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2018.03.25

ここまで進化した! オトコも惚れるモダン和菓子店3選

目にも舌にも新鮮な創作系和菓子をご紹介。春の手土産にすればオトコの株があがること請けあいです!

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写真/野頭 尚子 文/中島 由貴

和菓子とは。広辞苑では “日本固有の菓子の通称。日本風の菓子”。日本大百科全書はこれに加え、“洋菓子に対して生まれたことばであり、バターやミルクを材料に用いた菓子と、肉食禁忌の環境で育てられた穀類、果実、山草本位の菓子を区別して、明治以降に和菓子と称するようになった”と。つまり、ざっくり言えば日本風のお菓子ということ。歴史や伝統に裏打ちされた誇り高きイメージとは打って変わって、意外にもフレンドリーではありませんか、和菓子って。

で、平成も末の今。ミーハーさが身上ゆえ、SNSの普及を追い風にきっと面白いものがあるだろうと「こんなのはじめて〜♡」な逸品をリサーチ。ですが調査を進めるうちに、職人がそれぞれの考えに純粋無垢に従い、「美」と「味」を深化させた結果、現代的に進化したという、決して奇を衒うことなくむしろ原点回帰しているという、意外にも純度の高い作品ばかりでした。さてさて。

◆ wagashi asbobi

「ハーブらくがんとドライフルーツ羊羹」

wagashi asbobi / 買い物袋を持つ人や遠方からこられた方など、多くの人が吸い込まれるように入って行きました。
買い物袋を持つ人や遠方からこられた方など、多くの人が吸い込まれるように入って行きました。
最初のモダン和菓子を求めて目指すのは、銀座でも浅草でもなく大田区上池台。東急池上線の長原駅を下車し、歩くこと1分。ん、ここ? と不安になるのも無理はありません。なぜって、木造家屋やのれんといったいわゆる“和菓子店”とはかけ離れた、パリの郊外にあるようなかわいい一軒家に到着したのですから。

「ただいま」と口走りそうになる優しい雰囲気の扉を開けると、すぐ目の前に商品が並んでいます。どれにしようかな…、と迷う必要はありません。実はこちらには、「ハーブのらくがん」と「ドライフルーツの羊羹」のふたつしかないんです。
「ハーブのらくがん」(各4粒入 360円)。左から愛知県西尾産の抹茶/カモミール/ハイビスカス/ローズマリー。他には苺や柚子、南高梅(夏季限定 7月~8月)も。

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2種しか置かないおしゃれな和菓子店2種しか置かないおしゃれな和菓子店

その2品は、職人さんおふたりによるそれぞれの自信作。「ハーブのらくがん」を考案したのは、最初に“和菓子遊び”をしていた張本人、稲葉基大さん。超有名老舗和菓子店で20年ほど修行し、支店のニューヨークにも6年勤務していたという実力者です。その時食べたローストチキンに添えられたローズマリーに着目し、なにか和菓子を作れないかと試行錯誤のうえ、完成したのが「らくがん」だったそう。

らくがんといえば、米の粉などをつなぎにして型押しされた干菓子のひとつで、色形は違えど、どれも砂糖の味。ですが、稲葉さんは色素や合成香料は一切使用せずに、ハーブや果物といった自然素材の特徴を最大限に引き出すことで、「らくがん」に新しい個性を与えました。なので、そのどれも、色、味、香りがバラバラ。共通するのは、素材をそのまま口に入れたような、香りも味もフレッシュで美味しいという点です。
「ドライフルーツの羊羹」(1棹 2160円)。パンだけでなく、クラッカー、チーズに合わせても格別で、個人的にはwithバターに心酔。
「ドライフルーツの羊羹」(1棹 2160円)。パンだけでなく、クラッカー、チーズに合わせても格別で、個人的にはwithバターに心酔。
「ドライフルーツの羊羹」は、京都の有名老舗店で修業経験をもつ浅野理生さんの自信作。見惚れるほど美しい断面から覗くのは、くるみ、いちごやイチジクのドライフルーツなど、ケーキやパンには馴染み深いもの。それもそのはず、この羊羹は“パンに合う和菓子を作って”という斬新にして難解なリクエストから誕生したものだったのです。

「パンなら、餡が合う。餡には、体にやさしい黒糖を使いたい。ならば、同じさとうきびから作られるラム酒も合うかも」という具合に、相性の良い食材を数珠つなぎの要領で今までにない羊羹が完成したんだそう。

