お酒を造る際の“微生物の遷移”をグラフ化したもの。料理と合わせることで完成する“未完成の酒”がコンセプトです」
秋酒とともに楽しむオススメ秋の味覚
◆ SAKE story(サケ ストーリー)
住所/東京都品川区西五反田2-17-8 浅見ビル2階
営業時間/火〜金 18:00〜23:00(L.O. 22:00)、土 17:00〜22:00(L.O. 21:00)
定休/日曜・祝日
予約・問い合わせ/☎03-6431-9198
実家の居酒屋を手伝いながら独学で日本酒を学んだという橋野さん。「師匠がいないのが強み」というだけあって、炭酸を注入する“酒パーク(リング)”や独自の日本酒チャート、酒蓋マグネットなど、自由な発想で日本酒界を盛り上げています。