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2018.03.28

極甘師匠・友吉鶴心のあんこLOVE【2】「羊羹&錦玉羹」

甘党男子を代表する友吉鶴心さん(琵琶奏者)の極甘なセトリを公開する第2回目は、手土産の王様「羊羹」と涼やかな初夏のお菓子「錦玉」。世界で愛される「とらや」の羊かん、浅草にひっそりと佇む「錦玉」のそれぞれへの愛を語ります。

CREDIT :

文/秋山 都 写真/松井康一郎

さあ、浅草生まれ・育ちで生粋の東京人である友吉鶴心さんの激甘なセトリをご紹介する「友吉鶴心さんのあんこLOVE」第2回。第1回は日本一の豆大福をご紹介しましたが、今回は師匠が愛してやまない羊羹と、夏の季節菓子である錦玉をご紹介します。ともに寒天で固めるお菓子ですが、その舌触りとスッと抜ける甘さが身上です。

◆ とらや 銀座店(東京・銀座)

「ぼくは『夜の梅』より『おもかげ』派」

虎屋 銀座本店 / 友吉鶴心さん、虎屋 銀座店にて。
友吉鶴心さん、虎屋 銀座店にて。
手土産の王道として知られる「とらや」の羊羹。さかのぼれば室町時代後期まで歴史がたどれる「とらや」にあって、非常に大切な商品のひとつです。その代表的なものに「夜の梅」がありますが、友吉さんのお好みは「おもかげ」だとか。
小倉羊羹の「夜の梅」と人気を二分する「おもかげ」は沖縄・西表島産の黒砂糖をふんだんに使用した黒糖入羊羹。大正4年にはすでに資料に残っているというから、「夜の梅」(文政2年初出)より時代は下がるものの、きちんと由緒正しき羊羹です。

ちなみに羊羹になぜ羊の字が使われているかというと……

「羊羹」の「羹」は訓読みで「あつもの」、つまり、とろみのある汁物を指します。中国では「羊羹」は羊の肉を使ったスープのことだったのです。日本には、鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧によって「点心(てんじん)」(食事と食事の間に食べる小食)の一つとしてもたらされました。しかし、禅僧は肉食が禁じられていたため、小豆や小麦粉、葛粉などの植物性の材料を使い、羊肉に見立てた料理がつくられたと考えられています。時代とともに甘みが加わり、蒸羊羹が誕生、江戸時代後期(1800年頃)には、現在の主流である、寒天を用いた煉羊羹がつくられるようになりました。(とらやのHPより引用)
和菓子を店内でイートインできるお店は都内では少ないのですが、こことらや 銀座店の2階である「虎屋菓寮」は待ち合わせにも便利。羊羹をはじめ、季節の上生菓子もいただけます。
虎屋 銀座店 / 店内
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◆とらや 銀座店

住所/東京都中央区銀座7-8-6
お問い合わせ/☎03-3571-3679
定休日/元日
営業時間/[店舗]10:00〜20:00(平日・土曜)、10:00〜19:00(日曜・祝日)[菓寮]11:30〜19:30(平日・土曜)、11:30〜19:00(日曜・祝日)

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◆ 千茶(東京・浅草)

「初夏の訪れを告げる『岩清水』は絶品!」

さて、銀座から浅草へ。そして季節も一気に初夏へと飛んでまいります。友吉師匠が「ご主人がひとりで切り盛りしているから少し待ちますが、それでもぜったい食べていただきたい!」とすすめるのは、浅草の和菓子店「千茶」の錦玉羹「岩清水」。本来であれば5月の連休明けから登場するお菓子ですが、この日は特別に作っていただきました。

錦玉羹とは寒天に砂糖を加えて固めたゼリー状のお菓子。別名、錦玉、錦玉糖、琥珀、琥珀羹とも。見た目に涼しげなことから、初夏の風物詩でもあります。季節の移ろいを感じられるのも、和菓子の素晴らしい魅力のひとつ。口に含めば「ふるん」という食感とともにほの甘さが広がり、豆の風味が味わえるお菓子、よ~く冷やしていただきたいものです。

「この『千茶』さんとのお付き合いはぼくの父や祖父の時代から」という友吉さんが教えてくれたのは、お店の片隅に積まれた色とりどりの箱、箱、箱……。
この千代紙を貼った箱に半生菓子を詰めて贈ることができるのだとか。どの箱でどなたに贈ろうかと考えるだけで楽しくなります。実はこの取材時には、浅草の昔の町並みや、かつての「町の親分さん」などユニークな方々のエピソードをお聞きしました。さまざまな伝統が生きている和菓子店はまさに現代のワンダーランドです。
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◆ 千茶

住所/東京都台東区浅草1-18-9
お問い合わせ/☎03-3844-2005
営業時間/11:00~1:00
定休日/水曜

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友吉師匠の「羊羹」セトリ

友吉師匠の甘~いセトリ、まだまだありますので簡単にご紹介しておきます。

【羊羹】

一幸庵(東京都文京区小石川5-3-15)
「有名なわらび餅や上生菓子も素晴らしいですが、ぼくはここの大納言羊羹が好きです」

龍昇亭西むら(東京都台東区雷門2-18-11)
『「西むらの菓子は機械でなく、道具でつくる」がモットーで、浮世絵にも描かれた老舗。ここでは栗蒸し羊羹をどうぞ』

長門(東京都中央区日本橋3-1-3)
「代々徳川家御用達の菓子司だったという格式高いお店。雰囲気に飲み込まれないように(笑)。切羊羹(蒸し羊羹)がさっぱりとした甘みで、酒にも合います」
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● 友吉鶴心(ともよしかくしん)/ 薩摩琵琶奏者

1965年、東京・浅草生まれ。飲食店を営む両親のもと、おいしいものばかり食べて育つ。日本大学芸術学部で日本中世の芸能を学びながら、山口速水・友吉鶴心両祖父の偉業である薩摩琵琶の発展を志し、鶴田錦史に師事。「聖飢魔II」とのジョイント活動や、ファッションイベントなどでも多数演奏。台東区アートアドバイザー。
http://www.biwagaku.com/

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