さて、美味への誘いは封を切るところから始まります。すぐにほんのりとお酒のいい香りが鼻を刺激し、口に入れると、なめらかな餡と黒糖のほろ苦甘さにラム酒が効いて、なんともオトナな味。ラム酒漬けのドライフルーツはしっとりと、苺と無花果の種のプチプチ感がいいアクセントになっています。
さらにこちらの魅力は、贈答品としても最適なところ。喜んでもらいたいという贈る側の想いを、お菓子が肩代わりしてくれますから。

「持っていった先で同じものが買えるのって、ちょっと気まずいですよね。ウチの和菓子は基本ここでしか手に入りません。だから、渡された人は“わざわざ私のために持ってきてくれた”と気づいてくれるはず。それが“こんなに美味しい! ”と喜んでいただけたら、それは手渡した人にとっても本当に嬉しいことですよね。和菓子ひとつがもつエネルギーを最大にするのが私たちの役目です」と稲葉さん。

こんなにも頼もしい手土産なら、こちら目当てにわざわざくる価値はありますね。

◆ wagashi asobi(ワガシ アソビ)

住所/東京都大田区上池台1-31-1-101
お問い合わせ/☎︎03-3748-3539
営業時間/10:00~17:00
定休日/不定休(イベント等で不在の場合あり)

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サザエさんの街に佇む懐かしくて新しいおはぎ

◆ タケノとおはぎ

「おばあちゃんの味とフォトジェニックな新味」

ふらっと立ち寄れる雰囲気のおしゃれな店内。おはぎを主役にしつつも、作る人も買う人も互いに顔を見て気楽にやりとりができるようにデザインしたそう。
ふらっと立ち寄れる雰囲気のおしゃれな店内。おはぎを主役にしつつも、作る人も買う人も互いに顔を見て気楽にやりとりができるようにデザインしたそう。
心ときめく、色鮮やかで可愛い #タケノとおはぎ のインスタを彩る写真たち。実物にお目にかかりたいと、春をすぐそこに感じながら軽い足取りで桜新町へ。13時に着くとそこは老若男女、人、人、人…。聞けば、もう半分が売り切れたと?! 12時オープンですよね?

この大人気店に並ぶのはおはぎのみ。つぶあんとこしあんに加えて、おはぎのイメージをはるかに超えたピンクやイエローの変わり種を日替わりで5種、の計7種類がラインナップします。おはぎ専門店を始めたきっかけは、意外にも家庭の味を守るためだったのだそう。
店主は、デリカッセン「APRONS FOOD MARKET」を営む小川寛貴さん。ちょうど空いた隣の物件で何かできないかと考え、昔食べていたおばあちゃんの手作りおはぎに行き着いたのだとか。実はあんこが苦手だった小川少年が、唯一食べられたのがおばあちゃん手作りのおはぎでした。あんこが苦手な人にまで喜んでもらえるおばあちゃんのおはぎ。すっかりお歳を召されておはぎを作れなくなったおばあちゃんに変わって、“おばあちゃんが作れないなら俺が作る!”という思いもあるそうです。

おばあちゃん直伝のレシピは、圧倒的に砂糖が少ないのだとか。また味を落ち着かせるために、一晩寝かせた餡を使うのもおばあちゃんのユニークなこだわりです。食べてみると、塩がほんのり効いたとても繊細な味で、ぱくぱくと何個でもいけそうな美味しさ。その絶品おはぎをたくさんの人に食べてもらいたいと思いついたのが、 “今”をうまく取り入れた“おはぎ映え”のアプローチでした。
15時〜16時には売り切れてしまうこともあるので、全種類を狙うならオープン直後から1時間以内にどうぞ。
15時〜16時には売り切れてしまうこともあるので、全種類を狙うならオープン直後から1時間以内にどうぞ。
「フランスのデリでは、白インゲン豆が何にでも入っているんです。ということは、白餡なら何にでも合う」という惣菜作りの発想から、他5種類は白餡をベースに、仕入れに応じて旬のものやその時一番美味しい食材をベースに試行錯誤しながら作っているんだそう。だから、自ずと種類は日替わりになるんですね。

どれも白餡と雑穀の餅米がベース。といえども、有機アーモンド、有機ウォールナッツ、有機カシューナッツ、有機ピスタチオをたっぷりまぶした「ナッツ」はチョコの“ロシェ”を食べているような気分だし、この時期にぴったりな「ミモザ」や「藻塩と八重桜」は老舗店顔負けのクオリリティで、全種類食べ比べしても決して飽きない個性豊かなバリエーション。早くも学芸大学に2店舗目をオープンさせたとあって、和菓子離れの救世主的1軒だとも言えるでしょう。

