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2018.09.09

満月を愛でながら、彼女としみじみ飲みたい月見酒6選

古代から続く日本の歴史において幅広く楽しまれてきた月見酒。どうせ飲むならこの時期“ならでは”の酒にしませんか。というわけで「ひやおろし」を中心にオススメ6本をご紹介します。

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文/紺野美紀 写真/田尻陽子

春は花見酒、冬は雪見酒、そして秋は月見酒……。日本では四季折々の風光を愛でながら一年中お酒を楽しんできました。
なかでも月見酒といえば、盃に満たした酒に映った逆さの月をいただく(そこから逆月→盃となったそう)といった何とも風流な楽しみ方をしてきた日本人。ここではそんな月見酒にぴったりの日本酒を、『Mr.Sakeコンテスト』の初代チャンピオンにして西五反田で居酒屋『SAKE story』を営む橋野元樹さんに伺いました。

月見酒にふさわしい、旬の日本酒。本命は“ひやおろし”

月の満ち欠けを暦代わりにして農耕を営んでいた古代人。月は農耕の神であり信仰の対象でした。秋の収穫を神々に感謝するため、さまざまな秋の味覚をお供えし、酒を酌み交わしたのが「月祀り」。これと平安時代に宮廷で行われていた観月の宴が結びつき、鎌倉時代以降、武家や庶民までが月見酒を楽しむようになったそう。

神々と酒を酌み交わす古代の月祀りや、歌舞音曲を楽しんだ平安の宴はたいそうにぎやかだったと思いますが、現代のカップルはもう少ししっぽりとロマンティックに月見酒を楽しみたいところ。
橋野元樹さん
橋野さん、そんなお月見にぴったりの日本酒ってどんなお酒ですか?
「そうですねぇ。秋には風味豊かなきのこ類や脂ののったお魚などが人気ですが、そういったお料理にもまけないしっかりした味の日本酒をオススメします。もちろんこの季節ならではの“ひやおろし”は、しっかり熟成しているので秋の味覚にはどれもぴったりです」(橋野さん、以下同)

“ひやおろし”とは、春先に一度だけ加熱殺菌し、秋までひんやりとした蔵で熟成させて、2度目の火入れをせずに出荷される日本酒。実りの秋にふさわしい、穏やかで落ち着いた香り、なめらかな口あたり、まろやかな味わいが魅力のお酒なのです。

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月見酒のオススメの“ひやおろし”

夏の間にしっかりと熟成させた“ひやおろし”4種

それでは早速オススメの日本酒を教えていただきましょう。

「まず最初は愛媛県・成龍酒造15代目、首藤英友さんが造る『伊予賀儀屋 月見純米』(写真右端)。切り絵作家である塩崎剛さんとのコラボ“切り絵シリーズ”の秋バージョンは、実りの秋を表す稲穂が描かれています。春先に絞ったお酒を蔵内で静かに寝かせ、円熟の旨みが感じられる“ひやおろし”です」
「栃木県の『仙禽(せんきん)』は鶴が羽を広げたように見える仙禽の文字がスタイリッシュなラベルで、思わず“ジャケ吞み”したくなります。こちらは地元にこだわり(ワインでいうドメーヌ)、ボルドーの技法アッサンブラージュにより造られた『仙禽 ひやおろし 赤とんぼ』(写真左端)。まるでワインのような洗練された味で、女性にも人気です」
「佐賀県・富久千代酒造の『鍋島』は、数々の賞を受賞している九州を代表するお酒。こちらはニュームーン、クレセントムーン、サマームーン、ハーベストムーンの年4回出されるムーンシリーズのひとつ、「鍋島 Harvest Moon ひやおろし」(左から2本目)。ほどよい重さの濃厚さは、華やかな秋の味覚にも負けません。
「続いては山形県・酒田酒造の『上喜元』。この季節に楽しめるひやおろしの『上喜元 中秋の風花』(右から2本目)はうっすらと濁った澱がらみです。上喜元の特徴である美しい吟醸香はそのままに、より深みのある味わいが楽しめます。上澄み部分はすっきり、ビンを振ればにごり酒として味わえます」

昔ながらの生酛造りにこだわった、日本酒界の風雲児も

以下はひやおろしではありませんが、橋本さんが秋にオススメする生酛(きもと)造りのなかから、若手蔵人たちの日本酒を2本ご紹介。

「これは昔ながらの手法である生酛造りと中取りにこだわった新潟県『山城屋』(写真右)です。シンプルでスマートなラベルに記されたのは、お酒を造る際の“微生物の遷移”をグラフ化したもの。料理と合わせることで完成する“未完成の酒”がコンセプトです」
「そして最後は、若い蔵人たちの顔をデザインしたインパクトのラベルが印象的な、その名も『あべ 僕たちの酒』(写真左)。酒どころ新潟県の小さな酒蔵・阿部酒造の6代目が中心となった“チームあべ”。生酛造りに魅せられた彼らの情熱と心意気を味わって下さい」

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お酒と一緒に美味しいと評判の料理も

秋酒とともに楽しむオススメ秋の味覚

以上、月見酒にオススメの日本酒でしたが、実はこちらのお店『SAKE story』は、料理が美味しいことでも有名な居酒屋さん。せっかくなので、月見酒に合う秋の味覚もご紹介頂きました。
まずはお客さんのほとんどが注文するという「すき焼きコロッケ」。サクサクの衣を割った瞬間にトロッと溢れ出す卵に、彼女のテンションも上がるはず。しっかりとした味付けには、重厚な秋酒がぴったりです。
すき焼きコロッケ
そして昔懐かしい駄菓子のソースせんべいにつけるのは、「ふきみそと鮭&チーズ和え」。一見すると“オヤジっぽいつまみ風”の一品ですが、ふわっと優しいせんべいは女性にも大人気。熟成したまろやかな、まるでワインのような秋酒に寄り添う優しい味わいです。
ソースせんべえ+ふきみそと鮭&チーズ和え
秋が深まって少し肌寒くなってくる季節には熱々の「グラタン」はいかがでしょう。日本酒にグラタン!?と驚くなかれ。酒粕入りのクリームに酒麹で味付けた鶏肉となすがゴロッと入った濃厚な味わいには、キリッと力強い秋酒が絶妙のマリアージュになるのです。
グラタン
そして彼女が「やっぱり秋には、脂ののったお魚が食べた~い」となったら、「焼きサバ」をぜひ。個性的でパンチのある日本酒とのハーモニーはたまりませんよ。
焼きサバ
というわけで、こんなに美味しい料理が揃っていると、月見も忘れてそのまま彼女とカウンターで終了しちゃいそう。でもそれじゃあ本末転倒ですよね。ほろ酔い気分の帰り道には、夜空に浮かぶ満月をふたりで静かに見上げるのをお忘れなく!

◆ SAKE story(サケ ストーリー)

住所/東京都品川区西五反田2-17-8 浅見ビル2階
営業時間/火〜金 18:00〜23:00(L.O. 22:00)、土 17:00〜22:00(L.O. 21:00)
定休/日曜・祝日
予約・問い合わせ/☎03-6431-9198
実家の居酒屋を手伝いながら独学で日本酒を学んだという橋野さん。「師匠がいないのが強み」というだけあって、炭酸を注入する“酒パーク(リング)”や独自の日本酒チャート、酒蓋マグネットなど、自由な発想で日本酒界を盛り上げています。

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