より美味しく味わうなら…シャンパングラスの最前線！

グラスのお話をする前に…まず、アナタのシャンパンを飲むシーンについてちょっと振り返っていただきたい。20～30年前、シャンパンは結婚式など祝いの席で「乾杯！」と杯をあげる言わばセレブレーション用のお酒でした。「あの頃はシャンパンタワーやってたよ」なんて方もなかにはいらっしゃるかも？　当時のシャンパンは世界的に儀礼用かつ、富や祝祭の象徴として使われていたというわけです。

そして現在。シャンパンはレストランや自宅で食事と一緒に楽しむように私たちのライフスタイルに深く浸透してきました。その味や香りをストレートに正面から味わうため、シャンパン自体もよりふくよかに、複雑味を追求するよう進化してきました。その変化にともない、グラスも形状とスペックを多様化させながらさまざまなオケージョンに対応できるよう、バリエーションを増やしています。

それはワインでも同じことが言えるんです。産地によって味わいが変わるのだから、それに適したグラスを選ぶ。「グラスで味が変わるの？」と懐疑的なそこのアナタ、一度ご自宅のワイングラスでシャンパンを飲んでみてください。本当に違うんですから！

シュワシュワ〜ッとシャンパンの美しい泡がスーッとまっすぐ立ちのぼるように、グラスの底には小さなキズがつけられています。最高のシャンパンを味わうにはそれだけのこだわりがグラスの随所に隠されているようで……。

①薄く、なめらかな口当たりのリム
ワイングラス同様の広めの口径は鼻を差し込んで芳醇な香りを楽しむのに十分なサイズ。薄く仕上げたリムは、ワインの流れをコントロールし、口中でなめらかなタッチを楽しめます。

②香りを最大限に引き出すボウル部
注いだシャンパンと空気の接触面積や香りをとどめる空間の容積を大きくすることで、シャンパンのポテンシャルを最大限に発揮させるボウル部分のふくらみ。ココが一番重要なんです。

縦に短いシェイプのクープグラスは飲んでも鼻の穴が見えず、飲む姿勢が美しく見えるという点ではピカイチ。いまも皇室晩餐会など正式な乾杯にはこのタイプが採用されています。

場所をとらないすっきりとした縦長のフルートタイプ。泡が長く立ちのぼる様が美しく、口径が狭いため、泡だちがしっかりとしているフレッシュなスパークリングワインに適しています。

時代のニーズに応じて、どんどんシャンパンが高級になり、熟成味や複雑味を追求するなか生まれたのがタマゴ型のタイプ。ボウルのふくらんだワイングラスに注ぐことで香りはよりふくよかに。現在のグラストレンドを牽引しています。

白ワインが小さいグラスで、赤ワインが大きいグラス。というところまでは知っていても、産地によってグラスのフォルムが変わり、またそのグラスの口当たりによって味も変わるとご存知でした？

①垂直に立ち上がったリムがアロマを再構築
グラスの中で存分に広がったアロマを口元で集約し、再構築するのがこの垂直に立ち上がった口径部。唇にスムーズに当たり、味覚を敏感に刺激する舌のスポットへとワインを送ります。

②全体に香りを回す閉じたアングル
口径に向けて閉じたアングルは、グラスを回した際にアルコールの揮発を防ぎ、凝縮させたアロマを長時間キープするため。アルコールによる刺激も防ぐため、より丸みのある味わいに。

③アロマを適度に閉じ込める底部
ゆるやかに広がる台形はワインのアロマを十分に感じるため。ゆっくり水平にスワリングすることで空気と適度に触れ合い、それぞれのワインのポテンシャルが最大限に開花します。

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