◆ タケノとおはぎ

住所/東京都世田谷区桜新町1丁目21-11
お問い合わせ/☎︎03-6413-1227
営業時間/12:00〜18:00(なくなり次第終了)
定休日/月曜日・火曜日

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敏腕元美容PRが生み出す心に効く和のお菓子

◆ 和のかし 巡

「栄養満点の和のマクロビ菓子」

季節限定商品の「雑穀桜餅」(350円 税別)。食べた数日後に身体がまた求める、美味しくてやさしい滋味。
季節限定商品の「雑穀桜餅」(350円 税別)。食べた数日後に身体がまた求める、美味しくてやさしい滋味。
スイーツを食べると”幸せ♡“と思えたのもつかの間、その後は“食べなきゃよかった”と自責の念にかられ…、なんて甘党ならではのあるある。言うまでもなくその主たる原因とは、たっぷり使われたクリームや砂糖、ですよね。最後にご紹介するこちらは、美容ブランドのPRとして長年活躍していた黒岩典子さんがマクロビオティックなアプローチで作る和菓子が顔を揃えています。

美を追い求める乙女たちはもちろんですが、和菓子のプロから、食べたくても甘いものを食べられないとアレルギーに真剣に悩む人々まで多くの人が足を運ぶ、健康とお菓子が共存する希少なお店です。
雑穀桜餅のなかは、白なめらか餡が。他に、なめらか餡、粒餡の計3種類があります。
雑穀桜餅のなかは、白なめらか餡が。他に、なめらか餡、粒餡の計3種類があります。
並ぶお菓子はすべて乳製品や小麦、かつ砂糖も使用せず、「一物全体」(食べ物は丸ごと食べる)であることや、できる限り無農薬・有機素材を使用するのが基本。それは、春を象徴する和菓子、桜餅も然り。通常、道明寺粉(つまり白米)を使いますが、こちらで米粉を使うときは必ず無農薬のヌカを加えて、玄米(=白米+ヌカ)の状態に“戻して”いるそう。

では、このピンクの色は何かわかりますか?答えはビーツ。もちろん着色料は使いません。さらにスーパーフードとして有名になったキヌアは、最も栄養価の高い黒を選び、プチプチとした歯ごたえのある新しい桜餅に仕上げています。
看板商品の「福巡り」(350円 税別)は、なめらか餡と粒餡に加え、週末には限定餡として変り種もメンバー入り。写真は、3月31日&4月1日限定発売のアールグレイ餡。
看板商品の「福巡り」(350円 税別)は、なめらか餡と粒餡に加え、週末には限定餡として変り種もメンバー入り。写真は、3月31日&4月1日限定発売のアールグレイ餡。
人気は何と言っても定番豆大福の「福巡り」。一見白いですが、中は真っ黒! 生地には無農薬玄米のもち米を、そして有機アガベシロップ、有機キヌア、片栗粉、小豆・黒大豆は無農薬のもの、備長炭、とよく見てみると黒っぽいものがほとんどです。なんでもこれらのような色の濃いものにはポリフェノールが多く、抗酸化作用が高いんだそう。さらに、炭が体内の余分なものを吸着して排泄を促して血の巡りをよくしてくれるんだとか。

驚くのはまだ早い。一般的に粒餡の皮をこして取り除けばこし餡になりますが、マクロビの観点からそれはNG。なので、炊いた水を捨てずに皮を柔らかく煮て、フードプロセッサーにかけ、またさらにアクまで丸ごと口当たりがなめらかになるまでひたすら丁寧に練り上げます。そうして完成するのが特製の「なめらか餡」なのだそう。

週替わりのお楽しみ「週末限定餡」も見逃せません。3月31日&4月1日を一足先に聞くと、白手亡豆で作る白なめらか餡に、有機アールグレイを濃く煮出し、豆乳を加えたミルクティーを加えたアールグレイ餡とのこと。好評メニューですので、お見逃しなく!

ここまでストイックなのは、黒岩さんご自身やご家族の体調の変化から健康について深く考え、血の巡りが健康に直結していると実感したからだそう。安心して食べられる和菓子がないなら自分で作ろうと、美容業界で培った知識を追い風に、開業前は和菓子店のアルバイトの後に製菓学校へ通い、夜には白砂糖を使わないお菓子づくりを研究。健康を想う=人を想う。そんな人想いの黒岩さんだからこそ完成した、「食べて良かったなぁ」と心から喜べる和のお菓子を一度味わって見てはいかがでしょう?

◆ 和のかし 巡(めぐり)

住所/東京都渋谷区上原 3-2-1
お問い合わせ/☎︎03-5738-8050
営業時間/10:30~18:00
定休日/月曜日

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